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BtoBメーカーサイトの情報設計

IA・UX
ゆるやか広報班 編集部
Webサイトを設計するには、利用するお客様や掲載する製品・サービスについて深く理解することがとても重要です。今回は、BtoBメーカーのWebサイト設計ならではの難しさ、おもしろさをご紹介します。


今日はWebサイトの設計の話をしようと思います。

BtoBメーカーのWebサイトには、設計する上で独特の難しさがあると感じています。
例えば、見たこともない製品の情報を整理しなければいけないという点。
また、Webサイトの利用者がイメージしづらいという点もそうです。
これらの課題に対してイントリックスでどういうアプローチをとっているのかご紹介します。

この製品って何に使うの?!からスタート

BtoBメーカーの製品は、一般的な生活で目にしないモノばかりなので、初見では何に使う製品なのか分からないものばかりです。ましてや、型番毎の違いなんてさっぱりです。

例えば、使用する電圧と組み合わせるモーターの容量で性能が決まるインバーターや、
検出対象によってレーザーや超音波、磁石など測定方式が異なるセンサーなど。
見たこともない製品ばかりで、何を基準に分類し、カテゴリにどういう名前をつければいいのか・・・
全く見当がつきません。

しかもベアリングのような部品メーカーなどでは、μm単位の仕様の違いで製品番号が変わるので、
製品点数が数千~数万点に及ぶこともあります。

良くわからない上に膨大な情報量。これがBtoB企業サイトの情報設計の現実です。

どれだけリアルなペルソナ・シナリオを作れるかが勝負

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BtoBメーカーのWebサイトを構築する時に度々議論になるのは
「このサイトは誰が使うのか?」という事です。
もちろん「お客様」が使うのですが、お客様って誰なんでしょう?
実は曖昧なまま話を進めてしまっていることが多いと思います。

例えば「購入した部品を組み込む設計エンジニア」、
あるいは「業務システムを購入するIT担当者」がお客様だと分かったとしても、
そういう人は普段どういう仕事をしていて、何がきっかけで製品購入に至るのか・・・?
なんとなく想像できても、いまいちリアリティがでません。

またこれはBtoBに限らず起こる問題ですが、製品を買う人は必ずしもそこで使われている技術や仕様に
詳しいわけではないという事もあります。エンジンの構造に詳しくない人でも車を買うのと同様に、
インクやトナーの仕組みが分からない方がコピー機を購入するのです。

特に最近はモノからコトへという流れで、ソリューション化される商材が多いですが、
例えばMPS(マネージド・プリント・サービス)のようなドキュメントソリューションの購買は、
コピー機を管理する総務部が窓口なのか?社内システム管理ということでIT部門が窓口なのか?
それによって導線や情報の見せ方は変わってきます。

Webサイトはお客様視点で設計しましょう、とよく言われますが、
一般論ではそのお客様視点を持ちにくいという事が問題の根源にあると考えています。

イントリックスでのアプローチ(地道にやってます)

このように、最初はWebサイトの以前の問題で分からないことだらけなので、とにかく勉強するしかありません。
勉強というと堅苦しいですが、新しいことを知るというのは単純に面白い作業です。
馴染みがないと思っていた部品が身近な製品にも使われていることが分かったり、
お客様の具体的な人物像が見えたりすると、急に視界が開ける感覚にもなります。

具体的な方法としては徹底的な情報収集です。
以前のコンテンツ作成のエントリーでも似た話がありましたが、やはりこれが基本だと思います。

まずはWebサイトやカタログ、業界サイトや業界地図ような参考書籍を読み込みこんで
基礎知識を身につけます。それだけでは表層的な知識で止まっていたり、わからないことが多いので、
ヒアリングを行いクライアント企業(とくに事業部、営業部)ならではの戦略や特徴、
営業現場の感覚を身につけます。

ここまで来れば、ようやくクライアント企業の戦略も加味して
Webサイトの情報設計に落とし込めるようになります。

02

知的好奇心が成長の基盤

BtoB企業サイトだからといって特別な手法で情報設計を行うわけではありませんが、
スタート時点で不明点が相対的に多いこと、は特徴だと思います。
それはハードルでもあり、同時に楽しさ(醍醐味)でもあります。

個人では絶対に買わない製品について詳しくなったり、大人の社会科見学的にビジネスの裏側を見るのが好き、
という(ちょっとマニアックな?)人にピッタリな仕事だと思います。

おまけ

ちなみに、この記事を書くにあたって考えなおしてみると、上記で触れた製品(情報)、お客様、クライアントについて知るという視点は
Peter Morvilleが提唱したIAの3つのサークル(Content、Users、Context)
同じことだと気づきました。

日頃意識していることが大御所の視点と近かったことに自信を得て、
今後もこの方向性で突き進もうと思います。

関連情報

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