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今さら聞けない!
マーケティングオートメーションって何?

マーケティング
ゆるやか広報班 編集部

「マーケティングオートメーションって何?」と聞かれてすぐに答えられますか?BtoB企業を中心に導入する企業が増えてきたマーケティングオートメーションについて、時間がないアナタでも、IT知識に自信がなくても、すぐに理解できるように分かりやすく解説していきます!

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近年、BtoB企業を中心にマーケティングオートメーションを導入する企業が増えてきました。その一方で企業のWeb運用を任されている担当者の方で「マーケティングオートメーションって何?」と聞かれてちゃんと答えられる方は実は少ないのではないのでしょうか。

マーケティングオートメーションとは何か?
それを導入することでどのようなメリットがあるのか?

ITの知識に自信がない方でも理解できるように分かりやすく噛み砕いて解説して参ります。

マーケティングオートメーションとは?

一言でまとめると、
リードを最大限に活かし、売上を最大化する仕組み

であるということです。

展示会やセミナー、自社Webサイトの問い合わせなどを通じて獲得した潜在顧客の行動を可視化して、見込み度の高い顧客を選別して、購買検討プロセスに応じたフォローアップを行うことで、商談の成約率を高める作業を自動で行うことを可能にしたソフトウェアのことです。

メール開封率やアンケートの回答、Webサイトへの訪問などを元に成約する度合いが高そうな人を見つけて、セミナーや展示会への案内、導入事例を紹介して成約する度合いを高めて営業へパスを渡すという、従来マーケターが手動で行っていた事を自動で行う仕組みなのです。

ファネルに沿って適切な情報を届け、十分に見込み度合いが高まった段階で案件を営業に引き渡す

ファネルに沿って適切な情報を届け、十分に見込み度合いが高まった段階で案件を営業に引き渡す

例えば展示会ブースに訪れたAさん、Bさんがいたとして、Aさんはメールマガジンを開封するだけでなく、自社サイトに訪れて製品情報や導入事例を沢山見ています。
一方、Bさんは自社サイトへの訪問はおろか、メルマガの開封すら行ってくれません。

Webサイトを閲覧したり、メルマガ開封率が高い人とそうでない人、成約の見込み度合いはどちらが高いでしょうか?

商談が成約する可能性が高いのはAさん、Bさんのどちらでしょうか?
もっと言うなれば、あなたが営業社員であった場合にはAさん、Bさんのどちらにアプローチを掛けますか?答えは自ずと出てきますよね。マーケティングオートメーションはこうした見込み客の選別を自動で行ってくれるのです。

そればかりでなく、顧客に対してのフォローアップも自動で行ってくれるのです上の例で言えば展示会後にメルマガを読み、自社サイトにも頻繁に訪れてくれるAさんに対して、関連したセミナーの情報を教えてあげる。成約率が低そうなBさんに対しては、これまでは案件化を諦めるしかなかったのが、お役立ち情報の提供を継続的に行うことで接点維持し、リード(接点を持った顧客)を無駄にしないで長期目線で案件の芽を育てることができます。

成約の見込み度合いの違いに合わせて適切な情報を提供する

こうした見込み客へ、その見込み度合いに応じたフォローアップも自動で行うのがマーケティングオートメーションの機能です。

マーケティングオートメーションは従来マーケターが手動で行っていた作業を自動化して、購買プロセスのファネルに沿って、必要なときに適したアプローチを自動で行うツールなのです。

施策の集客効果を測りたい、メルマガ開封率を計測したい、自社と自社製品への興味度合いを調べたいといったことであればGoogle Analyticsやメルマガ配信ツールなどの従来ツールで十分ですが、SNSなどもひっくるめてクロスチャンネルで有望な見込み客の選別やフォローアップをも自動化できるのです。

有望な見込み客の選別を行い、自動化されたフォローアップによって見込み客の購買意欲が十分に高まった頃合いを見計らって、営業社員へ見込み客を受け渡して、営業社員がクロージングを行う。この一連の流れにより、企業のマーケティング活動の効果的且つ効率的に行うことを目的としたツールなのです。

マーケティングオートメーションの効果と期待できる場面

マーケティングオートメーションはもともと北米において2000年台初頭から活用されてきました。
アメリカ、カナダともに国土がとても広く、日本のように営業マンを顧客に張り付かせておくわけにはいきませんから、効率的に売上を上げるという事が重視されます。そこで北米では早い時期からマーケティングオートメーションが注目されてきたのではないかと思います。

では国土が狭く、販売網が張り巡らされている日本ではマーケティングオートメーションが活用できないのか?私はそんなことはないと思います。
特にBtoBにおいてはマーケティングオートメーションが活用されてしかるべきと考えています。

BtoBおいても下記に当てはまるような商材の際にはマーケティングオートメーションが活用できると考えています。

  • 顧客数が多い
  • 購買検討に時間が掛かる
  • 購買サイクルが長い

いずれかに該当する場合はマーケティングオートメーションが効果を期待できます。

マーケティングオートメーションの効果が期待できる場面~顧客数が多い~

BtoBの取引において、顧客とのやり取りを行うのは営業担当者であることが多いですよね。
販売する商材にも寄りますが、1営業担当者が受け持つ顧客企業数は百社を超えるものもありますし、例え数社しか受け持たない場合でも顧客企業内の部署単位でやり取りがある場合もあります。

一人の営業マンが全ての顧客と綿密なやり取りができていれば、購買プロセスの段階に応じて適切なアプローチができるでしょう。一人一人の顧客に綿密なアプローチができていれば、案件発生時に自社のことを思い出して声を掛けて頂けるのです。

しかし、マンパワーで一人一人の顧客に対して綿密なアプローチを掛けるのはとても大変です。

営業マンだけで全ての顧客の状況に合わせたフォローを行うのは難しい

営業マンは常に数字に追われているため、複数の顧客がいれば当然売上が大きい顧客に肩入れをしてしまい、売上の小さな顧客に対してのフォローは薄くなってしまいます。

マーケティングオートメーションによって売上が小さな顧客に対しても綿密なフォローアップが可能となる

マーケティングオートメーションにより全ての顧客に対して、購買プロセスの段階に応じたアプローチを行えれば、売上が大きくなく、営業担当者のフォローが薄くなりがちな顧客に対しても接点維持・顧客育成が行うことができるのです。

そしてアプローチに対してのリアクションが得られれば、営業担当者がフェイス・トゥ・フェイスのアプローチを取るのです。

全ての顧客の動向を把握して、案件の種を見逃さないよう、マーケティングオートメーションが活用できるのです。

マーケティングオートメーションの効果が期待できる場面~購買検討に時間が掛かるケース~

例えば大規模設備などの導入といった商談であれば、計画を立てて、業者を選定して、購買に至るまで長い時間を要するものがあります。

検討の段階では「こういった導入事例が欲しい」「セミナーの案内が欲しい」「展示会に行きたい」といった要望が顧客から出てくることもあるでしょう。
サプライヤーとして御社が筆頭であれば真っ先にお声が掛かりますが、そうでない場合には営業マンが付きっきりで顧客の動向を探り、適切なタイミングで情報を提供しなければなりません。
成約までに長い時間が見込まれる顧客へのアプローチ・フォローは難しい

しかし、売上が立てられるかどうか分からない顧客に営業マンを付きっきりにすることはできません。
また営業マンは日々の売上に追われています。1年先、2年先にお金になるかどうか分からない案件より明日お金になる案件を重視します。
その結果、長い検討時間が必要な商談に対して十分なフォローがしにくいのが実情です。

マーケティングオートメーションにより検討プロセスが長い顧客への綿密なアプローチが可能となる

そうした際に顧客の行動を絶えずチェックをして、行動パターンから適切なタイミングでセミナーや展示会の案内、導入事例など求められているであろう情報を提供しながら顧客育成(案件育成)を行い、十分に購買意欲が高まっている・具体的な検討フェーズに入ったと思われるタイミングで営業マンにお知らせするというツール、マーケティングオートメーションがあれば、効率的な営業活動を行う手助けになるでしょう。

マーケティングオートメーションの効果が期待できる場面~購買サイクルが長い~

マーケティングオートメーションは購買サイクルが長いとされるBtoB商材において、特に休眠顧客へのアプローチでも非常に効果的です。

コンタクトできる状態にある潜在顧客を得るためには展示会に費用を投じたり、電話営業で多くの会社にコールしたり、飛び込み営業でこれまた多くの会社を回ったりしなければなりません。
努力の末にやっとのことで得た潜在顧客を一度の商談で失ってしまうのは非常にもったいないと思いませんか?

例えばコピー機といった設備であれば一度オフィスに入れてしまえば5~10年あるいはそれ以上の使用することでしょう。あなたの会社がコピー機の販売を行っていて、1度の商談で他社に取り負けてしまった場合でも、次に購入しそうな時期が分かれば次の商談時期に再度アプローチできます。

従来であれば休眠顧客に対しては一般的な購買サイクルに照らし合わせて電話や訪問またはEメールによってアプローチして、顧客の反応を見なければなりませんでした。
しかし、コピー機を1台入れたからといって、5~10年は次の購入がない訳ではありません。
例えば事務所・事業所を拡張したり、購入したがサポートが気に入らず乗り換えを検討したりと、買い替え時期以外にも購入を検討するケースは考えられます。もちろんこれはレアケースかもしれませんが、だからこそ一般的な営業スタイルではアプローチしにくいのです。

マーケティングオートメーションによって随時顧客の動向をキャッチできていれば、買い替えサイクルはまだ数年先だが実は購買検討を行っているという顧客を把握して、営業担当者がアプローチすることができます。

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マーケティングオートメーション=リードを最大限に活かし、売上を最大化する仕組み

マーケティングオートメーションがどのようなものなのか、どういった場面で活用できるのかを解説して参りました。

その上でマーケティングオートメーションはどういったツールなのか再度まとめますが、

リードを最大限に活かし、売上を最大化する仕組み

なのです。

BtoBにおいてリード(接点を持った顧客)を得るには大変な労力・資金が掛かります。展示会・セミナーでリードを得るなら開催費用が掛かりますし、飛び込み営業やテレアポにしても人件費が発生します。

せっかく苦労して得たリードを購買プロセスの初期段階でフォロー漏れで失ったり、最終的に競合に取り負けてそれっきりにしてしまうのは非常にもったいない。

またWebサイトの充実化やSNSが普及してきたことで、企業が顧客と接点を持つ機会も増えました。それによってクロスチャンネルでのアプローチが可能となってきたため、マーケターの仕事は複雑なものとなってきました。

こうした背景があって日本のBtoB企業で昨今マーケティングオートメーションの導入が進んでいるのではないでしょうか。

マーケティングオートメーションツールには月数万円から始められるものもあります。売上を増やすという企業命題があるなかでは、人を雇うのではなく、マーケティングオートメーションを導入するということも選択肢の一つではないでしょうか?

マーケティングオートメーションが上手く活用できないのは何故?

マーケティングオートメーションがどういったものなのか、どういった場面で活用ができるのかについて、ここまで解説してきました。

「獲得したリードを最大限に活かして、売上を最大化する仕組み」であるということで、すぐにでも導入しようと思ったら、ちょっと待った。

BtoB大企業でも導入が進んでいるマーケティングオートメーションですが、その反面で活用しきれていない企業も実はとっても多いのです。

活用しきれていない大きな要因は2つあると考えています。

  • チューニングが難しい
  • コンテンツ作成ができない

この2点が要因となり、マーケティングオートメーションをうまく活用できない企業が多いのだと考えています。

マーケティングオートメーションが活用できない要因~チューニングが難しい~

マーケティングオートメーションは営業シナリオに基いて顧客へのアプローチを自動化するものです。「自社Webサイトを訪れて製品情報やサービス情報を見たら、導入事例のPDFを添付したメールを送付する」といった形です。

この営業シナリオをどのように描くのか、何が正しいのかの判断しながら、修正を加えてシステムに反映させていくのです。

シンプルに例を出すと、
①Webサイトを訪問してくれたが、メールの開封はしてくれていない
②Webサイトは訪問してないが、メールを開封してくれた

①と②でどちらの方が購買意欲が高いでしょうか?

企業や取り扱う製品・サービスによって異なりますし、営業担当者によって仮説は異なってきます。①でマーケティングオートメーションを実行して、シナリオが違えば②にしたり、別のシナリオを立てるなど修正していかなければなりません。この作業がチューニングです。

チューニングを行っていく上では営業担当者の協力が不可欠になります。マーケターの机上の空論だけではリアルな顧客の行動を知るのには限界があります。BtoB企業において顧客と最も接点の多い営業担当者の協力なしにはチューニングができません。

営業担当者は売上を挙げなければならないため時間に追われている。そのため十分な協力を得るのが難しいのです。

ここがチューニングの難しさを際立たせているのでしょう。

マーケティングオートメーションが活用できない要因~コンテンツ作成ができていない~

マーケティングオートメーションは顧客の行動データをプロファイルして、その人に合った情報(=コンテンツ)の提供を行います。しかし、コンテンツが不十分であるため、顧客に購買検討プロセスに合った情報を提供しきれていない企業が多いことも事実です。

例えば、
自社のWebサイトで製品Aのページを見ていた人と、製品Bのページを見ていた人がいたとして、次に導入事例を紹介しようとした場合に、製品Aのページを見ていた人には製品Aの導入事例、製品Bのページを見ていた人には製品Bの導入事例を紹介するというのが、購買意欲を高める当然の手立てとなるでしょう。

しかし、製品Aの導入事例しかない(製品Bの導入事例は作れていない)ため、仕方なく製品Bを見ていた人にも製品Aの導入事例を送ってしまうというのが、現実のBtoB企業がやってしまいがちなこと。

セミナーや展示会の案内についても同様で、案内を送るべき人とそうでない人のプロファイリングはできていても、案内を送らない人に代わりに紹介するようなコラムとか事例などのコンテンツがないため、
「じゃあ、とりあえずセミナー案内を送っておこう」
という従来のメールマーケティングと同様のことを行ってしまいがちです。

マーケティングオートメーションは顧客ひとりひとりに適したコンテンツを提供・出し分けることで成立します。しかし出し分けられるようなコンテンツが作れていないために、結局、全員に同じ情報を提供してしまっているのです。

つまり、マーケティングオートメーションを機能させるには豊富なコンテンツが必要となり、またそれを生み出し続けなければなりません。

コンテンツ作るには費用と人的リソースが必要となります。セミナー・展示会を行うには開催費が掛かりますし、Webコンテンツを作るのには人的リソースが必要ですよね。

費用も人的リソースも確保できないためコンテンツが作れず、マーケティングオートメーションのツールだけを導入して、使い回しのコンテンツを同じ顧客に何度も送り直しているから、上手く活用することができていないのではないかと思います。

マーケティングオートメーションを機能させるために必要なことは?

それではマーケティングオートメーションを機能させるためにどういったことが必要なのでしょうか?それは上述の2つの「マーケティングオートメーションが活用できない要因」の裏返しではないでしょうか。

つまり、

  1. 営業担当者との協力関係を築き、分析・チューニングを継続的に行う
  2. コンテンツ作成のための費用と人的リソースを確保する

ということが必要だと考えます。

ただこれはあくまでマーケティングオートメーションを活用するためのスタートラインに立つためのもの、これだけを行えば必ずしも成功するというものではありません。

さらに大切なのは継続して運用していく心持ちが必要ではないかと思います。

「マーケティングオートメーションを正しく理解しよう」まとめ

  • マーケティングオートメーションとは、リードを最大限に活かし売上を最大化する仕組みで、有望顧客の発掘から、購買検討段階に応じたアプローチなど従来マーケターが手作業で行っていた作業を自動で行う
  • 「顧客数が多い」「購買検討に時間が掛かる」「購買サイクルが長い」といった特徴を持つビジネスにおいて効果が見込まれる
  • 正しく機能させるためには、営業担当者との協力関係を築き、継続的にコンテンツを出し続けることが必要となる

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