グローバルWeb戦略

グローバルなWeb活用の進め方

執筆者:代表取締役社長 気賀崇

本社がグローバルWebを推進すべき二つの理由

グローバルなWeb活用を本社が推進しなければならない理由は主に二つある。一つ目が、本社コントロールのブランド訴求。二つ目が、海外においてはまだ整備途上の販売・サポートチャネルの補完だ。三つ目としてWebコミュニケーションの重複コストの回避もあるが、コミュニケーションのあり方を論じる本稿では扱わない。

日本国内においてはブランド認知がある企業でも、海外の認知度は大きく遅れていることが普通だろう。ブランドは、製品・サービスの利用を通じて顧客の中に蓄積されるイメージと、ブランドコミュニケーションとの合わせ技で形成されるが、歴史が短く市場シェアも低い海外市場において前者の形態でのブランドイメージの蓄積にはまだ時間がかかる。つまり、まだ顧客が十分多くない海外においては後者のブランドコミュニケーションの重要性が高い。だが、その企業の総合的な力をシンプルかつ差別化された形で伝えるには、その企業自身を深く理解し、高いコミュニケーションスキルを持つ者が関わらなければならない。平均在職期間が短く、企業全体を見渡す機会も少ないローカル任せでは上手くいかない可能性が高いと考えた方が良い。事実、優れた歴史や技術を持つ大企業のLSの会社紹介でも、現地販社のことしか記述されていないケースは非常に多い。高い潜在力を秘めた名だたる日本のBtoB 企業の総合力が、ほとんど表現されていないことは、本当にもったいないことだと感じる。企業ブランディングは、本社が主導しなければならないのだ。

歴史の浅い海外市場において、販売・サポートチャネルが整備途上にあることも論は待たないだろう。代理店や営業スタッフの数しかり、カタログの充実度しかり、販促のナレッジしかり、あらゆるものが国内と比べて劣っているはずだ。加えて言語や商慣習、人脈の問題もあり、先進国でない限り、ローカルは限られた武器のみでの孤軍奮闘を強いられている。本社からの物理的距離や時差も、スムーズな基素材のやりとりを妨げている側面がある。だが、時間や空間の制約を受けないWebサイトならば、こうした問題を乗り越えることが出来る。一般に企業コミュニケーションと言えばBtoCの方が盛んなイメージがあるが、ことグローバルな製品・サポート情報の発信においては、比較的地域性が少なく世界同一モデルを扱うことも多いBtoBの方が、対外コミュニケーション基盤としてのWebとの親和性は高いのである。

図2.本社がグローバルWebを推進すべき理由
本社コントロールのブランド訴求
貧弱な販売・サポートチャネルの補完

「BtoBコミュニケーション 2015年3月号」に掲載記事より

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