イントリックスの解決策
クライアントの想いを的確に捉え、デザインとコンテンツに具現化
まずイントリックスは「誰に向けて」「どのようなメッセージを伝えたいのか」を深く理解するため、ミツトヨ関係者に入念なヒアリングを実施しました。
ヒアリングを通じて見えてきたのは、90年の歴史が築いた圧倒的な信頼、100周年さらにはその先を見据えた力強い未来ビジョン。創業以来脈々と受け継がれる「品質第一」「お客様第一」の価値観を、次の世代にも継承していきたいという強い想い。
イントリックスは、この感謝と継承の想いを、過去・現在・未来の3つの軸で構成することを提案。
過去の歩みを振り返り、現在の事業と価値観を伝えながらステークホルダーへの感謝を示す。そして、培ってきた技術と価値観を基盤に、未来に向けた飛躍を目指す姿を描く。この3本柱でメインコンテンツを立案しました。
コンテンツと同時に重要なのが、サイトデザイン。ミツトヨらしい重厚な信頼感は大切にしつつ、親しみやすさも表現したいというご要望をいただきました。一見相反するこの2つの要素を高次元で両立するため、関係者間の認識を統一できるよう他社の周年サイトを参考にしながら方針を固め合わせ、緻密にデザインコンセプトを練り上げました。
こうして固まったコンテンツとデザインの方向性を具現化するため、取材を重ねました。沼田記念館を訪れ、創業者・沼田恵範氏の思いが込められた品々に触れ、ミツトヨのDNAを肌で感じました。国会図書館での丹念な調査、関係者への追加取材。読者を引き付ける切り口を求めて、あらゆる可能性を探ります。
そうしてたどり着いたのが、ミツトヨの意外な一面を伝える「ミツトヨの社名にまつわる謎」や「ミツトヨの測定機器とパスタの関係性」といった遊び心満載のミニブログ企画です。精密測定のエキスパートとして知られるミツトヨですが、実は一般の方の興味を惹きつける魅力的なエピソードも数多く持ち合わせています。それを親しみやすい切り口で発信することで、ミツトヨブランドをより身近に感じてもらえると考えました。
ミツトヨの担当者様は「イントリックス様から提案いただいた切り口は、社内では思いつかないような発想ばかり。読者の興味を惹きつけ、ミツトヨへの理解を深めるのに最適でした」と述べます。
成果
顧客や海外現地法人からも好評価なコンテンツが完成
タイトなスケジュールながらも、イントリックスがミツトヨと一丸となって取り組んだ結果、90周年記念サイトは期日通りに公開することができました。
顧客の方々から「ミツトヨの想いがよく伝わった」「90年の歴史の重みを感じた」と寄せられる言葉は、コンテンツの狙いを的確に捉えたもの。長年ミツトヨ製品を愛用してくださっている方も、まだブランドに馴染みのない方も、等しくその歴史と価値観に共感し、新たな絆を感じていただけたようです。
こうした反響は国内だけにとどまらず、各国の現地法人からも「ぜひ母国語に翻訳して、現地のステークホルダーにも読んでもらいたい」という提案をいただきました。グローバル企業として、海外とのコミュニケーションは欠かせない要素。今回のサイト制作が、そのコミュニケーションを活性化するきっかけとなったのは、大きな成果だと言えるでしょう。
社内でも、コンテンツは大きな話題となりました。普段は別の部署で働く社員同士が、90周年記念サイトを通して改めて、ミツトヨの精神やビジョンを共有する。コンテンツを通じて90周年の意義を再確認することで、社員のミツトヨへの愛着と仕事への意欲が一段と高まったのを感じます。
このプロジェクトを通して、コンテンツの持つ力を再認識しました。単なる情報発信を超えて、読み手の心に火をつけ、組織に変化を起こしていく。そんな90周年記念サイトを生み出せたのは、ミツトヨとイントリックスが、一つのチームとなって知恵を絞り、良いものを追求し続けた結果だと思っています。