BtoBメーカーのウェブ活用

第2回:企業購買プロセスのウェブ化(1)

執筆者:代表取締役社長 気賀崇

検証(Inspection)段階のウェブ活用

具体的な製品・サービスにまで絞り込めた潜在顧客は、その製品・サービスが本当に成果を生むのか、他社よりも優れたパフォーマンスなのかを検証することになる。具体的には提案内容の信憑性を、前提要件に抜け漏れがないか、前提要件を変えたらどうなるか、といった視点でチェックする。

そのためには、詳細な関連データやシミュレーションツール、比較機能がウェブサイト上に必要となる。例えばロームでは、回路設計者が実際にLSIの実部品を組んで部品評価をする前に、ウェブ上で回路を組んで動作確認ができるシミュレーションツール(図4)を提供している。また、Volvoの建設機械部門サイトは、顧客自身が選んだ競合他社機との比較を行なえる機能(図5)を実装している。

図4.シミュレーションツール:ローム(別ウィンドウが開きます)

図5.他社製品比較:Volvo Construction Equipment(別ウィンドウが開きます)

こうした機能の提供はプログラムの開発とデータベースの整備・維持が要求されるため、通常の静的コンテンツを制作するよりも、手間がかかることは間違いない。欧米系BtoBメーカーのウェブサイトでこうした機能が充実しているのは、すでに代理店向けに開発してあるシステムをウェブ向けに転用しているためであることが多い。日本企業の場合でも、営業マンが利用する製品選択支援ソフトやコンフィギュレーター(仕様・オプション選択ソフト)、シミュレーションソフトがあれば、ウェブサイトへの転用を検討してみたい。

またウシオ電機のように、共同実験やテスト機の貸出申し込みを受け付ける(図6)ことも有効だ。自動車業界では、ウェブサイトからの試乗申込者の商談化率・成約率が高いことが明らかになっており、この例に限らず、商談に直結する行為をウェブ上で出来るようにすることが、ウェブ活用の基本原則と言えるだろう。

図6.共同実験・テスト機申込み:ウシオ電機(別ウィンドウが開きます)

この後の、承認(Consent)、および、行動(Action)段階のウェブ活用については、次回の第3回で取り上げたい。

「産業広告 2009年9月号」に掲載記事より

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