グローバルWeb戦略

グローバルなWeb活用の進め方

執筆者:代表取締役社長 気賀崇

グローバルWebの今後:システムを活用した高度なマーケティングの実施

3つのステップについての今日現在のBtoB企業の分布は、7対2対1といったところだろう。このプロセスを終えるのにはまだまだ時間がかかりそうだが、その後にはどんなWeb活用が待ち構えているのだろうか?キーワードは双方向性とマーケティングオートメーション(MA)だ。

インターネットはもともと双方向性を備えたツールだ。欧米の先進的なBtoB企業のWebサイトには、製品選択・比較機能、製品推奨機能、性能シミュレーター、コスト計算ツール、パーソナライズ画面にユーザーコミュニティと様々な双方性機能が備わっている。だが残念ながら、日本のBtoB企業はこの点において大幅に遅れている。こうした機能の前提として、データベースの整備があるが、この遅れが双方向性機能の差につながっている。大きな投資が必要なこと、また基本的にグローバル共通な機能であることから、本社主導の開発・展開が必要となるだろう。

MAはWebをはじめとする様々な接点での顧客の行動を総合的に勘案したキャンペーンを自動化するソフトウェアで、欧米のBtoB企業での活用が起源となっている。顧客行動に関する多様なデータを集められるようになったことが背景にあり、Webの整備が進めばMAの導入も進むだろう。マーケティングのあり方はローカル色が強いため、双方向性機能とは異なり、各国販社が主導することが望ましい。

なお、双方向性機能もMAもシステムであることには留意を要する。コンテンツは顧客が閲覧した瞬間にメッセージが届くことを考えれば良いのに対し、システムはそれを操作している顧客の行動全体を視野に入れて設計する必要がある。つまり製品・サービスの選択行動のプロセスを把握していないとこれらシステムは有効活用できない。一説に日本のシステムは7割が不良資産と呼ぶ向きもあるが、その要因はここにある。顧客行動全体を見渡し、システムに落とすためのノウハウや体制はまだ十分に蓄積されていないのが実態だろう。

ゆえに筆者は、こうしたシステムを本当に使いこなせるようになるには時間がかかると考えている。だが、諦めようということではもちろんない。難しいからこそ、他社に先駆けることで差をつけることが出来る領域なのだ。コーポレートもしくはマーケティングのコミュニケーション担当者の今後の職務は、コンテンツの企画・制作に加えて、システム担当との連携によって顧客行動全体を見渡すことが欠かせなくなるであろう。

「BtoBコミュニケーション 2015年3月号」に掲載記事より

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