BtoBデジタルマーケティングやWeb制作の情報と、イントリックスの日常風景をお伝えします。

元商社営業が考える「使えるWeb」とは
~インバウンドマーケティング~

マーケティング
ゆるやか広報班 編集部
こんにちは、元商社マンで今はWeb担当の林です。
突然ですが、営業の仕事の中で一番大変な仕事って何だと思いますか?
それぞれ意見や考え方はありますが、営業を経験された方であれば新規開拓こそ最も辛く大変な仕事だと思われる方が多いのではないでしょうか。

Web登場以前の新規営業

Webが登場する以前の新規営業といえば主な所でいえば、飛び込み営業・電話営業・展示会などではないでしょうか。
もちろんこれらの営業手法はWebが発達した現代でも有効な手段であり、多くの企業はこうした活動から顧客を獲得しています。
しかし、これらの営業手法は大きな人的リソースが必要となり、また飛び込み営業・電話営業というのは受け手からすると喜ばしいものではありません。
特にBtoB企業の営業だと潜在客がどこにいるのか分からないなど難易度が増します。そこで近年注目されいる言葉で”インバウンドマーケティング”というものがあります。

インバウンドマーケティングとは

飛び込み営業や電話営業、メールやDMなど売り手が能動的に行動するスタイルをアウトバンドマーケティングと呼ぶのに対して、インバウンドマーケティングとは買い手であるお客様に検索エンジンやSNSなどを通じて自社の製品やサービスを見つけてもらい購買行動に進んでもらう事を言います。

例えるならば、猟銃を持って獲物を探して追いかけるのがアウトバウンド、釣り糸を垂らして獲物が食い付いて来るのをジッと待つのがインバウンドです。

インバウンドマーケティングの実践

インバウンドマーケティングは何も最近になって普及したマーケティング手法ではありません。導入事例、採用事例といったコンテンツをWebサイトに掲載するBtoB企業は沢山ありますが、これも立派なインバウンドマーケティングの取り組みです。検索エンジンの技術向上、SNSの普及とともに”言葉”が注目されるようになってきたんですね。

商社営業時代の話ですが、主な商材はFA機器で顧客は製造業なので営業先は工場が殆どでした。ある時、食品スーパーからエア搬送機器(空気の循環を促す機器)を導入したいという電話がありました。話を聞くと「冷凍食品コーナーの天井辺りにカビが発生してしまうので、それを取り除きたい」というもので、こうした導入事例を取引メーカーがWebサイトで紹介していたのを見て電話をしたとの事です。その後の商談はスムーズに進み、普段は訪問する事のなかった食品スーパーを相手に売上が立てられました。取引メーカーがインバウンドマーケティングを実践した恩恵を受けたのです。

事例紹介ばかりがインバウンドマーケティングの取り組みではありません。僕はお客様が情報を見つけやすい工夫をする事がインバウンドマーケティングの取り組みだと思います。

BtoB企業の実践例でいうとプリンターメーカーのRICOHはソリューションサービスの紹介において課題を切り口にしたサービス紹介をしています。

ソリューションサービスの紹介では実践例や具体的な解決例を示して、それに合った製品ページへ誘導している

ユーザーの課題を提示してから自社のソリューションを提示することで利用者に具体的なイメージをしてもらいやすい

マーケティングの世界でよく知られた言葉でこんなのがあります。

「ドリルを買う人が欲しいのは、ドリルではなく”穴”だ」

Webサイトを訪れるお客様が求めているのは製品ではなく課題の解決でしょう。上のRICOHの例ではソリューションサービスではなく”お悩みの解決”、僕の商社時代の経験で言えばエア搬送機器ではなく”天井のカビ発生防止”が求められていたのです。RICOHの取り組みはお客様に情報を見つけてもらいやすいように、お客様視点に立ったサービス紹介を行っているのです。

まとめ

インバウンドマーケティングは「お客様に情報を見つけてもらう」事が肝となります。
「どうやったら課題を解決できるか分からない」という方が具体的な製品名を検索エンジンで検索するでしょうか?
やはり”課題”や”お悩み”から検索する方が多いと思います。
インバウンドマーケティングは沢山の事例紹介を載せるとか、検索上位に表示されるようにSEO対策をするとか、Google Adwordsに多額の費用を費やすのではなく、お客様が情報を見つけやすい工夫をしてあげる事から始まっていくのです。