新卒の僕が、自社サイトリニューアルの調査・戦略立案をやってみた
「リニューアルの件、手伝ってみる?」先輩社員から声を掛けられ、「はい!」と即答したものの、正直にいうと何も考えていませんでした。高校時代に所属していた野球部は、“軍隊のような”タテ社会で、先輩に何か言われたら間髪入れず「はい」。条件反射のなごりで、勢いよく受けた調査・戦略立案ミッションに、新卒で知識も経験もない僕は悪戦苦闘しましたが、とても勉強になりました。
そもそも調査・戦略立案とは?
Web制作は、「調査・戦略」「設計・デザイン・開発」「運用・改善」といったフェーズをたどって進行します。僕が携わったのは、なかでも上流工程の調査・戦略フェーズ。イントリックスでは、徹底して企業のビジネスを理解したうえで、デジタルマーケティングを策定するのが特長です。Webサイトをどのように活用したら、企業課題の解決につながるのか。そこを戦略的に考えます。例えば、Webサイトで情報を届けたいターゲットを明確にし、訴求対象への発信が的確にできているのかを調査して、効果的に訴求するための最適な手法を導き出す――などなど、精査することがたくさんあるのです(※戦略の詳細までは、企業秘密)。
調査で自社サイトの良いところ・悪いところを丸裸に!
ユーザビリティ診断で、サイトの使い勝手を数値化
まずは、Webサイトの現状を把握するひとつの調査・分析方法として、ユーザビリティ診断に取り掛かりました。100を超える項目からなるチェックシートを使って、Webサイトの使いやすさを点数化。マルチデバイス対応しているか、色のコントラストは適切か、サイトのどこからでもトップページに戻れるかetc.、多角的な視点で見極めていきます。
その際に気を付けたいのは、ちゃんと“客観視”することです。自分たちのサイトをつい甘くとらえないよう、冷徹さが肝心。経験豊富でWebリテラシーの高い先輩、当時入社1カ月目の僕たち新卒3名、異なる視点で診断しました。サイトのユーザーには、Webに詳しい人とそうでない人がいますから、Web知識が乏しい新卒の意見も実は重要です。
「ここはどうやるんですか」「このやり方で合っています?」初めての作業に、かなり戸惑いました。途中で先輩に質問しつつ、手探りで進行。診断を終えたら、出てきた数値をグラフ化して、サマリーを作成します。グラフで可視化すると、Webサイトのどこに問題があるのか、パッと見て分かるように。単なる数字の羅列でなくグラフィカルに表すだけで、見やすさも説得力も格段に増しました。グラフって便利ですね~!
ズバリ、うちのWebサイトって? 社員にヒアリング調査
次に行ったのは、ヒアリング調査です。「うちのサイト、どう思っています?」と先輩社員たちに直球質問。経営層、各部門リーダー、マーケティング・採用・広報の各担当にそれぞれ2時間、自社サイトに感じている課題やリニューアルで実施すべき点など、思いのたけを語ってもらいました。結果、「イントリックスがターゲットとする顧客に対して、十分な訴求ができていないのではないか」「会社全体の今後5年間の経営戦略に基づいたWebサイトにする必要がある」など、さまざまな声が。調査前に「こんな意見があるだろうな」と予想していたものには、思わず二ヤリ。大半は「そんな視点で考察するのか」と感心しきりで、僕の考え方は浅いのだと思い知りました。
ヒアリングは先輩がファシリテートし、僕は議事録の担当。とめどなく溢れ出る皆の意見をカタカタカタカタ、ひたすら記録しまくりました。知識不足ゆえ、「今の発言、意味は何?」時には頭をひねり、不慣れな議事録をなんとかまとめ切りました。後で読み返したとき、誰でも内容を理解できる記述にするのは、想像をはるかに超える難しさ。まだまだ特訓が必要です。
ライバル企業のWebサイトはどうなっている? 他社事例調査・分析も実施
社内ヒアリングの後、「もしかして、また調査・分析なのか!?」と驚くかもしれません――そう、またしても調査・分析です。ただし、自社サイトが対象ではなく、競合やターゲットを想定した他社サイトの調査に当たります。他社が実施しているアプローチの中で、今回のリニューアルの参考になり得る手法をリサーチ。「これだ!」という試みが見つかるまで、ありとあらゆるBtoB企業のWebサイトをくまなく調査します(思いのほか骨の折れる作業)。
他社サイトの実施内容を知ることは、戦略立案時の大きな参考材料になります。それに、口頭や文章で説明するより事例を示す方が、共有相手にもイメージは断然伝わりやすいもの。だからこそ、手を抜けないパートです。調査中、ホワイトペーパーやデジタルに関するブログ記事など、参考になる情報をたくさん見つけました。「イントリックスも『ゆる広』(本ブログ)でバラエティに富んだ記事を出しているように、もっとできることがあるのでは?」「うちのこういった部分は、他社に引けを取らないのではないか?」など、自社サイトの良いところ・補強したいところが、浮かび上がってきました。
今のままではだめだ! Webサイトの“あるべき姿”を考える戦略立案
いよいよ調査・分析結果を総合的に判断するときです。自社サイトの“あるべき姿”を考え、実現させるための戦略を分かりやすく資料に落とし込みます。
「ちょっとほかの案件が立て込んでいるから、中村君に任せていいかな?」と先輩に聞かれて、「はいっ」。またもや野球部時代の癖が出てしまいました…… さすがに、未経験の自分が資料をすべて一人で作成してまとめるのは難しく、全体のストーリーラインを先輩に作成してもらい、僕は各パートの資料づくりを受け持ちました。口にこそ出さなくても、プレッシャーで内心ヒーヒー息も絶え絶えでしたよ(苦笑) 途中で先輩に確認して、「情報過多になっているよ」とフィードバックをもらい、どうにか資料をまとめ上げました。
そして、メディアチームの皆で会議室にこもって仕上げ作業。「このスライド、いらないねー」なんて、必死で作成した資料をバッサバッサ思い切りよく削除して、先輩は「戦略の資料作成の工程は、いつもこんな感じだよ」とニッコリ。計5時間ほどかけて、資料の最終化が完了しました。
初めての戦略立案・調査を終えて
苦労した分だけ成長
ここまでの作業日数は、だいたい2カ月。ほかの業務の都合もあって、スケジュールに縛られるなか、時間の使い方を今まで以上に考えて行動したり、先々の予定や展開を意識した進行をしたり、いろいろ工夫を重ねました。また、調査の進め方、ヒアリング時のファシリテート、伝わる資料の作り方など、スキルアップの秘訣を数多く得られたと思います。このように試行錯誤に明け暮れた、自社サイトリニューアルの戦略立案・調査。今回の経験は、今後実際の社外プロジェクトに携わる際に、必ず生きてくると確信しています。
さて、自社サイトリニューアルの道のりは、まさかこれにて終わりではありません。まだ先には、予算取り・要件定義・コンテンツ企画・設計・制作と数々の工程が控えています。僕のメディアチームでの奮闘は、自社サイトリニューアル完了まで当分続くでしょう。引き続き、メディアチームで頑張ります!
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