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業界別に企業サイトを調べてみた【石油・ガス・電力】

IA・UX
粕田 峻平
BtoB企業と一言でいっても、様々な分野・業界があり、ビジネスモデルも異なります。 そこで、そんな違いがWebサイトにも表れるか。 今回は、資源・エネルギー分野の石油・ガス・電力業界から国内大手と考えられる各10サイトをピックアップし、特徴を調べてみました。

「個人向け」「法人向け」と、その他の会社情報で情報を分けている


「個人向け」「法人向け」で分けている例:中部電力( http://www.chuden.co.jp/

各業界10サイト中、石油:3サイト 電力:5サイト ガス:9サイト が、「個人向け」と「法人向け(業務用・工業用向け)」、その他の会社情報でヘッダーを分けています。

また、ヘッダーでの区分をしていないだけで、トップページのコンテンツエリアで区分をしているサイトを含めると 石油:3サイト 電力:8サイト ガス:9サイト です。

同じ資源・エネルギー分野でも、担っているビジネス領域が異なる

個人、法人での情報の区分で、石油業界と電力・ガス業界とでは開きがあります。

これは、今回、石油業界の大手としてピックアップした企業のほとんどが、開発・精製・元売りといった川上をメインとする企業であることが理由と考えられます。
そのため、(個人向けではなく)電力・ガス企業等に向けた、事業紹介や研究開発の情報発信をWebが担っていると推測できます。

また、石油業界のうち川下の消費者供給まで担う企業の場合は、ホールディングスの企業形態を取っています。そのため、Webサイトにおいてもグループサイトと傘下事業会社でサイトを分けられ、サイト群としてそれぞれの役割に応じた情報発信をしています。実際に傘下の事業会社やグループ関連会社のサイトを見てみると、その中で「個人向け」「法人向け」に区分されています。

対して、電力・ガス業界として今回ピックアップした大手企業は、より公共性が高く、川下となる消費者供給がメインとなるため、サイトの役割も消費者向け情報発信やWebサービス提供となっていると考えられます。

統合再編が進む石油業界

再編が進んでいる石油業界。Webサイトの統合も活発です。

2017年4月にJXグループと東燃ゼネラルグループが統合し、JXTGグループを発足。傘下の会社を再編しJXTGエネルギー・JX石油開発・JX金属を中核事業会社として始動しました。

Webサイトにおいても、JXTGホールディングスとしてグループ情報を掲載するコーポレートサイトと、
サブドメインで中核事業の個別サイトを持つWebサイト群を形成しています。


サブドメインで中核事業の個別サイトを持つWebサイト群を形成:JXTGホールディングス( http://www.hd.jxtg-group.co.jp/

電力・ガス自由化に対応するWebサイト

石油業界とガス業界のサイトで見られるのが、家庭用電力に関するコンテンツです。
2016年4月から電力小売全面自由化がスタートしたことにより、Webサイトでの情報発信やWebサービス提供が行われてきています。

Webサイトの役割が異なる石油業界とガス業界の差はここでも見られ、BtoB向け情報発信をメインの役割としている石油業界のサイトにおいては、一般消費者向けに別サイトをもつ形としています。
一方、消費者向けの情報発信をメインの役割としているガス業界のサイトにおいては、ガスの情報と並列する形で電気の情報を持つ形にしています。

2017年4月からスタートした都市ガス自由化への対応も同様の形で行われています。


一般消費者向けに別サイトを持つ石油業界例:JXTGホールディングス( http://www.noe.jxtg-group.co.jp/lande/product/denki/


ガスの情報と並列する形で電気の情報を持つガス業界例:東京電力ホールディングス( http://www.tepco.co.jp/

統合再編と新事業展開に今後も注目のWebサイト

同じ資源・エネルギー分野のBtoB企業でも、Webサイトの役割はそれぞれ異なります。
どのような形でWebサイトを統合していくか。また、新たな事業展開に合わせてどのように組み変えていくか。
これらはWebサイト群の戦略立案・設計に取り組む場合によくぶつかる課題なので、今後もさらに統合再編が進む可能性がある資源・エネルギー分野の業界サイトの動向には注目したいですね。

 


※今回、調査対象とさせていただいたサイト
石油業界

電力業界

ガス業界