イントリックスの解決策
システム、制作、全体推進の一貫したマネジメント支援を実施
イントリックスでは、5年に及ぶ長期ロードマップの最初の一歩として、サイトの全体構造の見直しから、お客様のインハウスデザイナーと協業したデザインの刷新、グループ会社サイトの集約を含めたサイトリニューアルの支援を実施。加えて、本プロジェクトを推進していくために、以下のポイントでPMO支援を行いました。
1. 半年前からシステム開発ベンダーとこまめな連携
システム開発ベンダーへの事前情報の共有不足は、制作スケジュールに取り返しのつかない遅延を招きかねません。例えば、CMSで動的に表示する箇所の仕様がかたまりきっていないと、仕様を最終化できるまでCMSの開発がストップしてしまう、動的に表示する箇所のHTMLのパターンが不足しているとHTMLの追加制作とその分のCMS開発遅延が発生するなどの問題が想定されます。
これらの問題はCMS開発を伴うプロジェクトでは頻繁に起こりえますが、ベンダー間のコミュニケーションが不十分だと再発することも多くあります。イントリックスではこの問題を確実に防ぐために、リニューアル全体のスケジュールができた時点でシステム開発ベンダーにも共有。作業が始まる6カ月前から打ち合わせを開始し、要所要所で目線合わせを徹底しました。
- 6カ月前:作業内容、イントリックスから提示するもののすり合わせ
- 3カ月前:その時点での制作物(デザイン、設計仕様)の共有
- 1カ月前:最終調整中のHTMLを提示しながら作業内容の確認
2.各制作会社の進捗確認・アドバイスを週次で実施
本プロジェクトのリニューアル対象は、グローバルサイトと日本サイトでそれぞれ1,500ページにも及びます。そのため、イントリックスではトップページから第2階層ページの制作と、ページテンプレートと約200種類のパーツ集の開発を実施。そのテンプレートとパーツ集を用いて、4つの制作会社が分担して下層ページを制作するという体制が組まれました。
当初、各制作会社への指示出しはニコンのご担当者が行っていましたが、制作会社ごとで担当するページ数や推進体制、スキルにばらつきがあり、管理が煩雑であったため、同じスケジュールで足並を揃えることが困難でした。そこでイントリックスが間に入り、制作全体の管理を支援することになりました。
具体的には、
- 提供するテンプレートやパーツ集についての事前説明をはじめ、制作過程での技術的な質問への回答はイントリックスが対応し、待ち時間を減らす
- 各社の作業状況を週次でヒアリングしながら状況を把握し、遅れている会社には対策を検討してもらうよう働きかけ
- ニコンとイントリックスでのダブルチェック体制をつくり、コーディングや画像サイズまでのチェック等の対策を講じ、一定の品質を保ったうえで、大量のページ制作のスムーズな進行に貢献しました。
3. プロジェクト全体を俯瞰で見渡し、課題を早期発見
本プロジェクトでは、CMSやアクセス解析ツール、Cookie管理ツールなどで担当ベンダーが異なり、中にはプロジェクトの途中で導入が決まったツールもありました。
当然、担当ベンダーごとにプロジェクト進行上の異なる課題が顕在化してきます。また、定例会議などで直接コミュニケーションをとる機会が少なかったため、待ちの姿勢だと状況把握や課題の早期発見が難しいという状況でした。
そこで、
- 議論・意思決定の場としての定例会議とは別に、ニコンとイントリックスのPMだけ(各2名、合計4名)で週次の個別会議を設定
- プロジェクト進行上の情報収集や課題への大まかな対応方針のすり合わせの場として活用
することで、リスクや調整点を早期に可視化し、時間的に余裕が生まれた定例会議の中で対応を検討するようにしました。