BtoBデジタルマーケティングやWeb制作の情報と、イントリックスの日常風景をお伝えします。

元商社営業が考える「使えるWeb」
~データベースとしてのWeb活用~

マーケティング
ゆるやか広報班 編集部
Webというのはほぼ無限のデータの置き場として活用できます(厳密に言えばサーバーの容量の制限がありますが)。今回はそのデータベースを営業員がどう活用できるのか語っていきます。

営業員の働き方

データベースを営業員に役立ててもらうには、彼らの仕事について理解が必要でしょう。

営業員が顧客を訪問して商品、製品の説明・販売をする際にはカタログは必須となります。目に見せるものがあった方がイメージしやすいですからね。さらにBtoB企業の購買は数社の製品を比較検討して論理的な意思決定がされるので、仕様書が必要となります。

また営業はお客様のサポート・フォローも行わなければなりません。半導体などの電子部品や、ベアリング・シリンダーといった機械要素部品は様々な用途で用いられますので、その用途に応じた技術指南書(アプリケーションノートとか応用事例集)なる技術資料が必要となります。お客様からCADデータや開発ソフトがご要望いただくとデータを入れたCD-ROMやUSBメモリを持ってお客様を訪問します。

つまり営業員が携帯すべき資料やデータというのは大量にあるのです。営業車が与えられているのであれば大量の資料を積み込んでおくこともできますが、都心で公共交通機関を使って営業回りをする方には大変ですよね。

また頼まれていた資料を忘れてしまうこともあって、訪問先で「頼んでおいた技術資料どうなった?」と聞かれて冷や汗をかいたというのは営業経験者にはあるあるではないでしょうか。スピードが求められるビジネスシーンにおいてこういった事は競合に隙を見せる事であり、命取りになってしまいます。

営業ツールとしてのデータベース活用

大手BtoB企業を中心にWebのデータベースを営業ツールの一環として活用する取り組みは進んでいます。

半導体メーカー・アナログデバイセズ 製品ページ半導体メーカー・アナログデバイセズは、製品ページに様々なドキュメントや開発ツールを置いています。

 

機械部品メーカーのIAI ダウンロードページ機械部品メーカーのIAIでもカタログ・取説・CAD・各種ツールソフトとあらゆる資料・データをWebからダウンロード可能となっています。

タブレットやスマートフォンを支給されてる方も多いので訪問先で突発的に「あの資料が欲しい!」と言われても対応が可能です。むしろお客様の方から資料やデータを探しに来てくれることもあるので、営業員の負担も減るでしょう。

資料がWebで入手可能であればエンドユーザーとしてもメリットは多いと思います。技術者・保守員が製造ラインなど現場に資料を持ち込む際にも、最近ではPDF化してタブレットなどに入れ込んで持ち込むこともあるので、紙の資料をPDF化する手間が省けます。

何より資料をデータ化すれば、印刷コストなどが浮くのでメーカーにとっても嬉しいことですね。

注意すべき点

Webを使って大量の製品に関する資料をデータベース化するに当り、注意すべき点は2つあります。

まず1つ目は検索性を損なわないこと。資料が多くなればなるほど、ユーザーは欲しい資料を探すことが困難になります。そこで必要となるのは資料の種類や製品カテゴリなど条件を指定する事で資料を絞り込んだり、製品を特定できるようなフリーワードでの検索機能でしょう。

電機機器メーカー・オムロン 製品検索機能
電機機器メーカー・オムロン 製品ページ

電機機器メーカー・オムロンは製品検索機能を充実させ、製品ページに各種資料・ソフトウェアを配置する事で、ユーザーが必要な情報を探しやすい工夫をしています。
こういった機能がないと資料が埋もれてしまって、営業員やユーザーにとって探す手間が増大してしまいます。

そして注意すべき点2つ目が製品情報の管理です。BtoB企業では製品の原材料の供給状況や、法律などのルールの変更に伴い製品仕様が変わることが度々あります。そうなると仕様の変更に伴って各種資料の修正・変更が必要となります。

大型の機器で製品点数もそれ程多くない場合にはExcelなどで手作業の管理も容易いかと思いますが、小さな部品など取扱製品が数千、数万といった場合には手作業での情報管理は困難を極めます。

そこで必要となるのがProduct Information Manegement(商品情報管理)、通称PIMと呼ばれるシステムです。PIMについては詳しくは別の機会に説明をしようかと思いますが、これによって社内の技術資料を作る研究・開発部門やカタログなどの拡販資料を作る営業・マーケティング部門での製品情報の共有を可能にして、製品情報の行き違いを防止できます。

<ちなみに・・・>

PIMと引合に出される出されるものでDAM(デジタルアセット管理)がありますが、こちらは写真・画像・音声・動画などあらゆるデジタルコンテンツを管理するシステムとなります。

まとめ

  • カタログ・技術資料・ソフトウェアなどをWebに集約してデータベース化することで営業の負担が減らせる
  • 顧客も利便性を感じてCSの向上に繋がる
  • 資料が大量になる場合は、ユーザーが探しやすいように検索機能を設ける必要がある
  • PIM導入などによって製品情報管理は徹底する必要がある

イントリックスではデータベースとしてのWeb活用を支援するサービスを提供しているので、ご興味ございましたらお気軽にお問い合せ下さい。