――山崎さんの肩書きはデザイナーですね。フォトグラファーも兼ねているのは珍しいことです。撮影を手掛けるようになった経緯を聞かせてください。
【山崎】
入社当初は、お客さまの提供素材やストックフォトを使ってデザインすることがほとんどでした。それでも一定水準のアウトプットは確保できたのですが、もっと訴求力の高いデザインを目指すとなると、素材が無いという限界に。そもそもBtoB企業でクリエイティブにあまり力をいれる必要がなかったお客さまの場合、提供素材がほぼないということもありました。そうした中で、ストックフォトなど、既存の素材ではこれという構図や訴求性の強いものがなく、その企業独自の世界観を出すには全然足りませんでした。カメラマンと手を組んで撮影することが通常ですが、まずは自分自身で写真を理解すべきだと。社長に相談し、1年間写真の専門学校に通いました。
――どんな写真がデザインに必要か一番知っている本人が、そのようにして撮影に赴くことに。お客さまの反応はいかがですか?
【山崎】
まず、よりアウトプットに満足していただけるようになったと思います。あるお客様のブランドコンテンツ制作では、全て私が撮り下ろした写真を用いたのですが、お客様に満足いただいただけでなく、日本BtoB広告賞で銀賞を受賞することができました。受賞できたのは、撮影でコンテンツに最も合う素材を作れたことだけでなく、撮影を通して生の現場に触れることで、どう表現したら良いのかを肌で感じられたことが大きいと思っています。それと、撮影にはどのお客さまも協力的です。特に撮影される機会があまりない製造部門の方々は、こちらが難しいお願いをしても撮影の想いを汲んでくださることが多い。なのでいつもその期待に答えなければと気持ちが熱くなります。移動のために自社で所有されているヘリを出してくださって、空撮までさせていただいた企業もありました。お客さまとしっかり手を取り合って作っていけたことが、良い仕事につながっていると思います。
――ほかには、どんな撮影を経験されましたか?
【山崎】
他にも日立住友重機械建機クレーン株式会社様のサイトでは、クレーンを操作する現場で人物も含めて撮影。非常に訴求力のある写真になったと満足いただきました。