BtoBデジタルマーケティングやWeb制作の情報と、イントリックスの日常風景をお伝えします。

勤続11年生が語る、イントリックスでの苦悩と成長

対談・インタビュー
ゆるやか広報班 編集部
創業から14年目を迎えているイントリックス。その中には、最初期に入社し、会社とともに成長してきた人々がいます。今回お話を聞いたのは、2011年に入社し、現在はエンゲージメント・マネージャー/ストラテジストとして活躍する佐賀文昭さん。10年以上勤めてきた佐賀さんに、イントリックスの歴史と自身の成長を語っていただきました。

初任給3分の1でもイントリックスを選んだ理由

――佐賀さんは新卒でイントリックスに入社されています。いきなり生々しい話で恐縮ですが、当時は初任給3倍の外資IT大手と迷っていたとか?

佐賀:そうなんです。その外資IT大手の最終面接は、華やかな自社ビルの最上階にある、超豪華な会議室でした。かたや当時のイントリックスは、社員15人、雑居ビルにオフィスを構え、業績も開示されておらず、安定性もわからない創業2年弱の会社。家族、友人など、周囲は当然外資大手を選ぶものと思っていました。

ただ、私の中に漠然と「イントリックスの方が自由でおもしろそうだなあ」という引っ掛かかりがあったんです。就活フォーラムの時に社長の気賀さんが語っていた、中国企業の国際ビジネス参入についての考察が面白かったんです。ちょうど大学で分析したケーススタディだったので、親近感もありました。

会議室で笑顔を交えながらインタビューに応じる佐賀文昭さん

佐賀文昭(さが・ふみあき)。エンゲージメント・マネージャー/ストラテジスト。イントリックスで10年以上にわたり、総合商社や機械・部品・素材メーカー等のグローバルサイト群戦略策定・プロジェクト推進を支援。本業の戦略だけでなく、クリエイティブ、システムを含む全方位のテーマをカバーする。

――そこであえてBtoBとデジタルの話をしないのも、気賀さんらしいですね。

佐賀:ですよね(笑)。当時はよく分からない中で聞いていたのですが、今振り返ると、イントリックスの事業内容とは直結していない内容でした(笑)。ただ、そんな社長の話から「1つの事象を多角的な視点で掘り下げる」ことへのワクワクを感じている自分がいました。そんなこともあって、どの会社で自分の社会人人生を始めるか、かなり悩んでいました。

いろいろと考えた上でイントリックスへの入社を決意したわけですが、大きく2つ理由があったと思います。まず、私は自分で決めたことはそう簡単にやめない(やめられない)性格で、逆に周囲や一般常識に決められたことはなかなか続かないんです。アメリカの大学へも、自分の意思で行っていなかったらドロップアウトしていたかもしれません。だから、「大衆が選ばない茨の道でも、自分で行くと決めたなら、きっと頑張れるだろう」と思って。

もう1つは、少し打算的な理由なのですが、「デジタルコミュニケーションに関わる仕事に就いていれば、10年後にキャリアの選択肢が狭まることはないだろうな」とも思っていました。将来どうなっていたいかなんて、全然イメージを持てていなかったのですが、10年後に自分がやりたいことができない状態、つまりキャリアの選択肢が狭まっている状態だけは避けたかったんです。

赤面必至のやらかしエピソードはたくさんあります

――イントリックスでWebコンサルのキャリアがスタートしたわけですが、当時は明確なイメージを持って入社されたのでしょうか?

佐賀:正直、「Webコンサル、調査したり戦略立案したりするんだろうな」「きっと説明されて分かるものじゃないから、実際にやってみないと分からないよな」程度の理解しかありませんでした。今思うと、よくそんな状態で入社を決意したなと思います(笑)。

――では、赤面必至のやらかしエピソードなんかも……。

佐賀:そりゃもう、たくさんありますよ(笑)。それこそ入社して数日後から、作成した資料は猛烈にダメ出しをくらい、知識は付け焼き刃でツッコミどころ満載。何より、そんな状況下でも「できている風」を装う態度でいたことが非常にイタかったと思います……。多分、成果を出さなきゃ!という焦りにも似た気持ちがあったと思います。今話していても恥ずかしくて顔から火が出ます。

――研修はあったんですよね?

佐賀:私がイントリックスの新卒第1号ということもあって、名刺交換やビジネスマナーについて一日研修があっただけで、2日目から普通にプロジェクトにアサインされました。入社した週の金曜日に、「自分が調べたパートをお客様にプレゼンして」と言われて、実際にやったのですが……あまりにも酷かったんでしょうね。「やっぱり新卒にはもうちょっと色々、教えなきゃダメだね」という話になり、それから外部研修などに行くことになりました(笑)。

――今は研修制度もかなり整備されていますが、それを聞くと隔世の感がありますね。

佐賀:他にも、お客様からお呼び出しがあって、先方の本社ビルに伺い、お客様に私が作成した資料に数時間かけて赤入れをいただく……ということもありました。今思うと、こうして手をかけていただいたことには感謝しかないですし、ご迷惑をおかけしたと大変申し訳ない気持ちがあるのですが、当時はなかなかシンドかったです(苦笑)。

――そこから自分をどんな風に成長させていったのですか?

佐賀:どんな仕事をする時も、「職種問わず、先輩たちがやっていることをとにかく理解して自分で話せるようになろう。とにかくいろんなことを自分の血肉にしよう」と考えていました。例えば、気賀さんと一緒に打ち合わせに行ったら、少し極端かもしれませんが「気賀さんがしゃべったら負け。気賀さんが口を挟まなくなったら一人前」というマインドでいました。イントリックスには各領域のプロフェッショナルが多数在籍していますが、「専門領域は他人任せで良い」というのは違うと思うんです。自分なりにもしっかり理解する、そのうえで、専門職種の深い知見でさらに仮説や考察を深めていく。そのために、とにかく目にするもの、聞くこと、すべてを取り込もうとしていました。

会議室で真面目な表情でインタビューに応じる佐賀文昭さん

――今の佐賀さんを作り上げた原点ですね。組織変更はあれど、基本的に部署異動も職種変更もなく、10年以上戦略部門にいますが、マンネリはありませんか?

佐賀:部門は変わっていませんが、毎年取り組むテーマが全然違うんです。ざっくり、これまでのメインテーマは1~2年目が調査、3~4年目が戦略立案、5~6年目がプロジェクトマネジメント、7~8年目がシステムの絡む大規模プロジェクトの統括、9~10年目は組織マネジメント。これに加えて、コンテンツの原稿を自分で書くこともあれば、カメラマンと一緒に撮影に奔走したり、海外を飛び回ったり、いろんなことを経験してきました。

また、お客様には空調、農業機械、精密部品、化学、総合商社、設備など、BtoBのさまざまな業界の方がいらっしゃいます。毎プロジェクト、各業界のビジネスの「いろは」から学ぶので、マンネリを感じた瞬間は1回もなかったです。根はものすごく飽き性な人間なんですけど(笑)。

「なるほど」=自分が成長した瞬間

――入社を決意した際の「言ったからには最後までやる」というマインドは、今でも大事にされていますか?

佐賀:そうですね。シンプルに口だけ人間ってカッコ悪いなと思っているので。ただ、昔は思ったことを無責任になんでも口に出してしまっていました。要は、言うだけ人間ですね。そういう発言をすると、気賀さんがよく「じゃあどうすればいいと思う?」って返してくるんです。そこで言葉に詰まる自分がいると、「あ~、ロジックが詰まっていなかったし、ただ批評的なコメントしていただけだったな」と反省していました。「言うは易く行うは難し」とはまさにその通りで、実行するところが一番重要であり、難しいと思っているので、この点は今も日々意識しているところです。

イントリックスは自由度の高い環境なので、言ったら最後までやらせてもらえる環境です。何でも発言できる、何でもやらせてもらえる環境が好きな人には、天国のようだと思います。自由ゆえの大変さはありましたが、だからこそ大きく成長できたのかなと思います。

――佐賀さんと仕事をしていると「納得感」を大切にしているなと思うことが多々あるのですが、相手に納得感を持ってもらうためのスキルはどのように培ってきたんですか?

佐賀:どうやってというのも難しいのですが、イントリックスという無名の会社で若いうちからいろいろなことに挑戦できるというのは、非常にチャレンジングな環境だったと思うんです。

なんて言えば良いんでしょう……。私の発言に意味があると思ってもらうためのハードルが高かったというか。「かの有名な○○社の社員」という肩書もなければ、経験に裏打ちされた安心感もない中で、「なるほど」「鋭い」「良い視点」と思ってもらう必要があったわけです。武器を持たず素手で立ち向かわなければいけなかったイメージでしょうか。だからこそ、人一倍努力しないといけないという気持ちは持ち続けてきましたし、日々の業務に取り組む中で自ずと納得感を生むスキルが磨かれてきたのかもしれません。

あとは、コンサルティングという立場上、クライアントの経営層・部長・課長・担当者というさまざまな職階の方から、営業・マーケ・製造・サポート・開発という幅広い職種の方とお話する機会が多くありました。それぞれ、視点が多岐に渡るため、「相手の方の関心事」を見抜く力が求められるシーンが多かったこともあるかもしれないですね。

会議室で窓の外に視線を送りつつ、過去の出来事を思い出す佐賀文昭さん

――人一倍の努力を長く続けるには、面白さややりがいも必要に思えますが、そういうものはありましたか?

佐賀:それはすごくありますね。イントリックスにはいろんな職種の方がいますし、お客様の業界や担当の方の立場もさまざまなので、新鮮なテーマに触れる機会がとても多いんです。

「今、クリエイティブの最前線ではこうしたことが起きているんだ」「今のシステムの主流はこうなんだ」「今ツールでこんなことができるようになったんだ」「役員、部長、現場の方だとこうした違う視点を持っているのか」「この業界では、こんな強みが重視されるんだ」などなど。なので、10年経った今でも、「知らなかった!なるほど!」と思う瞬間がたくさんあります。特に事業部の方にヒアリングする際は発見の連続で、ワクワクが止まらないです(笑)。

よく「仕事で何をしている時が一番楽しいですか?」と質問されますが、私は自分が「なるほど」と思う瞬間かもしれません。いろいろな話を聞いて、自分の知識と照らし合わせて、「なるほど、確かに!」と自分が納得した瞬間って、自分の知識が増えたというか、成長した瞬間とも言えると思うんです。

仕事を聞かれて、会社名を答えるような人には負ける気がしない

――イントリックスに入ってよかったと思うことは何ですか?

佐賀:学生の頃、リクルートさんが使っていた「仕事を聞かれて、会社名で答えるような奴には、負けない。」というコピーを「いいな」と思っていたんですが、今は「仕事を聞かれて、会社名で答えるような人には負ける気がしない」と言えます。当社よりも規模が大きく、名が知れている企業は山のように存在しますが、それでも「イントリックスが良い」と思っていただけるということは、本当に中身が良い証明だと思います。

――佐賀さん自身も、そう言えるくらい成長されたということですね。

佐賀:うちは「できている風」を装ったらすぐにバレる。だからこそ成長につながる環境だと思います。成長って「自分の間違いや未熟さに気づいた」経験の積み重ねだと思うんです。上も下もベテランも若手も関係なく、意見を言ったり指摘してくれる人が多い、そうした人に囲まれているのは本当に恵まれた環境だなと思います。

――最後に、10年前の佐賀さんと同じように「よくわからないけど、イントリックスってなんか面白そう」と思っている方へのメッセージをお願いします。

佐賀:気になっていたら、まずはぜひお声がけいただけたらと思います(笑)。イントリックスで経験できること、できないこと。良いと思うこと、これから改善していかなければいけないと思うこと。その他なんでも聞いていただければ、良いところも悪いところも全部丁寧にお話します。皆さんが「納得できる決断」をするための材料はすべてお伝えしたいと思いますので、会社説明・面談の場で気になることなんでも聞いてください。この環境が向いている人、そうでない人、いろんな方がいらっしゃると思います。少なくとも私自身は、10年前に外資大手と悩みながら下した入社の決断は正しかったと、胸を張って言えるだけの濃い10年を過ごし、大きな成長ができた会社だったと思っています。