BtoBメーカーのウェブ活用

第4回:BtoCウェブサイトに学ぶ

執筆者:代表取締役社長 気賀崇

ウェブ活用で先行するBtoC

インターネットについての大半の議論はBtoC寄りであることから、本連載の第1回から第3回では、あえて事例紹介をBtoBに絞ってウェブ活用のあり方を検討してきた。しかし、規模の経済が働くために効果が出やすいこと、新しい試みに取り組みやすいカルチャーがあること、BtoCを得意とするネットサービス業者が多いことなどから、BtoC領域で様々な先進的取り組みが行われていることもまた事実である。特に成功しているBtoCのネットビジネスは、ウェブの特性を最大限に活かしているため、非常に示唆に富む。今回は、先行するBtoC・ネットビジネスの取り組みを参考に、BtoBメーカーがとるべき方向性を考えてみる。

ウェブ誘導施策に学ぶ

電通によれば、2008年の広告費は4マス(TV、新聞、雑誌、ラジオ)が10%前後の落ち込みを見せる中、インターネット広告は16%の伸びを見せており、2009年には構成比で2番目の新聞を追い抜くことが予想されている。この成長を牽引する検索連動広告は、Google、Yahoo!等の検索エンジンで検索されたキーワードに関連する広告を表示するもので、関心のある人だけに表示出来る、クリック課金である(サイトを訪れた場合にのみ課金)、少額で始められる、などの特徴から、費用対効果の高い広告として急速に普及している。

BtoCの世界ではもはや常識とも言える検索連動広告だが、BtoB企業における普及は緒に付いたばかりだ。だが、検索連動広告は、BtoB業界が長年待ち望んだ広告手法と言っても過言ではない。どこにでも潜在顧客がいる訳ではないBtoB企業にとって、マス広告は費用に見合う効果が出にくかったが、検索連動広告ならば、顧客が興味を持って検索をした瞬間を捉えることが出来る。また、クリック単価はキーワードへの入札で決まるため、競合の少ないキーワードが多いBtoBでは、一層コストを抑えることが出来る。

前回指摘した様に、ウェブの主管部署と個別事業部のウェブ担当の間には、ウェブに対するスタンスにギャップがある。検索連動広告も例に漏れず、ウェブ主管部署が広報レベルのキーワードで取り組んでいても、事業部レベルでは全く実施していないことが多い。BtoB全体での取り組みが遅れている今ならば、高い成果をすぐに上げられるはずだ。

「産業広告 2009年12月号」に掲載記事より

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