CDP(カスタマーデータプラットフォーム)の基本的な機能5つ
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)には、以下のような機能が備わっています。
- 顧客データの収集
- 顧客データの一元管理
- 顧客データの統合
- 顧客データの分析・活用
- MAやBIなど他ツールとの連携
これら基本的な機能について、解説していきます。
顧客データの収集
CDPの基本機能の1つ目は、「1st party データ」の収集です。
「1st party データ」として、顧客属性や嗜好、自社サイトでのアクションログ・申し込みなどの行動データ履歴、さらには購買情報といった情報を収集します。
アンケートや店舗での購入情報といったオフライン情報も収集できるCDPもあります。オフラインを含めて幅広くデータを収集することで深い分析ができるようになり、より顧客に適したマーケティング活動が可能になるでしょう。
また、データ収集のためにCDPが連携できるものとして、スマホ用アプリ、SNS、IoTデータ、CRM、POS、といったものが挙げられます。
顧客データの一元管理
CDPの基本機能の2つ目は、オンライン・オフラインの両方から幅広く集めたデータを一元管理できる機能です。
自社サイト、ECサイト、SNS、チャット、メルマガ、実店舗、アンケートなど、あらゆる場所から顧客データを収集できるため、データの種類や量は膨大になりがちですが、一つの場所にまとめて情報を管理できます。
様々な場所から集めた情報をバラバラに管理していると、必要なときに最適なデータを取り出すことができません。集めた顧客データを社内で一元管理することで、社員それぞれが色々な目的でデータ活用しやすくなります。
顧客データの統合
CDPの基本機能の3つ目は、自社サイト、SNS、実店舗など、色々な場所からバラバラに集めた顧客データを、顧客IDに紐付けして統合できる機能です。
CDPの中には「外部データ(3rd Partyデータ)」を元にした推測データが補完されるものもあります。それぞれのデータを互いに関連付けすることで、単なる顧客情報から潜在的ニーズが分かる情報へと生まれ変わり、顧客それぞれに最適なアプローチができるようになるでしょう。
データ統合により詳細な顧客データになれば、広告や自社サイトのレコメンドに活かせるため効果的です。
顧客データの分析・活用
CDPの基本機能の4つ目は、様々な場所から集めて統合したデータを分析・活用できる機能です。
顧客から得られた属性、行動履歴、購買行動といったデータを詳細に分析することで、自社の商品やサービスに興味がありそうなターゲットを設定しやすくなります。このように正確なターゲティングが可能になることで、より効果的・効率的なマーケティング活動ができるでしょう。
また、CDPによって分析されたデータは「潜在的な顧客ニーズ」の把握にも役立つため、営業活動においても顧客一人一人に合わせたきめ細かい提案をすることができます。
MAやBIなど他ツールとの連携
CDPの基本機能の5つ目は、マーケティング活動を自動化する「MAツール」や、データ分析に特化した「BIツール」などと連携できる機能です。CDPは顧客にアプローチするアウトプット機能を有していません。
CDPとMAツールと連携すれば、それぞれが有するデータを紐付けすることができ、詳細な顧客データに基づいたより効果的なメルマガ配信が可能になります。
さらに、CDPとBIツールを連携するとデータ分析を高速化することができ、深く分析された顧客データを活用した「事業計画」や「経営戦略」の立案などができるでしょう。
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)導入で得られるメリット5選
CDPを導入することで、企業は色々なメリットを得ることができます。主なメリットは以下の5つです。
- 顧客行動の掘り下げ
- 顧客に合わせた施策
- データ分析・施策の高速化
- 部署間での情報共有
- 作業工数の削減
これらCDPのメリットについて解説していきます。
顧客行動の掘り下げ
1つ目は、様々な場所から収集して統合した顧客データを深掘りすることで、顧客行動をより掘り下げて理解することができる点です。深い分析により、顧客一人一人のニーズを正確に把握することが可能です。
CDPを導入して収集した顧客のデータ量が増えれば増えるほど、顧客行動やニーズをより深く理解できるようになります。
現代のビジネスでは「いかに繰り返し購入してもらうか」というLTV(顧客生涯価値)を念頭に置いたマーケティングが必須となっており、CDPを導入することでLTVを高めることもできるでしょう。
顧客に合わせた施策
CDPのメリット2つ目は、顧客行動をより深く理解できることによって「顧客それぞれに合わせたマーケティング」が可能になることです。
CDPを導入することで、バラバラだった顧客データを一元管理でき、さらにデータを統合・分析できるため、顧客一人一人に最適な提案をすることができます。
リアルタイム処理機能を搭載しているCDPであれば、より購買意欲が高まっているタイミングでアプローチできるでしょう。
CDPで収集・分析したデータはかなり精度が高いため、より効果的な「One to Oneマーケティング」が可能になります。
データ分析・施策の高速化
CDPのメリット3つ目は、顧客データを統合して一元管理することで「データ分析」や「マーケティング施策」をスピーディに実施できることです。
複数の場所やシステムでデータ管理をしていると、現状の課題を見つけ難くなり、問題点の改善スピードも遅くなります。
しかしCDPを導入すれば、顧客データの収集から分析までを自動化できるため、より高度でスピーディにPDCAサイクルを回すことができるでしょう。
また、これまでよりも素早くPDCAサイクルを回せることによって、新しいマーケティング施策を次々と生み出せるようになります。
部署間での情報共有
CDPのメリット4つ目は、収集して統合した顧客データを「社内で共有できる」ことです。
企業間の取引において顧客と関わる際、1部署や1社員だけに限らず、複数の部署や社員が関わることがほとんどです。そのため、様々なところから得た顧客データを共有することで、より効果的に顧客と関わることが可能になります。
また、それぞれの部署で共有データを活用することで、業務改善、企画立案といったことも活発になるでしょう。
社内全体がリアルタイムで最新の顧客データを得られるため、部署間の連携不足(サイロ化)を防ぐこともでき、シームレスな部署間連携にも繋がります。
作業工数の削減
CDPのメリット5つ目は、顧客データの収集や管理に必要な「作業工数」を削減できることです。
自社サイトのデータ、MAツールのデータ、ECサイトのデータ、オフラインで得たデータなど、複数から集めた顧客データを一元管理するとき、CDPがあるかどうかで作業工数に大きな差が生まれます。
CDPを導入していなければ、データをダウンロードしてExcelで統合・紐付けといった作業が必要になり、大幅に時間をとられるためです。CDPを導入していれば、これらの工程を自動化できるため、作業効率は大幅に改善するといえます。
同様に、データ分析をしたり、新たな施策を打ち出したいときも、CDPがあれば作業工数を減らすことができます。