BtoBデジタルマーケティングやWeb制作の情報と、イントリックスの日常風景をお伝えします。

元商社営業が考える「使えるWeb」とは
~その2~

マーケティング
ゆるやか広報班 編集部
前回は営業の仕事について説明しました。今回より営業に「Web使える!」と思ってもらうためにはどのような機能・役割が求められるのかを語っていきたいと思います。今回は情報収集ツールとしてのWeb活用です。

情報収集としてのWebサイト

「どこの誰が何に興味を持っているのか」というのは営業にとって大事な情報です。特にBtoB企業の製品は購買サイクルが長く、一度製品を購入したら置換えは10年後、20年後というケースもざらにあります。そんな中で「企業Aの○○さんが■■の製品について調べていた」「○○さんが製品のCADデータをダウンロードした」といった情報は営業にとってありがたい情報なのです。Webサイトで誰がどのように行動したかはIPを辿ることである程度絞り込むことができますし、会員認証機能を設ける事でより具体的に特定できます。

「BtoB企業はWebで製品を調べたりしないんじゃないの?」と思われるかも知れませんが、日本ブランド戦略研究所の調べでは購入検討時の参考情報として企業のWebサイトを見ると回答した人は全体の32.4%でその割合は営業員の説明の16.8%の約2倍になります。

BtoB顧客の購入検討時参考情報
日本ブランド戦略研究所の調査では、BtoB企業の購入時の参考情報としては企業Webサイトがダントツの一位

引用元:第3回:購入検討時における参考情報 | BtoBサイト調査結果分析2014 | 日本ブランド戦略研究所 | Japan Brand Strategy

僕自身の営業時代の経験談から言うと、BtoB企業もWebで情報収集を行います。商社営業時代は仕入れる商品のスペックや特徴をWebで調べお客様に提案をするという事もよく行っておりました。年の離れた先輩からはカタログや技術書を引っ張り出してきて「これで調べなさい」と言われましたが、中学生の頃からインターネットに慣れ親しんだ2000年代後半入社の僕からするとGoogle先生の方が「手っ取り早い」「使いやすい」で頼りになったのです。僕より若い世代はよりインターネットに慣れ親しんでいるでしょうからBtoB企業のWeb利用は益々進んでいくと思います。

話を情報収集ツールとしてのWeb活用に戻しますが、BtoB企業の中には技術資料始めとする膨大な情報をWebで公開している企業が多くあります。技術資料のDLに会員認証機能を付加しておく事で「どこの誰が」DLしたのかという事が分かり、こうした情報は営業にとって非常にありがたいものとなります。

こうしたマーケティングツールとしてWebを活用している企業としてテキサスインストルメンツがあります。

テキサスインストルメンツのWebサイトでは回路設計ツールの利用や様々な資料・CADデータのダウンロードが可能

http://www.ti.com/

半導体メーカーのテキサスインストルメンツのWebサイトでは会員登録を行うことで回路設計ツールが利用できたり、様々な資料・CADデータのDLが可能となります。収集したデータをどこまで活用しているかは不明ですが有力なマーケティングデータとなる事は確かです。

商社営業時代に実際にメーカーから情報提供を受けて行動した事が何度もあり、その場合は商談がスムーズに進みました。

上で紹介したテキサスインストルメンツを始めとする半導体業界、そして僕が以前身をおいていたFA業界においてこの取り組みは非常に進んでいます。営業はより引き合いにつながりやすい顧客の情報を欲しがり、SFA(営業支援システム)を始めとするCRMシステム(顧客情報管理システム)とMA(マーケティングオートメーション)ツールを高度に組み合わせてWebとリアル営業を連携させる施策に取り組む企業も多くあります。

しかしながら、業界によってはWebから収集した情報を営業に提供していない企業も多くあります。そのような企業のご担当者の方は営業への情報提供を始めてみてはどうでしょうか?きっと営業から喜ばれ、「Webって使える」と思ってもらえる”キッカケ”になると思います。