BtoBデジタルマーケティングやWeb制作の情報と、イントリックスの日常風景をお伝えします。

【セミナーレポート】BtoB企業こそ写真・動画に力を入れるべき理由

BtoB
ゆるやか広報班 編集部
2018年夏にサービスを開始した『INTRIX CREATIVE PHOTO SERVICE(イントリックス・クリエイティブフォトサービス)*』。ビジュアル素材の活用の可能性を伝えるべく、2018年12月11日(火)、BtoBコミュニケーションセミナー「~ビジュアルに力を入れるべきはBtoCだけじゃない。~ BtoB企業こそ写真・動画に力を入れるべき理由」に、当社の佐賀と山崎が登壇しました。さらに、当社とともに自社ストックフォトの制作を進めている、ダイキン工業株式会社(以下、ダイキン)広告宣伝グループ 土井智保子様に、企業ブランドを体現するために行っている取り組みやその効果をご紹介いただきました。

『INTRIX CREATIVE PHOTO SERVICE(イントリックス・クリエイティブフォトサービス)』
Webサイトをリニューアルするときに、企業が抱えがちな問題はビジュアル素材不足。そのような事態を解決するためのBtoB企業向けの撮影サービスです。

こんなに違う! 企業イメージを左右するビジュアル素材の訴求力

登壇者

左から、当社ストラテジスト/ プロジェクトマネージャー 佐賀 文昭
ダイキン工業株式会社 広告宣伝グループ 土井 智保子様
当社デザイナー/フォトグラファー 山崎 紘史

本イベントは、一般社団法人日本BtoB広告協会が主催している、企業のコミュニケーション部門・ブランド推進部門・Web主管部門の担当者向けセミナーです。当日は大勢に参加いただき、満席となりました。

セミナーに向けて準備を重ねてきた佐賀と山崎。万全の態勢かと思いきや、参加者が会場に集まるにつれ、緊張の面持ちに…… そんな二人も、セミナーが始まると、直前までの姿が嘘のように堂々と壇上へ。第一部は、BtoB企業のデジタルマーケティングにおけるビジュアル素材の可能性と、その素材を管理する自社ストックフォト構築の流れについて、当社の視点から紹介しました。

インターネットの普及によって、多様化した企業と顧客とのコミュニケーション。それに伴い、ビジュアル素材の重要性は高まり続けています。コーポレートサイトのトップページも写真や動画が画面の多くを占め、企業のブランドや製品の特色を強く訴求するビジュアル素材は、もはや必要不可欠です。
しかし、いざビジュアル素材に注力すると見えてくるのが、そもそもの素材不足や写真の権利問題、部門を横断した素材の共有といった課題の数々。特に、写っている社員の肖像権や撮影したカメラマンの著作者人格権など、権利関係の確認に手間を要します。それらを解決する一つの方策が、自社ストックフォト作りです。

登壇した佐賀と山崎は、当社がさまざまな企業サイトのリニューアルをお手伝いするなかで、「過去にカタログや企業紹介冊子に使った写真のサイズが小さい」「テイストが古い」「世界観がバラバラ」などの障壁に直面。同時に、ストックフォトから購入した素材だとオリジナリティに欠け、企業本来の強みや魅力を伝えきれない、という葛藤を抱え続けていました。
日本のモノづくりを支える製造業のチカラを世界へ発信する橋渡しをしたいと、いくつものプロジェクトを推進してきた佐賀と、クライアントの強みを最大限に引き出すデザインを追求し続ける山崎。二人で導き出した答えが、さまざまな媒体での活用を見据え、ストックフォトを自社内で一から撮り下ろし、構築していく取り組みです。

セミナー風景1

広告・宣伝担当者やWeb担当者をとらえる一連の悩みとその要因、どういった難題に遭遇するのか、なぜビジュアルにこだわるべきなのか、これからのBtoBビジュアル活用には何が必要なのか。熱心に語る佐賀は、プロジェクトの最前線でお客様のリードをとる立場らしく、説得力のある談話で参加者をどんどん引きつけていきます。

会場の関心が高みに達したところで、デザイナー兼フォトグラファーの山崎が、興味深いプレゼンテーションを展開。百聞は一見に如かず、撮影を手掛けたビジュアル素材のビフォーアフターを比較紹介しました。製品写真の背景色や撮影する角度が調和を欠いている写真[ビフォー]と一貫したルールのもとに撮影された写真[アフター]、ただ撮り下ろしの写真[ビフォー]とブランドコンセプトを体現するレタッチ工程を経た写真[アフター]。実例を示しながら、具体的に何がどれほど変わるのかを視覚的にわかりやすく伝えました。

会場内の至るところで資料をめくる音が響き、ビフォーとアフターの明らかな差に、参加者の驚きが満ちてきました。しっかりしたコンセプトに沿って撮り下ろした写真からは、高度な製造技術と製品の細部に至る開発者のこだわりが直観的に理解できます。ビジュアル素材の世界観を統一する重要性とインパクトを会場が一体となって体感した瞬間でした。

ここで第一部終了。ありがたいことに、関係者からもお褒めの言葉を多数いただきました。後方で見守っていた当社代表の気賀も嬉しそうでした。

共感の声、続々 ! グローバル企業のブランド発信事情

本セミナーでは、制作側であるイントリックス、そして社内ストックフォトの構築実績をもつお客様担当者、双方の視点による発表を併せて聞けることも、大きなメリットの一つでした。
第二部では、ダイキン工業株式会社の土井様より、グループ全体でダイキンブランドを体現するために行っている取り組みを紹介していただきました。

ダイキン工業株式会社 広告宣伝グループ 土井 智保子様

世界150カ国で事業を展開するダイキングループ。海外事業を大幅に拡大させた当時、各拠点のWebサイトは、ダイキンとして伝えるべきブランドメッセージが国によってバラつき、ダイキンならではの魅力を十分にアピールできていない状態にあったと、土井様は振り返ります。
統一されたトーン&マナーで、各国が同様のメッセージやイメージを発信できるように作成したブランドコンテンツ集、各種ガイドラインや自社ストックフォトの施策に至るまで、苦労した点や社内の声を交え、具体的にお話しいただきました。

特に印象深かったのは、大企業での複雑な素材管理、実際の撮影における関係者の巻き込み方についてです。
ストックフォトを購入すると、使用期限や用途の制限に気を付けなければなりません。また、自社で撮影した写真を使用しても、写っている社員が退職してしまい、差し替えなどの対応を迫られる場合も…… 加えて権利問題があったり、素材そのものの管理が難しかったりと、課題との追いかけっこが果てしなく続く様子を聞いていると、目が回りそうな煩雑さ。
さらに、工場での撮影が決まった際には、何度も現場まで足を運び、現場スタッフの協力を得る努力を重ねたそうで、コミュニケーションの大切さを大いに考えさせられました。「ビジュアル素材は“会社の資産”である」と語る土井様が宣伝・広告に注ぐ真の熱意――会場で傾聴する参加者や私たちイントリックスのスタッフが感じいったことは、言うまでもありません。
極め付きは、国境を越えた海外の関係者とのコミュニケーション。宣伝グループとしての考えを伝えるには、もうひと工夫もふた工夫も必要になります。

お話を伺うなかで、ひときわ納得したことがあります。土井様をはじめ宣伝グループが撮影したいと意図するイメージと現場で働く従業員が想像するイメージには、差があるという事実です。前者は、ブランドを体現するための素材。後者は、工場を紹介するための素材。自社ストックフォトづくりの主目的は前者であれど、「現場の方にもメリットを感じてもらえるような撮影の段取りが重要」とのお話は、体験に基づいていて、とてもリアルでした。
セミナーでは、そのような差を縮めるために当社が作成している“撮影依頼書”も紹介。そこには、工場のどこでどれだけの撮影を行うのか、モデルとなっていただく社員の人数、撮影手段、想定カットのイメージのほか、「撮影当日の服装は、作業服の下には季節感が出ないものを着用してください」など、細かい注意点までまとめてありました。ここまでやるの!? と、綿密な資料に正直驚きを覚えましたが、「これがあったからスムーズな撮影を実現できた」と伺い、撮影ではいかに事前準備が重要なのか、参加者とともに実感しました。

セミナー終盤に差し掛かり、うんうんと頷いて理解と賛同を示す参加者の姿が目立ちました。最後に、ダイキンとイントリックスがプロジェクトで手掛けたビジュアル素材をまとめた動画を披露すると、会場からは大きな拍手が! 本社および世界各国のダイキンの支社で、Webサイトはもちろん、さまざまな広告やデジタルサイネージ、工場紹介動画から営業担当用の資料に至るまで、反響を呼び起こしながら広く使われているとのことで、「自分が関わった写真や動画がこれだけ世界を駆け巡ったら、感動必至だろうな……」と、自ら撮影プロジェクトに参加したい気持ちが膨らみました。

ビジュアル素材の活用はBtoB企業が抱える共通課題

質疑応答の時間には、Webや広告宣伝の担当者をはじめ、多くの方から質問をいただきました。

海外の撮影に赴いた経験がある方から、写真・動画素材撮影に関する技術的な内容の質問を受け、丁寧に答える山崎の姿にフォトグラファーとしてのプロ意識を感じました。「自社ストックフォトを構築することは、各国・各事業部が使える武器を作っているイメージ」と例えた佐賀の言葉には重みがあり、参加者の納得の表情と共感が会場をつつみました。
そのほかには、撮影の準備にかかった期間や費用対効果、各国・各事業部側に与えた影響や費用の分担、社内でどのように協力体制を構築していくのか、といった実践的な内容まで、多岐にわたる質問が挙がりました。

セミナー終了後も、登壇者の前には質問をしようとする熱心な参加者がズラリと列をなし、関心の高さがうかがえました。同時に、訴求力のあるビジュアル素材の撮影や権利問題、部門を横断した管理体制は、やはりBtoB企業が抱える共通の悩みなのだと痛感しました。『INTRIX CREATIVE PHOTO SERVICE(イントリックス・クリエイティブフォトサービス)』は、そのような課題の解決を目指し、自社の魅力を発信しようとする企業に寄り添うサービスです。
参加者から「コンセプト策定の重要性がわかった」「早速社内に戻って、各部署に散在してしまっている素材を管理したい」など、寄せられた前向きな感想の多さに、ビジュアル素材の訴求力を高めていく必要性が伝わったのだと嬉しく思いました。

本セミナーが、参加された皆様のビジュアル素材活用のヒントになれば、幸いです。

好評につき、2月15日(金)に自社セミナー「BtoBの写真・動画づくりに必要な視点 ~BtoBこそ、最高の写真が必要だ~ 」を開催いたします。詳細は以下 のページをご覧ください。

BtoBの写真・動画づくりに必要な視点 ~BtoBこそ、最高の写真が必要だ~