WCAG 2.0(入門編)の勉強会を開催しました
参加レポート
記念すべきUX勉強会第1回!
お題をいただいてからうだうだしていたら、すでに去年の初夏のことになりますが・・・・(遠い目)
UXメンバーも気づけば9人に増えたところで、定期的にテーマを決めて勉強会をもうけましょう!という話になりました。
記念すべき第1回は、秋山さんによるWCAG 2.0について(入門編)。
WCAG 2.0については、これまでのウェブサイト制作で触れる機会はあったものの、読みこなすには実装面の知識もかなり要求されるのでハードルが高く、技術の進化とともに内容の解釈の仕方も変わっていくので、奥深いテーマ。
今回は設計に関わるIAをはじめ、アートディレクター、ビジュアルデザイナー、マークアップエンジニア・・・と、UXメンバーほぼ全員が参加し、イントリックスで一番WCAG 2.0を熟知している秋山さんの解説付きでWCAG 2.0を基本の「き」からお勉強しなおしました。
もともとは「ピザとビールを囲んでゆるーく勉強しましょう(※注意:業務時間外に開催しています)」というところから始まったこの会なのですが、ビールも進んできたころにはアートディレクター新谷さんと講師秋山さんとの間で、「アクセシビリティに準拠しているウェブサイトは必ずしも良いサイトなのか?」といった真剣な議論が白熱。アクセシビリティとユーザビリティの違いについてもメンバーの異なる視点を通じて学べた良い機会でした。
興味深かったトピック
以下、個人的に興味深かったトピック3つ。
WCAG 2.0のもうひとつのターゲット
- WCAG 2.0はWebサイト(コンテンツ)制作側だけでなくブラウザ(支援技術)制作側にも向けたものとなっている。
- このため、一見矛盾を容認するような内容も有効な実装方法例として紹介されていることがある。(コンテンツ側で達成できていない内容もブラウザがカバーしていればOKといったような)
ガイドライン本体、解説書、実装方法集それぞれの参照の仕方と使い分け
- ガイドラインは概要、解説書は各ガイドライン項目の意図するところをまとめたもの、実装方法集には有効な適合事例と不適合事例が掲載されている。
- 解説書に書かれている意図を意識した上で実装方法集を参照する。
WCAG 2.0を参照するときの心得
- 達成基準を満たす実装例は、技術の進歩とともに変化する。
- 大事なのは、各達成基準の意図を理解すること。
- 達成基準に注視しすぎると、ガイドラインの意図を見失ってしまいがちになるので注意。
講師からひとこと
WCAG 2.0 の勉強会は、1回の時間枠で全ての内容を網羅することは難しいため、数回に分けて勉強会を行う予定です。第一回目では、まずは混同されがちな「アクセシビリティ」と「ユーザビリティ」の違いや、「WCAG 2.0」の4つの原則、JIS X 8341-3:2010 との違い、といった、勉強を進めるにあたってのまずは知っておくべき点に内容を絞りました。
第2回目以降は、理解書や実装方法集の読み進め方などについて話す予定です。
WCAG 2.0 の邦訳資料については、ウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)に掲載されている「Understanding WCAG 2.0日本語訳」資料を参考にしました。(リンク:http://waic.jp/)
(by 秋山 豊志)