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海外向けサイト制作で分かった、
言語による表記ルールの違い

グローバル
吉川 奈美
常識だと思っていたことが違っていた…。 イントリックスに入社して取り組んだ案件で出会った言語による表記ルールの違いには、新鮮な驚きがありました!

こんにちは。Webディレクター/インフォメーションアーキテクトの吉川です。

イントリックスでは、日本本社のグローバル企業様のデジタルコミュニケーション支援を行っています。
そのため、Webサイト制作も海外向けサイト制作数が日本国内向けと同等か、それより多いほどです。
扱う言語は英語が多いのですが、最大で10を超える言語展開をすることもあります。

実際の翻訳作業は翻訳パートナーやクライアント様側が行うことも多くありますが、
ディレクターとしての原稿の確認や、制作過程でのチェック作業の中で学んだことがいくつかあります。

アラビア数字の小数点、桁の区切り表記の違い

日本では、小数点は.(ピリオド)、桁の区切りには,(カンマ)を使いますよね。

1,000.99(例えばこんな風に)

 

英語は日本語と同じルールですので特別に意識することはありませんが、
小数点や桁区切りの表記ルールが違う言語もあります。

英語・日本語・タイ語
桁区切り「,(カンマ)」/ 小数点「.(ピリオド)」
1,000.99

フランス語・ポルトガル語・ロシア語・ポーランド語
桁区切り「半角スペース」/ 小数点「,(カンマ)」
1 000,99

ドイツ語・イタリア語・スペイン語・インドネシア語・ベトナム語
1.000,99

※ただし同じ言語でも、使う国によって上記とは違う表記をしている場合もあるようです。

 

また、ヒンディー語では桁区切りのルールも英語とは違っていて、
千以上の数字は2桁ごとに,(カンマ)を挿入しています。

日本語
1,000,000
ヒンディー語
10,00,000

 

改行位置

日本語は基本的に文章のどの位置で区切っても意味は変わりません。

日本語

  • 基本的に文章のどこで改行してもOK
  • 句読点での改行はもちろん、文字と文字の間で改行しても改行位置によって意味は変わらない
例:「企業情報」を改行する場合

企業情

▶ 見た目は美しくないが、意味は変わらない

 

英語やヨーロッパ言語は単語間がスペースで句切られているため、さほど迷わずに改行ができます。

英語やヨーロッパ言語

  • 単語と単語の間で改行
  • 1つの単語内でどうしても改行する場合は「-(ハイフン)」で繋いで改行
  • 単語間の区切れはスペースで区切られているのでわかりやすい
例:「Corporate Information」を改行する場合

Corporate
Information

▶ 単語間での改行なので問題ない

Corporate Infor-
mation

▶ 1つの単語内で改行する場合は「-(ハイフン)」で繋ぐ

 

それに対して、タイ語は文字の改行位置によって意味が変わってしまったり、不自然な文章になってしまいます。

タイ語

  • 日本語と同様単語の区切りでスペースがなく、単語がすきまなく連なっている
  • 句読点のような定まった文節区切りがない
  • 単語と文章を理解して単語と単語の間を判断し改行をいれないと意味が変わってしまう
例:「ข้อมูลบริษัท (ข้อมูล=会社、บริษัท=情報)」を改行する場合

ข้อมูล
บริษัท

▶ 単語間での改行なので問題ない

ข้อมูลบริ
ษัท

▶ 「情報」を表す「บริษัท」の途中で区切っている
意味が変わってしまったり、不自然な文章になってしまう。
日本語で言うと、漢字の「へん」と「つくり」の間で改行してしまうイメージに近いかもしれませんね。

 

まとめ

私も前職では日本語のサイト制作ばかりだったので、入社当初は英語や他言語のサイト制作に
かなり高いハードルを感じていました。

ですが、マルチリンガルでなくとも言語の特性や基本的なルールを知っているだけで、
心理的な抵抗感は下げられる!と実感しています。
これからもマニアックな言語にひるまず、知見をためていきたいと思います!

関連情報

エンジニアの視点から、言語の違いによる実装のポイントをまとめた記事はこちら。
入って分かった、BtoB企業Webサイト実装のポイント