グローバルWeb戦略

BtoB企業のグローバルWebと本社の役割

執筆者:代表取締役社長 気賀崇

課題解決に向けて本社のGW統轄部門が果たすべき役割

では、これらの課題を解決するには、本社GW統括部門はどんな役割を果たせば良いのだろうか。ガイドライン整備や、CMSの導入、素材提供など良く知られた施策以外の、見落とされがちだが重要ないくつかの役割について解説する。

「情報発信のショーケースとしてのGS運用」

海外向け情報発信の主役は、顧客との近さや接点の広さから考えれば当然LSとなる。しかしLSは本社の持ち物でないこともあり、全体を一気に充実化させることは難しい。だが、GSならば広報部門の管轄なので様々なトライアルを行なうことが出来る。

あるBtoBメーカーでは、GSに製品のトラブルシューティングを掲載したところ、多くのアクセスを集めた。トラブルシューティングは本来各国で充実すべきコンテンツだが、なかなか進まないのであえてGSで先行拡充したのだ。その結果、どの国からどれ位のアクセスがあるのかをはっきり数値で示せるようになったため、拡充の重要性を訴えることが出来るようになった。主役はLSであることを認識しながらも、情報発信のショーケースとしてGSの拡充を進めることには大きな意味がある。

「長期・俯瞰視点で考える機会の提供」


各国のLSの運用現場において、Web活用の本質的ゴールをじっくり考える暇はない。しかしインターネットでの情報発信のあり方が年々進化することや、なすべきことが広範にわたることを踏まえると、各国担当者自身で長期的なゴールを明確化し、その実現のために何年がかりで何をするのか、ということを腰を据えて考えてみることが望ましい。

各国販社にいる彼らの直属の上司がそうした指示を出してくれることが本来の姿ではあるが、おそらくそれは難しい。だが、GW統括が主催するグローバルWeb担当者会議への招待時に3ヶ年計画の発表を求めるなどで、そうした機会を作ることが出来るだろう。LS担当者にとっても、自分がやるべき事の全体像やゴールへの道筋がはっきりわかるとともに、自社にとってインターネットでの情報発信にどんな可能性があるのかということをしっかり検討する良い機会となるはずだ。

「Web の重要性に関する各国マネジメントの啓蒙」


Web関連のリソース不足は、各国マネジメントのWebへの理解不足と表裏一体だ。重要視されないから予算があてがわれない訳だ。とは言え、Webなしでビジネスの成果を上げてきた現在の各国マネジメント層からWeb活用への強い後押しがあると考える方が期待しすぎだろう。各国マネジメントにデジタルの重要性と自社ビジネスでの活用の可能性を伝えることが出来るのは、自社におけるWebの可能性を最も知っているはずのGW統括部門なのだ。

「BtoBコミュニケーション 2016年3月号」に掲載記事より

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