BtoBマーケティングコラム BtoBマーケティングにおけるコンバージョンとは

2024年6月25日

コンバージョンの意味とは

Webマーケティングの最重要指標に「コンバージョン(conversion)」があります。元々「変換」という意味を持つコンバージョンですが、Webマーケティングでは「最終的な目的」「Webサイトで得られる(得たい)効果」を指しています。サイトにより設定するコンバージョンはさまざまですが、コンバージョンに至るまでの行動やサイトの回遊を理解し細かく設定・分析・改善を重ねていくことでコンバージョンの改善に繋げることができます。

Webマーケティングでコンバージョンの意味とは

Webでさまざまな施策を行う際に必ず出てくるのが「コンバージョンconversion」という単語です。Web担当ではなくとも聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。コンバージョンはWebマーケティングでは最重要の指標で、これを達成するためにあらゆるWeb施策があると言っても過言ではありません。コンバージョンはCVと略されることもありますが、一体何を指しているのでしょうか。

コンバージョンとは元々は英語では「変換」「転換」という意味ですが、Webマーケティングでは『Webサイトで得られる成果』を表します。成果を何に設定するかはそれぞれのサイトの目的によって異なります。サイトに訪問したユーザーが取る最終的なリアルな行動がコンバージョンとなりますが、サイトによって資料請求・会員登録・購入・申し込みなどが考えられます。Webマーケティングはこのコンバージョンを達成するためにさまざまな施策を行います。

コンバージョンを設定する意義と目的

Webサイトを新規で作ったりリニューアルする際、多くの場合はわざわざサイトを作り直す目的があります。その目的は、例えば「会員を増やしたい」「購入者数を増やしたい」「売り上げを上げたい」などさまざまです。その目的こそがコンバージョンなのですが、サイトを作るとき、リニューアルするとき、あるいは広告用のLPを作る際など必ず最初にコンバージョンを明確に設定しておく必要があります。

コンバージョンを最初にしっかりと設定することによって、サイトの導線や見せ方、ボタンの配置やデザインなども決まってきます。また共通のゴールを認識することで、社内の理解や協力も得られやすくなるでしょう。そして一番重要なことは、コンバージョンは数値で測ることができるため、後からサイトの効果検証ができること。期待通りの効果が得られなかった場合、見せ方やアピール方法を変更するなどして、コンバージョンの向上に努めてより良いサイトに改善していく必要があります。

コンバージョン率について

コンバージョンは「CV」と呼ばれることも多いですが、似た用語で「CVR」というものもあります。これもWebマーケティングでは非常に重要なキーワードで、例えば広告文の差し替えや色々なLPを試すのも「CVR向上」のために行います。「CV」と「CVR」の違いは何でしょうか?

上で述べた通りCVはconversionの略で、CVRはConversion Rateの略であり日本語で言うと「コンバージョン率」です。コンバージョンが申し込みの数・購入の数などであるのに対して、コンバージョン率は「申し込みページに来た・アクセスしたうち何人が実際に購入したか」という割合を表します。

例えばコンバージョン数が「10」と同じであっても、100人が訪問して10だった場合と1,000人が訪問して10だった場合は10倍もCVRが変わってきます。CVRが低いということは広告であれば無駄なお金をたくさん使っていることになるので、Webの改善を行う際にはCVRを上げていくことが重要になります。

コンバージョンの種類

「コンバージョンを上げていく」ということは全ての広告の目的でもあり、自社サイトでも大きな運営目的の一つです。最終的な行動であるコンバージョンを上げるためには、「直接コンバージョン」「間接コンバージョン」「クリックスルーコンバージョン」「ビュースルーコンバージョン」といった、手前の数値から計測し分析していくことが重要です。それにより改善すべき点や力を入れる箇所などが見えてきて、最終的なコンバージョンの改善へとつながります。

直接コンバージョンと間接コンバージョン

コンバージョンを設定することでサイトの分析や効果検証ができるのがメリットだとお伝えしましたが、しっかりと効果を測るには2つのコンバージョンを意識することが重要です。それは「直接コンバージョン」と「間接コンバージョン」の違いです。早速この2つの違いを見ていきましょう。

直接コンバージョンとは、リスティングでキーワード広告を出した際に、その広告経由でサイトを訪れたユーザーが、途中で離脱することなくそのままコンバージョンしたことを指します。ダイレクトに成果に結びついているので、とても重要な指標となります。間接コンバージョンは、広告経由でサイトにアクセスしたものの、一度サイトを離脱し、何らかの理由でその後に再び訪問してコンバージョンに至ることです。間接コンバージョンも、広告効果でコンバージョンに至ったと考えられますが、なぜ一度離脱したのか、なぜ再度戻ってきて購入に至ったのか、など分析をすることでサイトの質の向上が見込めます。

クリックスルーコンバージョン

実際に広告の効果を測る際、「どれくらいコンバージョンをしたのか」「どのようにコンバージョンしたのか」を知ることはその後の分析や効果検証のためにも重要です。その指標の一つが、「クリックスルーコンバージョン(click through conversion)」です。クリックスルーコンバージョンとは、広告から飛んできてダイレクトに購入や問い合わせ・会員登録などのコンバージョンをしたものを指します。これは、広告を見たタイミングでコンバージョンをしなくても、広告から離脱してから30日以内のコンバージョンも含みます。

コンバージョンの計測方法は、コンバージョンタグを設置したページのUU(ユニークユーザー)数をカウントします。「広告を見てすぐに行動したor一定の時間を置いて行動した」と広告効果がダイレクトにあらわれているため、クリックスルーコンバージョンが多いページは『広告の効果がとても高いページ』と評価されます。

ビュースルーコンバージョン

次に、クリックスルーコンバージョンと似た表現の「ビュースルーコンバージョン(view through conversion)」について説明します。クリックスルーコンバージョンが「広告をクリックして実際にコンバージョンに至った数値」であるのに対して、ビュースルーコンバージョンは、広告を目にしたのにクリックはせず、その後に他のサイトを見たり、自分で検索してWebサイトを訪れてコンバージョンに至ったことを指します。

その場で広告をクリックしなくても、バナーやキャッチを見て印象に残り、後から検索するなどその後の行動に影響を与えることもあるでしょう。これも十分な広告の間接的な効果であると考えられます。ビュースルーコンバージョンの定義は広告プラットフォームごとに決められていますが、ビュースルーコンバージョン数を確認することで、間接的な広告効果を把握しその後の改修やCVの改善に向けての施策などの手がかりにもなります。

マイクロコンバージョン

コンバージョンを詳しく計測し分析するために、「マイクロコンバージョン」を設定する場合もあります。マイクロコンバージョンとは、コンバージョンに至るまでの各段階に設定する中間地点・手前の行動の測定のことで、中間コンバージョンと言われることもあります。

たとえば、ECサイトであれば商品ページの「カートに追加ボタンのクリック」や手前の会員登録、会員登録の手間の情報入力ボタンや商品に関する問い合わせなどがマイクロコンバージョンになります。

通常コンバージョンのみを分析対象とすると「買ったか買わないか」「申し込んだか申し込んでないか」だけが指標となりますが、大変高価な物を販売している場合など、コンバージョンのハードルが非常に高く、1ヶ月に数件しか購入がなかったり分析さえもできないことが多くあります。その際に、一つ手前のマイクロコンバージョンを設定することによって、サイト訪問者の動向やデータの取得が可能になります。

目的により異なるコンバージョン設定

一言で「コンバージョン」と言ってもECサイトとBtoBサイト、会社のコーポレートサイトなどによりコンバージョンは変わってきます。サイトによってはコーポレートサイトのように具体的なコンバージョンを設定しない場合もあり、サイト運営も目的はさまざまです。設定するコンバージョンによって「どうやってコンバージョン率を高めていくか」の方法も変わってくるので、具体的に解説をします。

目的によりさまざまな種類がある「コンバージョン」

コンバージョンは、そのサイトや広告が最終的に求めている利益や成果の指標で、サイト運営者が会社の方針や目的にのっとって決定するものです。そのため、サイト運営者の目的やページごとなどで、コンバージョンの内容はさまざまです。

たとえば同じECサイトであっても購入そのものをコンバージョンとしているところもあれば、その手前の会員登録、あるいはメルマガ登録をコンバージョンと設定しているところもあるでしょう。このようにサイト運営者が設定するコンバージョンはさまざまですが、一般的なコンバージョンとしては「資料請求」「会員登録」「ホワイトペーパー」「購入」「問い合わせ」「参加申し込み」「メルマガ登録」が挙げられます。

1.資料請求

BtoBサイトのコンバージョンとしてよく見られるものに、資料請求があります。資料請求では情報をダウンロードするために登録した情報をもとに、営業マンがアプローチすることが一般的です。入力項目が多ければ多いほど営業マンはアプローチしやすくなりますが、項目が多いと離脱の確率が上がってきます。そのため、入力項目をどうしても必要なものに絞る・ダウンロード資料の種類を増やすことで取得情報を増やすなどの施策が考えられます。

2.会員登録

ECサイトやBtoBサイトでも、会員登録を増やすというのは重要な施策の一つなのでこれをコンバージョンと設定するケースも多くあります。ECサイトの場合は商品購入やサブスク登録などのために会員登録を行います。会員登録のメリットは、その後メルマガや割引情報をお伝えするなど、定期的にコミュニケーションをとることができること。それにより一度薄れた購買意識が復活したり、BtoBであれば企業への信頼にもつながります。しかし個人情報を提供することには多くの人が抵抗を感じるため、なるべくシンプルな項目を心がけましょう。

3.ホワイトペーパーダウンロード

最近Web上で多く見られる手法として、ホワイトペーパーのダウンロードが挙げられます。ホワイトペーパーは、見込み客に対して個人情報を提供してもらう代わりに、自社商品の使用事例や業界動向などを伝えるケースが多く見られます。ここで重要なのは、見込み客にとっては個人情報を提供してまでも欲しいと思わせる情報であることです。ネットで検索してすぐに取得できるような情報であればわざわざダウンロードしないため、調査レポートや表に出さない事例、複数社のノウハウなど質が求められます。個人情報欲しさに薄い内容でダウンロードさせると会社の信用にも関わりますので、気をつけましょう。

4.購入

ECサイトの場合は、コンバージョンを「購入」に設定することが多くなっています。ECサイトの目的自体が購入なので当然なのですが、一般的なECサイトの平均コンバージョンは商材にもよるものの3%前後。高額商品はずっと下がるため、コンバージョンとしてのハードルは会員登録や資料請求などに比べて高くなっています。そのため最終的なコンバージョンを購入にしたいECサイトであっても、その手前にマイクロコンバージョンを設定して、離脱ポイントを確認し改善すると良いでしょう。

5.問い合わせ

ECサイトもBtoBサイトも、コンバージョンやマイクロコンバージョンを「問い合わせ」にするケースが多くあります。サイト訪問者の疑問をすぐに解消できると購入や申し込みにつながりやすく、会社の信頼度にも影響するため問い合わせの場所は分かりやすく設置しましょう。また見込み顧客の疑問を把握することで、適切なアプローチや提案がしやすくなるので、シンプルでなるべく分かりやすい問い合わせフォームを作成しましょう。

6.イベントやセミナーの参加申し込み

イベントやセミナーの告知の場合は、参加申し込みをコンバージョンに設定することが多いでしょう。しかし申し込み自体は最終ゴールのため、手前にマイクロコンバージョンなど他の指標を置いて、改善ポイントを探すことが最終的な申し込みの増加につながります。ページが遷移するたびに離脱が増えるため、申し込みフォームは同一ページ内に設置したり、郵便番号を入れると住所が表示されるなど入力の手間を極力省く工夫も必要です。入力項目が多いとそれだけ離脱の可能性が上がるため、必要な項目のみに留めるようにしましょう。

まとめ

この記事では「コンバージョン(conversion)」について解説しました。コンバージョンはサイトや広告、LPなどの最終目的でありサイト訪問者に起こして欲しい行動です。コンバージョンと言ってもサイトの目的により内容はさまざまで、最終的な申し込みや購入・会員登録などだけではなく、その手前のアクション(マイクロコンバージョン)もしっかり分析し改善することが最終的なCVのアップにつながります。

また、お金を払って実施する広告でのCVは「実際にクリックした」「見ただけ」などさらに細かく分析することでコンバージョン率の向上も目指せますし、会員登録やアンケート回答などをコンバージョンにする場合には、「見やすく」「入力しやすく」「入力項目を少なく」など物理的な工夫も重要となります。Webはさまざまな指標の分析が可能なので、テストや分析を繰り返しながらぜひコンバージョンの改善を目指してください。

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