この言葉が意味するのは、ユーザーになってもらうための施策に偏らず、ユーザーになってもらった後を大切にすべきということ。つまり、過剰な個別のカスタマイズよりも、前述の1.と2.の方法で的確にユーザーニーズをつかみ、それを製品開発に反映することが何よりも重要だと、レヴィ氏は伝えたかったのだと思います。
ちなみに、サブスクリプション型のビジネスを行っているSaaS企業では、サービスの解約を回避するため、カスタマーサクセスチームが集めたユーザーの要望やクレーム、解約のきっかけなどを、時にユーザーから直接ヒアリングすることで、ニーズの本質をデータとして集約していました。
成果に繋がるデジタルマーケティング施策のために
デジタルマーケティングの取り組みに対して、「何から始めたらよいか?」と頭を抱えてしまうBtoBメーカーの担当者の方も多いのではないかと想像します。一方で、俯瞰視点が定まらない状態で大きな施策を試み、途中でその取り組みが頓挫してしまったこともあるのではないでしょうか。
そこで、SaaS企業が実践していたターゲティング、集客、カスタマーサクセスの3つのヒントをもとに、以下のような取り組み施策を洗い出すことから始めてみてはいかがでしょうか。
- 既存顧客の業界や企業規模等の属性に基づいて、得意領域の分析・運用改善を見直す
- セミナーや展示会などへの誘導を促進する、MAを活用したメール施策を検討する
- 営業とマーケティング間で、部門を超えたコミュニケーションの頻度を増やす
- 製品利用ユーザーの声をマーケティングやバックオフィスへフィードバックする機会を設ける
など
そして、それらに優先順位をつけ、小さな成功を積み重ねていくことをおすすめします。
成長しているSaaS企業がスタートアップ企業から上場企業へと成長できた成功要因として、このようにひとつずつ着実に小さな成果を重ねてきたからだとも言えるでしょう。