昇降機・建物ソリューションの事業を展開する同社。建物トータルソリューション事業のターゲットであるビルの価値を高めたい管理者やオーナーは、数も多く、全国に点在しているためリアル営業だけですべてをカバーすることが容易ではありません。また、Webを通じて自ら情報収集をすることが多いため、特にデジタルコミュニケーション施策の効果が特に高いとの仮説をたて、各種調査にあたりました。
現行サイトの調査では、日立ビルシステム社内10事業部へのヒアリング、Webサイトのアクセスログ解析、Webサイトのコンテンツ・機能の過不足を判断するためのヒューリスティック調査、ユーザビリティの調査、競合他社のサイト調査、Webサイト活用における他社のベストプラクティス調査と、日立ビルシステムのWebサイト内外を多角的に分析。その結果、ビル全体に関わる製品・サービスを取り扱う総合力を示すコンテンツの不在、昇降機の保守に特化した競合他社と差別化できる情報発信の不足、今後デジタル活用の核となりうる建物トータルソリューション関連コンテンツの拡充、情報構造の再設計、老朽化したインフラなど、さまざまな改善点が抽出されました。
戦略立案の中で特に注力したのが、コンテンツ。調査で明らかになった重要課題を解決するために、同社の商流を細かい粒度で整理し、顧客となるターゲットの細分化、ターゲットごとに届けるべきコンテンツの精査を行いました。
日立ビルシステムのターゲットを大別した表の一部。これをもとに日立ビルシステムと議論し、情報発信のターゲットの優先度を決めていきました。
カスタマージャーニーをもとにしたあるべき姿も実現できなければ意味がありません。各種のコンテンツの優先度、そして既存サイトから再活用できるコンテンツを棚卸しすることで、実現性のあるコンテンツ拡充ロードマップに落とし込みました。
昇降機の保全・リニューアルや建物トータルソリューション事業と関連性が高いコンテンツほど優先度を高く設定し、制作の実現難易度とかけあわせて4象限の表にまとめました。