- ブレッドクラム
-
- HOME
- BtoBマーケティングコラム
- CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは?DMPとの違いやベネフィットなどを解説
BtoBマーケティングコラム CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは?DMPとの違いやベネフィットなどを解説
2023年2月22日
Index
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)とは「Customer Data Platform」の略語で、ユーザー個々のデータを収集して管理・分析し、さらに活用までできるプラットフォームです。
CDPでは顧客情報や購買履歴だけでなく自社サイト上での行動データも収集することができるため、現代のマーケティングに必要不可欠なツールとも言えるでしょう。
CDPは複数のシステムとも連携できるため、社内でバラバラになっているデータを一元管理することが可能です。様々なデータを集めて分析することで、ユーザーに最適な体験を提供できます。
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)が重要とされる背景
近年、ユーザーの購買行動はより複雑化してきており、それぞれの顧客に合わせたマーケティング活動が必要です。これを実現するために膨大なデータを収集・管理して、さらにデータを分析・活用できるCDPが重要視されています。
顧客に寄り添ったマーケティング活動が重要視されている
顧客ニーズが多様化してきた現在では、従来のマスマーケティングよりも顧客一人一人に寄り添った「One to Oneマーケティング」が求められています。テレビや新聞、広告といった大衆をターゲットにしたマーケティング活動は、その効果が薄れてきているためです。
それぞれの顧客に寄り添ったマーケティングをするには、できるだけ詳細な顧客データを収集して分析し、それを活用する必要があります。
CDPを導入することで、顧客ごとに最適なマーケティングを実施することができ、今までよりも効果的に「購買意欲」を高めることができるでしょう。
顧客購買行動が変化している
顧客ニーズだけではなく「顧客の購買行動」も多様化してきており、購買行動にも焦点を当てたマーケティングをする必要性も出てきました。
昔であれば、店舗で商品を買うことが主な購買行動でしたが、現在ではインターネットでの購入、キャッシュレス決済、SaaS(Software as a Service)、シェアリングサービスなど、購買行動も複雑化してきています。
また、インターネットの普及によって顧客と対面する機会も減ったため、多様化した顧客の購買行動に対応した訴求をするためには、CDPによるデータの収集と分析は欠かせません。
プライベートDMP・パブリックDMPとの違い
CDPと同じくユーザーデータを収集・分析するものに「DMP(データマネジメントプラットフォーム)」があります。しかし、CDPとDMPを混同して理解されているケースも多いので、ここからはDMPについて解説していきます。
プライベートDMPとの違い
「プライベートDMP」はユーザーの購買行動、属性、行動履歴といったデータを「自社」で収集・管理・分析できるプラットフォームです。自社で1st Partyデータを収集して管理できるため、CDPとほぼ同じ意味で使われています。
なぜ、自社で1st Partyデータを収集することが有効だといえるのでしょうか。これには、3rd Partyデータ収集の段階的廃止が関係しています。
従来、Google Chromeを使って3rd Partyデータを収集することができていましたが、Googleは2024年後半より「段階的に3rd Partyを廃止していく」と発表しました。
こうした背景から、自社で1st Partyデータが収集できるプライベートDMPを導入する企業も増えてきているのです。
パブリックDMPとの違い
「パブリックDMP(オープンDMP)」とは、IPアドレス、Cookieなどを通して、自社では集められない外部データ(3rd Partyデータ)を収集できるプラットフォームです。データは個人情報ではなく匿名情報として扱われているため、個人のプライバシーを守りながら利用者が共有し合えるという特徴があります。
企業にとってはメリットが大きい3rd Partyデータですが、プライバシーの観点から廃止される方向に進んでいます。そのため、1st Partyデータが収集できる「CDP」や「プライベートDMP」がより重要視されています。
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)の基本的な機能5つ
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)には、以下のような機能が備わっています。
- 顧客データの収集
- 顧客データの一元管理
- 顧客データの統合
- 顧客データの分析・活用
- MAやBIなど他ツールとの連携
これら基本的な機能について、解説していきます。
顧客データの収集
CDPの基本機能の1つ目は、「1st party データ」の収集です。
「1st party データ」として、顧客属性や嗜好、自社サイトでのアクションログ・申し込みなどの行動データ履歴、さらには購買情報といった情報を収集します。
アンケートや店舗での購入情報といったオフライン情報も収集できるCDPもあります。オフラインを含めて幅広くデータを収集することで深い分析ができるようになり、より顧客に適したマーケティング活動が可能になるでしょう。
また、データ収集のためにCDPが連携できるものとして、スマホ用アプリ、SNS、IoTデータ、CRM、POS、といったものが挙げられます。
顧客データの一元管理
CDPの基本機能の2つ目は、オンライン・オフラインの両方から幅広く集めたデータを一元管理できる機能です。
自社サイト、ECサイト、SNS、チャット、メルマガ、実店舗、アンケートなど、あらゆる場所から顧客データを収集できるため、データの種類や量は膨大になりがちですが、一つの場所にまとめて情報を管理できます。
様々な場所から集めた情報をバラバラに管理していると、必要なときに最適なデータを取り出すことができません。集めた顧客データを社内で一元管理することで、社員それぞれが色々な目的でデータ活用しやすくなります。
顧客データの統合
CDPの基本機能の3つ目は、自社サイト、SNS、実店舗など、色々な場所からバラバラに集めた顧客データを、顧客IDに紐付けして統合できる機能です。
CDPの中には「外部データ(3rd Partyデータ)」を元にした推測データが補完されるものもあります。それぞれのデータを互いに関連付けすることで、単なる顧客情報から潜在的ニーズが分かる情報へと生まれ変わり、顧客それぞれに最適なアプローチができるようになるでしょう。
データ統合により詳細な顧客データになれば、広告や自社サイトのレコメンドに活かせるため効果的です。
顧客データの分析・活用
CDPの基本機能の4つ目は、様々な場所から集めて統合したデータを分析・活用できる機能です。
顧客から得られた属性、行動履歴、購買行動といったデータを詳細に分析することで、自社の商品やサービスに興味がありそうなターゲットを設定しやすくなります。このように正確なターゲティングが可能になることで、より効果的・効率的なマーケティング活動ができるでしょう。
また、CDPによって分析されたデータは「潜在的な顧客ニーズ」の把握にも役立つため、営業活動においても顧客一人一人に合わせたきめ細かい提案をすることができます。
MAやBIなど他ツールとの連携
CDPの基本機能の5つ目は、マーケティング活動を自動化する「MAツール」や、データ分析に特化した「BIツール」などと連携できる機能です。CDPは顧客にアプローチするアウトプット機能を有していません。
CDPとMAツールと連携すれば、それぞれが有するデータを紐付けすることができ、詳細な顧客データに基づいたより効果的なメルマガ配信が可能になります。
さらに、CDPとBIツールを連携するとデータ分析を高速化することができ、深く分析された顧客データを活用した「事業計画」や「経営戦略」の立案などができるでしょう。
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)導入で得られるメリット5選
CDPを導入することで、企業は色々なメリットを得ることができます。主なメリットは以下の5つです。
- 顧客行動の掘り下げ
- 顧客に合わせた施策
- データ分析・施策の高速化
- 部署間での情報共有
- 作業工数の削減
これらCDPのメリットについて解説していきます。
顧客行動の掘り下げ
1つ目は、様々な場所から収集して統合した顧客データを深掘りすることで、顧客行動をより掘り下げて理解することができる点です。深い分析により、顧客一人一人のニーズを正確に把握することが可能です。
CDPを導入して収集した顧客のデータ量が増えれば増えるほど、顧客行動やニーズをより深く理解できるようになります。
現代のビジネスでは「いかに繰り返し購入してもらうか」というLTV(顧客生涯価値)を念頭に置いたマーケティングが必須となっており、CDPを導入することでLTVを高めることもできるでしょう。
顧客に合わせた施策
CDPのメリット2つ目は、顧客行動をより深く理解できることによって「顧客それぞれに合わせたマーケティング」が可能になることです。
CDPを導入することで、バラバラだった顧客データを一元管理でき、さらにデータを統合・分析できるため、顧客一人一人に最適な提案をすることができます。
リアルタイム処理機能を搭載しているCDPであれば、より購買意欲が高まっているタイミングでアプローチできるでしょう。
CDPで収集・分析したデータはかなり精度が高いため、より効果的な「One to Oneマーケティング」が可能になります。
データ分析・施策の高速化
CDPのメリット3つ目は、顧客データを統合して一元管理することで「データ分析」や「マーケティング施策」をスピーディに実施できることです。
複数の場所やシステムでデータ管理をしていると、現状の課題を見つけ難くなり、問題点の改善スピードも遅くなります。
しかしCDPを導入すれば、顧客データの収集から分析までを自動化できるため、より高度でスピーディにPDCAサイクルを回すことができるでしょう。
また、これまでよりも素早くPDCAサイクルを回せることによって、新しいマーケティング施策を次々と生み出せるようになります。
部署間での情報共有
CDPのメリット4つ目は、収集して統合した顧客データを「社内で共有できる」ことです。
企業間の取引において顧客と関わる際、1部署や1社員だけに限らず、複数の部署や社員が関わることがほとんどです。そのため、様々なところから得た顧客データを共有することで、より効果的に顧客と関わることが可能になります。
また、それぞれの部署で共有データを活用することで、業務改善、企画立案といったことも活発になるでしょう。
社内全体がリアルタイムで最新の顧客データを得られるため、部署間の連携不足(サイロ化)を防ぐこともでき、シームレスな部署間連携にも繋がります。
作業工数の削減
CDPのメリット5つ目は、顧客データの収集や管理に必要な「作業工数」を削減できることです。
自社サイトのデータ、MAツールのデータ、ECサイトのデータ、オフラインで得たデータなど、複数から集めた顧客データを一元管理するとき、CDPがあるかどうかで作業工数に大きな差が生まれます。
CDPを導入していなければ、データをダウンロードしてExcelで統合・紐付けといった作業が必要になり、大幅に時間をとられるためです。CDPを導入していれば、これらの工程を自動化できるため、作業効率は大幅に改善するといえます。
同様に、データ分析をしたり、新たな施策を打ち出したいときも、CDPがあれば作業工数を減らすことができます。
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)の選び方4つ
CDPを導入するにあたり「自社にとって必要な機能」が備わっているCDPを選ぶことが大切です。最低でも、既存ツールとの連携機能、サポート体制、費用対効果、業種に応じた分析、といったことは事前に調べておきましょう。
既存ツールと連携が可能か
CDPで顧客データを収集するために、自社の顧客データに関わる既存システムと連携できるかを調べてください。さらに、統合・分析した顧客データをマーケティング活動に使うため、CRM、MAツール、LPOツールなど、自社で利用しているマーケティングツールと連携できるかも重要です。
また、自社で独自開発したシステムとの連携、提供されていないツールやシステムとの連携、といったことを実現するには開発コストが必要になるケースもあります。あらかじめ、自社に必要な既存ツールやシステムと連携可能かどうか、しっかりと確認しておきましょう。
サポート体制があるか
CDPは便利なツールである一方、使いこなすまでには少々時間がかかるという側面もあります。CDP導入後、上手く操作ができなかったり、トラブルが発生したりといったケースも少なくありません。
こういった問題に対処するために「サポート体制」はとても重要なポイントです。
また、自社で実現したいことに対してCDPをどう運用していくか、既存システムやツールと連携できない場合はどうするかなど、こういった面でもサポートが必要になる場面は多くあります。運用面でのサポートがどれだけあるのかも、導入前に確認しておきましょう。
費用対効果は得られるか
CDPはとても便利なツールですが、高機能なものだと費用もかなり高額です。CDP導入や運用にかかる費用は、月数十万円から数百万と大きな幅があります。
自社が必要としていない機能が多くあるようなCDPを導入してしまうと、コストの無駄使いになってしまいます。今必要としている機能、将来的に必要となる機能を、しっかりと検討しておきましょう。
また、CDPを導入しても即効果が出ることはほとんどないため、年単位での費用対効果を調べておく必要があります。短期的な目標だけでなく、長期的な戦略も立てておくことがポイントです。
業種に合わせた分析は可能か
CDPで集めたデータは統合するだけでなく、自社事業に合わせた「分析」をすることが重要です。また以下のように、各部門によって必要とする分析内容も異なります。
- マーケティング:各顧客のニーズや社会のトレンドに沿うための分析
- 経営:決算時期や閑散期へ対応するための分析
- 製造:生産量調整のタイミングを見極めるための分析
CDPによっては様々な分析方法を導入しているものもあります。CDP導入前に、自社の業種にはどのような分析方法が適しているのか、自社の各部門ではどういった分析データを必要としているのか、なども決めておきましょう。
まとめ
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)は、自社サイト内での行動履歴、購買行動、顧客情報といったデータを収集して一元管理し、データ分析まで可能なツールです。CDPを導入することで顧客行動をより深く理解し、顧客一人一人に適したマーケティングを実現できるでしょう。
さらに部署間で情報共有ができ、データ処理の作業工数も減らせるため、よりスピーディに分析や施策を進められます。
イントリックスでは、ビジネス視点から多様なデータを分析することで、顧客とのOne to Oneコミュニケーションを実現します。統計から導かれる傾向はもちろん、顧客個人の行動までを含めた包括的な視点により、潜在的な課題の抽出とそれらに伴う仮説と施策を立案し、マーケティング活動や営業活動での成果につなげます。
デジタルマーケティングをご検討の際には、ぜひ一度イントリックスへお問い合わせください。
BtoB企業のデジタルコミュニケーションを総合的に支援しています
BtoB企業に特化したサービスを提供してきたイントリックスには多くの実績とノウハウがございます。現状のデジタル活用の課題に対し、俯瞰した視点でのご提案が可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
お問い合わせデジタル活用 無料オンライン相談会
BtoB企業のデジタル活用を支援してきた各分野の経験豊富なコンサルタントが、マクロな調査・戦略立案からミクロなデジタルマーケティング施策まで、デジタル活用の悩みにお応えします。
無料オンライン相談会概要・お申し込み
NewsPicks掲載「BtoBをアプデする」
イントリックス代表 氣賀 崇の公式note
noteでは、BtoBのデジタルコミュニケーションの面白さや意義、可能性などについて語っています