イントリックスでは、たびたびWebサイトのグローバル展開をお手伝いしています。時には、一部の地域のみで使われているマイナー言語に対応したページを制作するケースも。そんな時、マイナー言語ならではの、思ってもいないようなハプニングに遭遇します。実際に直面した難題をいくつかご紹介しましょう。
難題その1:
言語のテキストをフォトショップに流し込んだけど、どうも見え方がおかしい…
とあるサイトでアジア向けの言語展開を行った時の出来事。Word原稿(ヒンディー語、タミル語)をコピーしてPhotoshopに流しこんだところ、どうも一部、元のテキストと文字の見え方が違う。テキストエディタに一度コピーしてから流し込んでも、同じ現象。フォントが対応していないのでは?! とフォント会社に問い合わせたものの、回答なし。
いろいろ調べたところ、Photoshop側での環境設定が必要だと判明。環境設定でテキストを「中東言語と南アジア言語」に選択し、設定を変更することでテキストが正しく表示されるようになりました。英語などの言語対応では使わない機能なので盲点、“灯台下暗し”でした……
難題その2:
Word、PowerPoint、テキストエディタ。どれを使っても/言語パックを入れても、文字化けしてしまう!
これは、インドの南部地域で使われているマラヤーラム語でのページ制作案件でした。翻訳は、現地の社員の方が担当されるということだったので、我々はその言語がWEBサイトとして表示できるのかどうか、適当な単語や文章でテストして対応可能なことを確認し、あとは原稿を流し込むだけの状態で待機。ところが、ここから事件が。
いただいた原稿をPCで開いた段階で、すでに文字化けが起きていました。そこまではある程度想定内。OSのバージョンが異なるいくつかのPCでの確認、言語パック、Unicode設定と、とりあえず思いつくことはだいたいやってみるも、状況は変わらず。
悪戦苦闘した結果、わかったのが:
- 「ML-TTKarthika」など、現地でしか使われないフォントを複数使用して、原稿が作成されていた
- 文字コードが世界共通のものではなく、インド独自のコードになっていた
日本でいうところの、Shift-JISが使用されている原稿を海外の製作会社に渡したような状態です。そのため、現地の方がWordで原稿を作成している限りは、表示に問題がないのですが、独自のコードやフォントがない我々の環境では利用不可です。グローバルサイトとしてあらゆる環境を想定すると、もちろんWeb制作に使うことはできません。Unicordへの変換サービスや、フォントをこちらから指定して原稿を再作成いただくなど、追加で工夫を試みても、事態は依然として霧の中。
こうなったら「ローカルフォントを使えない状況を作ればよいのではないか」、あるいは「オンラインのオフィスソフトサービス上で、原稿を起こせばよいのではないか」と考え、Googleドキュメントのファイルを共有する方法で、あっさり解決。原稿作成側・受け取る我々制作側のどちらも閲覧できる状態の原稿をいただくことができました。
まとめ