DX銘柄とは?
「DX-Ready」の状態からさらに進んだ企業を選定する制度に「DX銘柄」があります。DX-Excellent、またはDX-Emergingのレベルにある企業から選ばれる仕組みになっており、DX認定を受けた企業は認定後の目標とすることが可能です。
DX銘柄とは
DX銘柄とは、東京証券取引所に上場している企業の中から、DX推進のモデルケースとして注目すべき銘柄として選出されたものです。
企業の競争力強化等を目的に2015年から行われていた「攻めのIT経営銘柄」の、選定基準を変化させたもので、経済産業省と東京証券取引所が共同で実施しています。2020年から選定基準をDX中心のものへと変更し、名称も「DX銘柄」へと変更されました。
上場企業のなかからDX推進のベンチマークとなり得る企業を選出することで、目指すべき企業の在り方を波及させることが狙いです。また経営層の方々に、デジタル技術を活用して変革を起こすことの重要性を認識してもらいたいといった目的もあるようです。
DX銘柄2023の選定プロセスによると、アンケート調査への回答やスコアリング評価、銘柄評価委員会による最終選考を経て決定される流れとなっており、DX認定を取得していることも選ばれる条件となっています。
参考:経済産業省「「DX銘柄」「攻めのIT経営銘柄」とは」
参考:経済産業省「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)」
経済産業省がDX銘柄を選定する理由
経済産業省と東京証券取引所がDX銘柄を選定する理由は、市場全体のDX推進スピードを速める、またITの利活用の重要性をより意識してもらうためです。また日本企業とアメリカ企業とのDX推進の差も危惧しています。
2025年の崖を回避するために経済産業省は企業のDX化が進むための施策を打ち出しており、「攻めのIT銘柄」を「DX銘柄」へと変更したこともそのひとつです。
上場企業のなかからDX推進のモデルケースとなり得る企業をピックアップして「DX銘柄」として評価することで、その他の企業やその経営者がDX推進を意識するようになり、結果的に市場全体のDX推進が加速することを目標としています。
DX銘柄として選定されるためにはDX認定が必要です。この施策がうまく機能すれば、DX-Readyの状態へステップアップしようとする企業が増加していく流れが生まれるでしょう。
様々なDX銘柄
DX銘柄2022でグランプリを受賞した2社をご紹介します。
中外製薬株式会社(医薬品)
新薬を創出する領域においてディスラプションが起こり、新型コロナウイルス感染症がその流れに拍車をかけたことを背景にDX推進に乗り出されました。
社内にあるアイデアを取りこぼさないフローづくりや人材育成の体系化、データの利用、移動、保管のクラウド基盤といった情報管理体制の構築から、創薬プロセスに機械学習を導入するといった開発プロセスの変革にまで取り組まれています。
日本瓦斯株式会社(小売業)
「電気・ガスの小売」から「エネルギーソリューション」へと発想を転換。脱炭素などの取り組みと地域へのエネルギー供給とを結びつけ、効率的なエネルギー利用方法の提案が環境問題の解決につながるような仕組みを目指されています。
現場レベルでのプロジェクト推進では、事業サイドの人材・エンジニア・UI/UXデザイナーとが協業。外部人材を登用する際は、プロジェクトの遂行に必要な技術を重視し「どの会社か」ではなく「どの個人と組むか」という視点でパートナーを決めているそうです。
参考:「デジタルトランスフォーメーション銘柄(DX銘柄)2022」