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テクノロジー目線で見る、2018年押さえておきたいトピック

システム・テクノロジー
猪目 大輔

新年あけましておめでとうございます。

2017年はさまざまな分野で大きな出来事のあった激動の1年でした。
BtoB企業のデジタル活用においても、自社メディアとしてWebを積極的に活用していこうという動きが様々な業種で見られ、経営層の意識の変化も感じられた年でした。

では、2018年はどのような動きが出てくるのでしょうか?テクノロジー目線も交えながら、今後のBtoB企業のデジタル活用について考えてみました。

2018年の注目トピック①:
顧客価値の最大化を意識したコンテンツ・機能づくり

自社の実力を伝えきるデジタル表現とは何か?お客さまの潜在ニーズは何か?
を考え抜いた質の高いコンテンツ・機能づくりの裾野が2017年はさらに広がってきたと感じています。

大同特殊鋼や貝印のスペシャルサイトでは、質の高い動画や写真を駆使してものづくりに対する想いや品質へのこだわりを印象的に伝えています。

大同特殊鋼スペシャルサイトメインビジュアル貝印スペシャルサイトメインビジュアル

ミスミはCAD設計者の見積作業時間を数分の1に短縮する見積自動作成ツール(meviy)を提供し、お客さまの利便性を飛躍的に高める機能提供をしています。

手間やコストはかかるものの、質の高いコンテンツ・機能づくりに取り組んだ方が投資対効果が高いことに気づく企業は年々増えており、将来的にはコンテンツづくりを内製化することを視野に入れ人材育成に取り組む企業も出始めています。

<参考URL>
大同特殊鋼スペシャルサイト http://www.daido.co.jp/about/pioneer/index.html
貝印スペシャルサイト http://www.kai-group.com/global/kai-factory/
ミスミ「meviy」 https://meviy.misumi-ec.com/

2018年の注目トピック②:
戦略的データマネジメント/販促PIM

部品メーカーや完成品メーカーを中心にPIM(製品情報管理システム)に関する相談もここ数年で増えています。最近感じているのは、相談される企業の裾野が大企業だけでなく中堅企業にまで広がってきていることです。

背景として多く聞かれるのは、製品情報や販促情報をタイムリーにお客さまや代理店、自社の営業マンに提供できずに営業の機会損失や不要な業務負荷が至る所で生じている、という問題です。特に海外展開を推進されている企業がより深刻に悩まれています。

こういった問題を解決するために、戦略的データマネジメントという考え方が今後重要になってくると考えています。データマネジメントという体系化された考え方は従来からありましたが、より実利につながる販売工程などの領域に絞ってシステムやデータ、管理体制を整備していくという考え方になります。

例えばPIMの場合は、これまではカバーする工程や対象データ、関連部署が多く、投資対効果が見いだせずプロジェクト化に至らないケースが多くみられましたが、今後は売りにつながる販促工程のデータにフォーカスした“販促PIM”が主流となってくるのではないかと考えています。

2018年の注目トピック③:
デジタル活用時代の組織・人づくり

組織づくり・人材育成についても昨年は多くのご相談をいただきました。

Webサイトを営業支援ツールとして活用していくための基盤やツールは整備をしてきたが、それらを使いこなせる組織・人材づくりが追いついておらず十分な成果につながっていない、というのが多くのBtoB企業の現状だと思います。

こういった課題に気づきはじめ、一部の企業ではデジタル活用を推進するための組織づくりや人材育成に力を入れ始めています。

こういった動きは2018年はさらに加速してくると考えています。

終わりに

2018年はデジタル表現を駆使した質の高いコンテンツ・機能づくりに加えて、 サイトを裏側で支えるデータ、基盤、体制、プロセスの成熟度を如何に高めるか、に注力する企業が増えて来ると感じています。

デジタル活用先進企業では、データマネジメントや運用基盤づくりに非常に力を入れてきており、このテーマにどのように取り組んでいくかが数年後に大きな差となって表れてくると考えています。

経営層もその重要性は肌で感じはじめており、昨年は体制・プロセスに関する相談を受けることが非常に多くなりました。

イントリックスでは、デジタル表現を駆使したコンテンツ・機能づくりからサイトを裏側で支えるデータ、基盤、体制、プロセスづくりについても三位一体でご支援いたします。

社員一同、2018年もどうぞよろしくお願いいたします。

おまけ:2017年に印象に残った技術トピック

① スキャンピラミッド
http://www.scanpyramids.org/

宇宙から飛来する素粒子の一つ「ミュー粒子」の物質を突き抜ける性質を利用してレントゲン撮影のようにピラミッド内部を「透視」するプロジェクト。名古屋大学と高エネルギー加速器研究機構の調査により新たな空間が発見され話題となりました。

② 高台寺・百鬼夜行プロジェクションマッピング
https://www.youtube.com/watch?v=vHeQvMNsiug
高台寺は1606年に豊臣秀吉の正室・北政所(ねね)が創建した秀吉の菩提寺です。夜の波心庭に百鬼夜行のプロジェクションマッピングが投影された光景は、歴史の重みと最新のデジタル技術が融合した不思議な光景でした。

③ 衆鱗図(しゅうりんず)
http://www.pref.kagawa.jp/kmuseum/shoukai/kankoubutsu/sonota/

江戸時代に高松松平家によって作られた超絶技巧で描かれた魚類図鑑。鮮度管理が困難な時代にまるで生きているかのように描かれた魚類の数々と細部にまでこだわり抜く絵師の執念に驚嘆しました。アナログではありますが、先人達の超絶技巧に敬意を表して挙げておきます。