課題 診療の現場で参照しやすいインターフェースとはどうあるべきか
エルゼビア・ジャパン株式会社は医学・科学技術関係を中心に学術雑誌やオンライン製品を提供している世界最大級の医学情報出版社であり、現場にわかりやすい情報を提供し、日本の医療の質の向上に役立つことをミッションとされていました。
限られた時間で的確に診断をすることが求められる診療の現場において、膨大な情報を現場で利用しやすい形で提供できるかということが大きな課題となっており、現場のニーズをどのように表示するのかがキーでした。
イントリックスの解決策 徹底的なニーズの把握とプロトタイプの開発
現場のニーズを徹底的に把握するため、15人の医師を被験者としてインタビューを行い、多くの現場の意見を伺いました。
5種類の画面構成案を元に最も適した構成はどれかを質問した結果、短時間で参照しやすい「クイック性」のニーズと的確に抜けのない判断をサポートする「抜けモレ防止」に対するニーズも高いことがわかり、この2点を解決することをゴールとしてデザイン及びプロトタイプの開発を行いました。
煩雑さを抑え、参照すべき部分を目立たせることで、「クイック性」の実現へつなげました。また、フォローアップとしてチェックリスト機能も実装することによって「抜けモレ防止」にも対応しました。
また、インターフェースのビジュアルデザインは、親しみやすく使い心地のよいものになるよう、医療の現場をイメージして「優しさ」「清潔感」をコンセプトに、丸みを帯びたデザインと抑えたカラーを使用しました。
必要な項目に目が行きやすいUI
成果 専門的な分野におけるニーズの集約と反映
現場の最重要ニーズに応える製品化へ向けた第一歩
エルゼビア・ジャパン株式会社
事業開発部 医師・医学博士・経営学修士
佐藤 寿彦様
一番うれしかったのは、社長みずからインタビューにいらしていただいて、また、それを楽しんでいただいたことです。このような新しいものを作る作業は、これを楽しめる人間にしかできません。とくに、この医学の世界は難しい言葉、独特の世界観があります。それを一つ一つ理解して下さろうとしている姿勢に本当に頭が下がりました。また、UI特有の用語を用いて、海外本社のUI teamと話し合うこともできました。
デザイナーのデザイン能力も俊逸です。色から決めていき、最終的にこのようなものにするといいだろうとの形ができあがりました。これをプロトタイプとして、現在改善を進めています。
今後とも末永くいろいろお願いしたいと考えています。