BtoBマーケティングコラム マーケティング初心者でも成果が出せる!ウェビナー定期配信のススメ

2024年4月25日

マーケティング初心者の担当者が、1年間ウェビナー運営をやってみて出した成果やコツ、苦戦ポイントなどについてお伝えします。

コロナ禍を経てセミナーからウェビナーへ

2009年の創業以来、BtoB企業のデジタルコミュニケーションを総合支援してきたイントリックスには、確固たるノウハウと実績が蓄積されています。そんな弊社の強みを、皆さまの課題解決にお役立ていただきたいという想いから、これまで多種多様なテーマで無料セミナーを開催して参りました。2019年までは対面で行うリアルセミナーのみの開催でしたが、2020年のコロナパンデミック以降、弊社のリモートワーク率は95%となり、現在ではセミナーもオンラインで開催する“ウェビナー”が主流となっています。

ウェビナーの運営は「イントリックスのソリューション・価値を、お客様視点で分かりやすく情報提供する」をミッションに掲げるマーケティング部が担っており、部では具体的には以下のような取り組みを行っています。

図1:マーケティング部の主な施策

マーケティング初心者の自分が運営担当に

上記取り組みのうち、筆者は①③⑥を担当しているのですが、じつは部署異動するまではマーケティング初心者でした。と言いますのも、もともとの職種は総務。前職でもマーケティングとはほぼ無縁の人間だったのです。なお、異動の経緯はメンバーページに書かせていただいておりますので、ご興味のある方はそちらをご覧いただけますと幸いです。

1年で大幅な工数削減を達成!どんな変革が起きたのか?

そんな私がウェビナー運営を主導することになったわけですが、ウェビナーの運営体制は下記の表の通り、この1年で「まさにDX!」と言えるような変化を遂げています。

図2:1年前と現在のウェビナー運営体制

上記の表をご覧いただくとお分かりになるかと思いますが、以前は全体で14個あったToDoリストが10個に減りました。中でも“当日やること”は6個から2個へ3分の1に減っており、大幅な工数削減を達成することができています。また、以前は一度生配信を行った後はアーカイブ化をして、新たなリード獲得はお申込みをいただくまでの「待ち」の姿勢だったのに対し、現在は次々に定期配信を行うことで新たなリードを創出する「攻め」の姿勢に転じています。

一番大きなターニングポイントとなったのは、2023年5月から「録画ウェビナーの定期配信を始めたこと」で間違いないでしょう。私が配属された時、チーム内では既に「ウェビナーの内容の質は落とさずに、業務効率化と生産性向上を図るにはどうしたらよいか」という議論がなされており、その一案として浮上したのが「録画ウェビナーの定期配信」でした。そして、「やってみよう。まずは6つのテーマを、毎週火曜日に週1回のペースで開催しよう」ということになったのです。

ゼロイチとイチジュウの同時並行がカギ

2023年8月、録画ウェビナーの定期配信開始から3か月後、新しい期を迎えたイントリックスでは「デジタルマーケティング支援管掌」という新組織が発足し、加速するBtoB企業のデジタルマーケティング需要に応え、より着実な成果をあげることが最大の目標となりました。

それに伴い、マーケティング部においては情報発信をさらに強化すべく、ウェビナーの配信頻度も週1回の開催から週2回の開催へと、徐々に増やしていくこととなりました。しかし、既存のテーマは年末までスケジューリング済みで動かせない状態であり、また、一から新たに制作するとなるとスピード感に欠けてしまうという問題がありました。そこで、「なんとか新作を手掛けつつ、先行して公開可能な動画も並行して作れないだろうか・・・」と考えた末、過去に開催したセミナーが、スポットライトを浴びることになります。

社内の“もったいない”を見直し付加価値を創出

皆さんの会社にも眠っていないでしょうか?内容は今でも通用する普遍的なものなのに、動画自体が古いために新鮮味がなく、リード獲得に繋がらないお宝が。弊社にもそんな“もったいない”セミナー動画が存在したのです。そして、宝の掘り起こしついでにさらなる付加価値を生もうと考えたのが、登壇者の変更でした。当時の登壇者の部下にあたるメンバーに登壇してもらうことで人材育成にもなり、また、登壇者自身のスキルアップや今期の目標達成にも繋がり、まさに一石二鳥の施策となったのです。そうして眠っていた動画を即日撮り直し、新作として仕上げたことで、あっという間に毎月第一木曜日に追加配信することができました。

あわせて、既存のセミナーもいくつか録り直しを行いました。2020年10月にGA4がリリースされた理由の一つに、「急速に変化するユーザーの行動に対応するため」ということがありますが、こうした変化の激しいテーマが語られているウェビナーに関しては、待ったなしでアップデートが必要であると判断したためです。また、時代を感じさせてしまうもの、たとえば「コロナ禍」「アフターコロナ」というワードが本編で語られているような場合や、投影データが古いものなどに関してもリニューアルを行っています。

こうして、一方で新作をじっくり練りながら、共催セミナーなども積極的に開催しつつ、もう一方では既存の素材を活かして、スピーディに「準新作」のような動画を用意することができたのです。

初心者がつまずいた2つの苦労ポイント

もちろん、筆者はマーケティング初心者ですので、すべてが順調に進んだわけではありません。とくに最初の数か月は七転八倒しながらも何とか運営できていた・・・といった具合でした。当時、苦戦したポイントを大きく分けると下記2点になるかと思います。

【1】システムの操作

弊社のウェビナーはWeb会議ツールで行います。普段から使用している使い慣れたツールですが、ウェビナー権限が付与されたアカウントの操作や各種設定は初めてでした。また、申込フォームやアンケート、自動応答メールの設定はマーケティングオートメーションツールの操作が必要で、こちらも初見。加えて動画編集やディレクションも未経験でしたので、慣れるまでは苦労しました。たとえば、初回ではアンケートが自動送信される設定が上手くいっておらず、急いで手動で送ることになったことがありました。

【2】各関係者と連携したスケジューリング

ウェビナーは、録画を定期配信することになったからといって、関係者が減るわけではありません。登壇者、フォーム作成者、デザイナー、ランディングページの実装チーム、メールマガジン担当者、SNS担当者、営業チームなどと連携するため、先を見越したスケジューリングを行うことも必要です。失敗談としては、せっかく録り直したテーマをいざ公開!という時に、ランディングページがメルマガ配信に間に合わない・・・ということがありました。

数字で見る定期配信が生んだ大きな成果

成功と言うと大げさに聞こえるかもしれませんが、1年間ウェビナー運営を担当した中で、とくに「録画ウェビナーの定期配信を始めたこと」で得られたメリットをご紹介したいと思います。まずはデータをご覧ください。

図3:ウェビナー運営「ビフォー・アフター」

定期配信を始める前の半年間と始めた後の半年間では、参加率はやや下がり、参加者数はほぼ変わりませんが、それ以外のすべての項目で大きな成果が出ていることが分かります。

上記データ以外にも、

  • ウェビナー自体の回数が増えたことで、顧客との接点も増え、機会損失が低減した
  • メルマガや無料掲載サイト、SNSでの告知が増えたことで露出も増え、認知も拡大した
  • コンスタントに新規リードの獲得ができるようになった
  • 運営効率が上がり、開催当日の工数が大幅に削減された
  • 配信内容を事前に確認、編集できるため、事故防止にもなる
  • 動画の撮影も配信も、リモートで対応可能になった
  • テンプレ化、マニュアル化が可能なため、属人性が排除された
  • アンケート回答における参加者の声では、録画への不満はほぼない

などなど、複数のメリットを享受することができました。

更新頻度や開催形式はテーマによって柔軟に変える

当たり前のことなのですが、ウェビナーを運営するにはまず、何よりも顧客ニーズを把握することが大切であり、そのための情報は、さまざまなところに点在しているということに気が付きました。お客様との打ち合わせの際に直接伺うこともあれば、ホワイトペーパーでアンケート調査を実施した際の回答から分かることもあります。たとえば、現在公開中の「【製造業】問い合わせを起こすまでのユーザー行動調査」によると、顧客が企業のWebサイトに期待するのは「情報の新しさと質」であるということが分かりました。そのため、ウェビナーも古い内容のまま配信し続けてはいけない、そこは手間を惜しむべきではない、と判断し随時更新を行っています。また、セミナーに限ったことではないかと思いますが、オンライン開催とオフライン開催に優劣の差はなく、それぞれ異なるメリットや強みがありますので、ケースバイケースで使い分けることも必要です(イントリックスでは、少人数のオフラインセミナーも開催しています)。

今後の取り組みと挑戦

つい先日、2024年8月から12月までに開催するウェビナーのスケジュールを組んだのですが、その頃には3つの新規テーマが追加され、木曜日も毎週配信を行う予定で着々と準備を進めています。今回ご紹介した取り組みは、お分かりの通り自動化しやすく、マーケティング初心者でも成果を出すことが可能です。しかし、言い換えれば、コモディティ化が起きやすい施策であるとも言えます。その中で頭一つ抜きん出るためには、常に新しいアイデアを求めて情報収集を行い企画に盛り込むこと、捻出した時間を他の付加価値創造に活用することなど、あくなき挑戦を続けなくてはなりません。

イントリックスではこれからも、皆さまの課題解決に向けて直接働きかけるセミナーを開催して参ります。ぜひお役立てくださいませ。

関連情報

BtoB企業のデジタルコミュニケーションを総合的に支援しています

BtoB企業に特化したサービスを提供してきたイントリックスには多くの実績とノウハウがございます。現状のデジタル活用の課題に対し、俯瞰した視点でのご提案が可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

お問い合わせ

デジタル活用 無料オンライン相談会

BtoB企業のデジタル活用を支援してきた各分野の経験豊富なコンサルタントが、マクロな調査・戦略立案からミクロなデジタルマーケティング施策まで、デジタル活用の悩みにお応えします。

無料オンライン相談会
概要・お申し込み

BtoBデジタルマーケティングのお役立ち資料

BtoB企業向けにデジタルマーケティングの最新情報をホワイトペーパーとしてご提供しています。

資料ダウンロード
INTRiXメールマガジン

セミナーやコラム情報をお届け

ご登録はこちら