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社員旅行にぴったり! 会社の忘年会で行ってきた「工場見学」のおすすめポイントを紹介

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ゆるやか広報班 編集部
「工場見学」と聞くと、小中学生の社会科見学や会社の視察のような“硬い”ものを連想する方が多くないでしょうか。しかし、実際の工場見学はイメージと違って、とても楽しめて、かつ学びも多く、有意義な時間を過ごせます。ぜひ社員旅行におすすめしたいです。イントリックスのテクノロジー部門メンバーで工場見学に行ってきたので、その魅力をご紹介します。

トヨタロジスティクス&フォークリフトのカスタマーズセンターを訪問しました

どのくらいの企業が工場見学を実施しているのでしょうか。関東近郊に絞って調べても、想像以上の数です。施設の見学はもちろん、セミナー形式で製造工程を学んだり、ショールームのような形で現場を見たり、実際にものづくりを体験したり…… とさまざまなタイプが。製品を購入できる工場見学もあります。

気になってきた方は、「好きな企業名」+「工場見学」でGoogle先生にお問い合わせください。

 

私たちが訪問したのは、トヨタロジスティクス&フォークリフト(以下、トヨタL&F)のカスタマー東京です。トヨタL&Fは、トヨタグループのフォークリフトの事業を担う会社で、約50年間フォークリフトの国内シェアNo.1。社名のロジスティクスが示すように、物流効率化のソリューション提供も行っています。トヨタの自動車工場で培った「カイゼン」技術を物流に応用したサービスを製品のフォークリフトと一緒に提供している会社です。

カスタマーズセンターでは、トヨタ式の物流改善の考え方、トヨタの自動車工場内の取り組みや実際の物流ソリューションに関わる製品を見学・体験できます。

 

 

そもそも工場見学に行くことになったきっかけは……

 

イントリックスのテクノロジー部門では、毎年の忘年会はただ飲むだけだと物足りず、イベント+飲み会の構成にしています。部門ミーティングの場で、忘年会の話題になった時、「工場見学補助制度を使ったことないよね。工場見学に行きませんか?」と意見が出ました。これに満場一致で賛成となり、すぐに企画が決定。行き先もミーティング中に調べて、「トヨタL&Fが面白そうだね」とわずか15分ほどで行き先も確定しました。

 

イントリックスはBtoBメーカーがクライアントで、基本的に社員はモノづくりに強い興味関心がある人ばかりです。一般消費者から見ればマイナー製品であってもOK。自動ドア、建設機械、ベアリングなど、「業務用製品が好きです!」という人がむしろ多いです。しかもテクノロジー部門は「効率化」「仕組みづくり」といったテーマが大好物。まさにトヨタL&Fはぴったりの見学ツアーでした。

 

*イントリックスでは、モノづくりやサービスの現場を体験することが推奨され、工場見学をする場合は会社から費用補助をもらえます。

 

 

工場見学は学びと遊びのバランスがよく、社員旅行にぴったり

 

実際に工場見学に行った所感としては、学びの要素もありつつ、企画の内容が硬すぎず、メンバーがリラックスして参加できる絶妙なバランスが非常に良かったです。イントリックスの社員合宿の幹事経験もある私は、読者の皆様にぜひ社員旅行先におすすめしたいです。

 

社員旅行幹事の皆さんによくある悩みといえば、

・「飲んで食べて楽しむだけでなく、もっと有意義な社員旅行にしたい」

・「かといって研修形式にすると、硬すぎて社員のモチベーションが上がらない」

・「でもやっぱり社員のみんなと、個人の旅とはひと味違った旅行にしたい」

などなど。具体的な企画を決めるのに苦慮されているかと思います。でしたら、工場見学でしょう。

 

  1. 業務に役立つ考え方を学べる

工場見学は単なる「慰安旅行」とは違い、訪問先企業の取り組みや、製品へのこだわりなどを知る機会になり、良い刺激になります。場合よっては、翌日からの自分たちの業務に役立つ考え方を学べるかも知れません。

 

  1. 業種・業態が異なっていても考え方を学べる

「自分たちはメーカーじゃないのに、工場見学に行って学ぶことはあるのか?」と思う方もいるかも知れません。業種・業態が違っていても課題に対するアプローチ、品質へのこだわりなど、根底にある考え方を学ぶことはできるはずです。

今回訪問したトヨタL&Fでは、品質基準をどのように平準化することができるのか、そのためにどれぐらいの社内リソースを割いているのか、などの点でヒントを得ることができました。

 

  1. 参加者のモチベーションに差が出にくい

学びの要素を盛り込み、チームビルディングを目指した社内旅行・研修となると、最近は体験型のものが増えています。ほとんどの大手旅行代理店では、社員旅行向けのパックが用意され、アウトドアタイプの社員旅行や自衛隊研修など、かなりアグレッシブな体験型企画もあります。なかには「チャンバラ合戦」なる社員研修企画なども存在するようです(これは面白そう……)。

これら体験型の社員旅行・研修のデメリットに、「楽しい!」と積極的に参加する社員と「やり過ぎ」と感じて消極的になる社員の二極化があって、幹事の悩みどころとなります。しかし、工場見学はハードな動きをするわけでもなく、強制的なルールで縛られることもなく、ストレスフリー。社員のモチベーションが二極化することはありません。

 

  1. 社内コミュニケーションの活性化になる

工場見学では、日常の仕事と直接関係するテーマはあまりないため、日ごろ関わりのない社員と話すきっかけになったり、普段と違う話題で盛り上ったりできます。

チームビルディングのレベルまではいきませんが、社内コミュニケーションの活性化が目的であれば、そのために一役買えると思います。

 

程よい遊び要素も学びの要素もある。悩める旅行幹事の方は、ぜひ工場見学を。

 

 

トヨタL&Fの見学ツアー内容のご紹介

 

トヨタL&Fの『物流改善 小物品コース』の内容を公開できる範囲でご紹介します。

※詳細はお伝えできません。概要になります。

 

<物流見学セクション:物流現場の改善の考え方>

施設内に仮想の物流現場を再現。見学しながら、物流現場で起こりがちな問題点とその改善点を理解できるように展示されています。

 

ステージ0:「荷繰りが多い」「通路に荷物がはみ出している」など
よくある物流現場の課題の説明に始まり、それらの課題をどのように改善していくのか、段階を追って説明してもらいました。

ステージ1:不要なものを排除し、同一の荷物がまとめられている

ステージ2:倉庫内の荷物エリアを上部空間も荷物スペースに有効活用し、上部と下部で区画されている

ステージ3:可動式ラックを利用することで、さらなる省スペース化が実現されている
→ステージ1の状態と比較して、約40%のくらいらしい

 

<訓練道場>

物流見学セクションでは、物流とは直接関係ありませんが、トヨタの各工場で設置されている「訓練道場」の説明を受けられます。

トヨタの「訓練道場」は、工場内の作業の平準化を図って属人性を排除することを目的に設立され、日本に限らず世界中のトヨタの工場単位で導入されているシステムです。1人が担当する作業工程を細分化し、工場のチームリーダーが作業者の各工程の品質をチェックします。品質に問題がある場合は、できるようになるまで訓練道場で繰り返し作業の練習をすることで、工場全体の作業品質の平準化を目指します。工場のラインを稼働させるなかで、ミスがあった場合はそれを作業担当者ごとに見える化し、ここでも品質に問題があると判断された場合は、訓練道場で改めて作業練習をする仕組みです。

 

工場の現場に限らず、社内の業務品質の向上をテーマにしているようでしたら、参考になるのではないでしょうか。

 

<物流小物紹介セクション>

トヨタL&Fが提供している物流ソリューションで利用する製品を見学・体験するセクションです。入庫から在庫管理、ピッキング(在庫をまとめる作業)、集荷までの作業効率化とヒューマンエラーを防ぐシステムを網羅的に紹介しています。

それらのソリューションがどんな課題を解決するために存在しているのか、案内役の方が丁寧に分かりやすく説明してくれます。

 

小物紹介セクションで印象的だったのは、物流用カートです。買い物カートよりも一回り大きいサイズで、商品を格納するための箱が付いています。このカートは出荷する商品が倉庫内に置かれている場所まで誘導してくれるうえ、商品を間違って取り出すとエラー表示されるなど、物流現場で起こり得るトラブルをシステム的に防ぐ仕組みになっています。現場の知恵が凝縮された製品だなと感じました。

 

ソリューション説明を聞くと、

「床のセンサーを取り付ける時はどうやって床を剥がすのか?」

「このカートには速度センサーは取り付けられているのか?」

「運用するうえで重量センサーは何グラム単位が最適なのか?」

やはりイントリックスのテクノロジー部門メンバー、具体的な装置や課題を見せられると話が盛り上がります。案内役の方に次々と質問しました。

 

<質疑応答:トヨタの安全・品質に対する考え方>

最後は、待合室に戻って質疑応答の時間です。運良くセミナー講師の方が、イントリックスメンバーからの質問に答えてくれました。トヨタL&Fでは、トヨタのカイゼンのやり方を物流現場で活かすノウハウを持っているため、製品やソリューションを販売する以外にも定期的にセミナーを開催しています。

 

トヨタが重視しているのは、やはり現場。モノづくりを行っている工場が社内で非常に強い発言権をもつといいます。だからこそ、工場でカイゼンが積極的に実施され、それを会社側が普及させるサイクルを生み出すことができたのだろうと思いました。また、トヨタは「安全・安心」に対する高い意識を有します。現場の工場で「安全・安心」を最優先事項にするということではなく、グループを組織的に見ても、経営部門の次に、「安全・安心」を担当する品質管理の部署が設置されているとのこと。やはり組織的構造に関する裏付けがあると、説得力が増しますね。現場において、「安全・安心」は単なる標語でなく、何かミスが起きた際に現場判断で工場のラインを止めることが可能で、「よくラインを止めた。ミスが起きた原因を探ろう」と、原因究明と改善策検討に力を注ぐのが、トヨタのやり方だそうです。

イントリックスから質問が多かったのは、品質管理と平準化の実施方法についてでした。

「品質管理にどれぐらいの人員・時間を割いているのか?」

「平準化は各工場単位なのか、世界的に平準化されている作業もあるのか?」

など、業界・業種は違えども、大変勉強になるお話を聞くことができました。

 

カスタマーズセンターでいただいた記念品

カスタマーズセンターでいただいた記念品

 

まとめ

 

いかがでしたか? 工場見学は、会社のメンバーで行って楽しめる“遊びと学びのバランスの取れた企画”ではないでしょうか。

ほかにも工場見学はたくさんあります。JALやANAの修理工場見学など、普段目にする機会がない現場を知るツアーや、日清やサントリーといった日常生活の中にある商品の製造工程を学ぶツアーなどもあります。一緒に参加するメンバーの方の趣味や指向を考えつつ、行き先を決めてください。
最後に、いくつかおもしろそうな工場見学をご紹介します。工場見学は関東近郊だけでなく、日本全国で数えきれないほど実施されていますから、皆さん自身でチェックしてみてください。

 

参考リンク

 

<あまり見る機会のないインパクトのある見学をしたい>

・JAL SKY MUSEUM
https://www.jal.co.jp/kengaku/

・ANA
https://www.ana.co.jp/group/kengaku/

修理工場見学飛行機の修理工場はとにかくスケールが大きい!
印象に残る見学ツアーができます。

 

<意外性を求めるなら>

・東京都北区防災センター(地震の科学館)
http://www.city.kita.tokyo.jp/bosai/bosai-bohan/bosai/shobosho/kagaku/

地震や煙が充満した部屋を体験できる。
工場見学とは違いますが、意外性120%です。

 

<参加者みんなが楽しめそう>

・日清食品 カップヌードルミュージアム
https://www.cupnoodles-museum.jp/ja/yokohama/

・味の素 川崎工場
https://www.ajinomoto.co.jp/kfb/kengaku/index.html

おなじみ商品の製造工程や知られざる歴史を学べます。カップヌードルミュージアムでは、麺作りの体験も。参加者全員が楽しめそうですね。

 

<社内に酒好きが多い場合はこちら>

・サントリー 蒸留所見学(山梨県北杜市)
https://www.suntory.co.jp/factory/hakushu/

・アサヒビール 茨城工場
https://www.asahibeer.co.jp/brewery/ibaraki/

製造工程を見たり、お酒の物品販売コーナーでお土産を選んだり、工場見学の後が楽しみですね。

 

<ものづくりを本気で感じたいコアな人向け>

・めがねミュージアム(福井県鯖江市)
https://www.megane.gr.jp/museum/

実は、日本のメガネフレームの約95%は鯖江市で生産されています。豪雪地帯の福井で、冬の農閑期の産業を興すことができないかと苦慮した結果、生まれたのがメガネ作りでした。1905年、手先の器用な若者を集めてモノづくりを始めたのがきっかけだそう。まさに日本の眼鏡産業の先駆けとなったのが鯖江市なのです。今では日本だけでなく、世界シェアの約2割に至っています。
めがねミュージアムだけでなく、街の至る所に工場があります。職人技を間近で体感しませんか。

 

・セイコーエプソン塩尻工場
http://www.epson.jp/company/jigyosho.htm

世界初のクォーツ時計で、時計市場を世界規模で圧倒したセイコー。街の時計ショップでは、スイスを中心とする高級時計が注目されがちですが、日本も手の込んだ時計づくりをしています。クォーツに始まり、セイコーは「スプリングドライブ」の技術を使った高級時計で、まさにこれから世界と勝負しようとしています。日本の精密製品にかける情熱を感じに、ぜひ長野県へ。組み立て現場を見れば、なぜ時計の値段が高いのか、きっと理解できるはずです。時計の組み立ても体験できるそうです。もし興味があれば工場見学の実施状況を調べてみましょう。