BtoBデジタルマーケティングやWeb制作の情報と、イントリックスの日常風景をお伝えします。

たまに読むならこんな本。イントリックスメンバーの「この一冊」!

ゆるふわ
ゆるやか広報班 編集部
インターネットで多くの情報が見つけられる現代でも、まだまだ、紙や電子書籍といった本は、大事な学びのツールです。また、周りの人が学びのため、そして趣味のためにどんな本を読んでいるのか、気になることってありますよね?そこで今回は、イントリックスのメンバーに、最近読んだ「この一冊」を紹介してもらいました!

システムコンサルタント:金丸匠の「この一冊」

はじめての課長の教科書 酒井穣(著)

課長の教科書サムネイル

あえて、技術的な本ではなく、ビジネス書のご紹介をしたいと思います。

わりと有名な本ですので読まれた方も多いかもしれませんが日本企業ならではとも言える「中間管理職」その中でも象徴的なポジションながら世のビジネス書を見渡してみても意外とスポットが当たらない「課長」の為の本になります。タイトルは「教科書」となっていますが机上の論理ではないリアルな内容で「参考書」と言ったほうがしっくりくる印象です。

特に第4章の、「課長の避けることができない問題」では、 9つの問題とその対処法が書かれているのですが、中でも

  • 問題社員が現れる
  • 部下が「会社を辞める」と言い出だす
  • 心の病にかかる部下が現れる
  • 昇進させる部下を選ぶ
  • ベテラン係長が言うことを聞かなくなる

は、イントリックスではまだ経験が無いのですがいつかそういう機会も出てくるだろうと思っていたところでもあるので実際にそうなった場合には自信を持って、対応できそうな気がします。

「課長」に限らず、部下や後輩を持つ全ての人、これから部下や後輩を持つ立場になる人(ならざるを得ない人)、つまりは30代~40代前半の企業人皆さんにお勧めできる本だと思います。
(先輩や上司がどんな思考回路なのか知りたい、知っておきたい20代にもお勧めです)

 

Webディレクター:中井志保の「この一冊」

住宅・インテリアの解剖図鑑 松下希和(著)

”居心地よい住まいをつくるために、インテリアの要素をどのように設計し、また、どう組み合わせて使ったらよいか”が紹介されています。

著名な11名の女性デザイナーの作品をモチーフに描かれており、中には独創的なアイデアも多くありました。そのうちの1つにはシャルロット・ペリアンが作った「フリーフォーム・テーブル」というものがあります。普通テーブルというと4本足の長方形や円形テーブルを想像しますが、このフリーフォーム・テーブルは3本足の多角形テーブル。椅子を好きな場所に配置できて、集まった人の動きを制限することなく、活動を自由に行うことができそうです。

現在イントリックスにてWebディレクターとして働いていますが、ユーザーがサイトを訪れたときにやろうと思っていることがすぐできるようにするにはどうすればよいかを常に考えています。「使いやすさ」や「効率性」を住まいにも求めてしまうのは私の性格、はたまた職業病かもしれませんが(笑)、生活動線はWebサイトの導線改善や設計と少し似ているのではないでしょうか。

余談ですが、Webサイトではリンク等でユーザをページからページへ遷移させるその仕組みを「導線」と呼びますが、この本では人が動く流れという意味で「動線」と書かれており、私にとってはちょっとした発見でした。

 

アナリスト:坂本勝の「この一冊」

ウニはすごい、バッタもすごい‐デザインの生物学‐ 本川達雄(著)

昆虫、巻貝、ウニ、ヒトデといった動物が、様々な環境に対応する生物の身体の知恵を紹介した本です。エネルギーを使わずに姿勢を維持する貝のキャッチ結合組織や、褐虫藻とサンゴの共生の様子など、生物それ自体の知識もユニークなのですが、この本を読んで考えさせられたのは、「戦略とは何か」ということでした。

例えば、ナマコ。脳や神経系も無く、心臓などの循環器系も無く、骨も無く、筋肉もほとんど存在しない、しかもピンチのときには消化器系すら吐き出して逃げてしまいます。しかし、海の中で、それこそ浜の真砂ほどある砂粒の表面に付着したわずかな有機物から栄養を取れば足りる生活(≒砂を噛むような生活)では、エネルギー消費を極限まで抑えることが合理的であり、筋肉などの組織は不要です。また、筋肉という栄養豊富な組織が無い分捕食者にも狙われにくくなります。

つまり、これはこれで立派な生存戦略であり、それに即応した身体の作りになっているのです。

「戦略」を考える際、どうしても、自分の常識や考え方、ビジネスの固定観念に囚われがちです。しかし、人や組織によって、本当は、戦略のあるべき姿は大きく異なるに違いありません。様々な生物の生存戦略を知ることで、「戦略」の幅広さを意識するきっかけになりました。

 

編集部番外編

非言語(ノンバーバル)コミュニケーション マジョリー・F・ヴァーガス(著)

普段「コミュニケーション」という言葉を聞くと、「言葉での伝達」を想起することが多いと思います。ところが実際には、コミュニケーションとは「言語によるコミュニケーション」と「非言語によるコミュニケーション」の両方から成り立っています。

「非言語によるコミュニケーション」というと耳慣れないかもしれません。では、「身ぶり・手ぶり」、「表情」、「アイコンタクト」、「イントネーション」と言ったらどうでしょう。「なるほど、それらもコミュニケーションを形成している要素かもしれない」と気づかれるのではないでしょうか。

ヴァーガス女史の「非言語(ノンバーバル)コミュニケーション」は、この「言語以外」のコミュニケーション要素を取り上げて、体系化した著書です。大学の講義の教科書用に執筆されたとのことですが、各要素を網羅しつつ整理された形で解説しています。前述の要素以外では、「空間・距離」、「色彩」などもこの要素の中に入ってきます。これらの要素は事例を提示しながら解説されており、教室での座席と生徒の参加意欲、しぐさ・身振りに見るメッセージ、「沈黙」が表すこと等、多岐にわたる事例が紹介されています。

親しい間柄の人とのコミュニケーションでさえも、難しいと感じる時がありますが、本著でカバーされている内容はより円滑にコミュニケーションを行うための一助となるものであり、かつ雑学としても面白いトピックが色々散りばめられています。

終わりに

一見、趣味や嗜好がバラバラに見えるそれぞれの「この一冊」ですが、直接、間接問わず、深いところでちゃっかり自分の仕事に繋げているのが印象的でした。梅雨時はついつい外出もおっくうになりがちです。そんなときに、誰かの読書を参考に新しい本を紐解き、新たな世界へ一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?