BtoBマーケティングコラム 業務システムとは?導入する方法や基幹システムとの違いなどを解説!

2022年12月16日

業務システムとは

業務システムとは、主に業務の効率化と正確さの担保を目的として作られたシステムのことを指します。業務に必要な情報を保管していつでも参照可能にしたり、商品の在庫や売上、従業員へ支払う給与の計算を自動化したりする機能が搭載されています。

例えば、スーパーやコンビニエンスストアなどの小売店では、日々の在庫の増減や受発注を一元管理できるシステムが活躍しています。また勤怠管理システムや給与計算システムを導入し、当たり前のように使っている会社も多いのではないでしょうか。

業務システムの主な種類

業務システムは、その会社の業態に欠かせないものや、業態にかかわらず効率化において必須といえるものまであります。ここでは、会社の規模拡大等を見据えて業務効率化を目指す方に向いたものを紹介します。

勤怠管理システム

勤怠管理システムは、出勤・退勤時間、休憩時間、残業時間といった情報を取り扱うシステムです。タイムカードのように打刻する機械から情報を取り込むもの、Webブラウザやアプリケーション上で時間をカウントするものなどがあります。

手入力する手間を削減する、誤入力を防ぐ、また残業時間の水増しなどの不正を防げるメリットがあります。比較的導入しやすいシステムのひとつで、給与明細を発行したり、また人事系など他のシステムと連携しながら使えるものもあるようです。

人事管理システム

人事管理システムは、氏名や年齢・入社した年や異動歴・給与など従業員個人に関する多くの情報を取り扱います。個人を特定できる情報も含むため、漏洩には特に注意を払う必要があります。

こちらも他のシステムと同様に、手作業で行っていた新規作成・更新・削除といった作業を効率化できるメリットがあります。勤怠や経理系のシステムと連携するなど、取り扱う情報の幅が広いことも特徴のひとつです。

Human Resource Management(HRM)と呼ばれるものもあり、人材派遣業では登録者と募集情報のマッチングにも役立ちます。

生産管理システム

生産管理システムは、製品を製造するための原材料、製造スケジュール、納期や品質など、製造業に欠かせない情報を取り扱うシステムです。原材料の調達から在庫管理までを一元管理するために、販売・在庫情報を管理するシステムと連携するケースもあるようです。

複数の工場で製造プロセスを統一して品質を一定に保ち、原材料の調達から販売までのフローを再構築するのに役立ちます。製造業は、販売管理会社・卸売業者工場など複数の取引先と連携することが多いため、他システムと連携することが多いといえるでしょう。

会計管理システム

会計管理システムは、仕訳帳や貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書などの財務諸表の作成支援から請求書の発行など会計管理全般を効率化するシステムです。

1回の入力で複数の書類に転記する仕組みもあるため、これまで紙ベースで行なっていた業務が多いほど、業務効率に大幅な改善が見込まれるシステムのひとつです。

身近なところでは経費申請のシステム化が便利な機能かもしれません。システムによっては決算処理をする前にもリアルタイムで経営状況を把握することもできるようです。

販売管理システム

販売管理システムは、製品・商品の納品や販売から請求に関する業務を効率化するシステムです。なかには在庫管理機能を担うものもあり、製造業や卸売業、また小売店でも活躍しています。

スーパーやコンビニのレジに搭載されているPOSシステムが身近な例といえるでしょう。どの商品がいつどれくらい売れたのかがリアルタイムに記録されていくものです。飲食店では、タブレットにアプリをインストールしたものを導入しているケースもあります。

営業管理システム

営業管理システムは、日報の作成、顧客情報の管理、訪問や商談のスケジュール管理などの営業活動をサポートするシステムです。Sales Force automation(SFA)と呼ばれることもあります。

個々でエクセル管理していたものを営業管理システムで一元管理する、またアポイントメントからステップメール送信、商談などの営業フローを見える化することで営業プロセスを画一化することも可能です。

顧客管理システム

顧客管理システムは、その名のとおり顧客情報を管理するシステムです。氏名・年齢・性別といった個人に関する情報のほか、問い合わせの履歴や製品の使用履歴などの情報を取り扱います。

Customer Relationship Management(CRM)と呼ばれることもあります。営業管理システムとの違いは、システムが支援する内容です。営業管理システムは、商談スケジュールの管理など営業活動を支援することに重きを置いています。

顧客管理システムは、顧客情報を整理して参照しやすい状態に整えることに重きを置いています。整理された結果、営業管理システムとの連携がしやすくなりマーケティング施策を考える切り口として活用されることもあります。

業務システムと基幹システム・ERPとの違い

業務システムに関連する用語として基幹システムやERPがあります。それぞれの特徴や業務システムとの違いを解説します。

基幹システムとの違い

基幹システムは、企業の活動に欠かせないシステムのことを指します。例えば製造業では原材料の調達から、原価・製造プロセス・納期などの管理をするシステムが基幹システムとなります。

一方で、例えば金融業では顧客の口座情報や融資の返済状況などの情報が企業の活動に欠かせない情報になるため、業種によって基幹システムは異なることになります。ある業務システムがその企業の活動に欠かせない場合、それは基幹システムと言えるでしょう。

例えるならば、「それがなくなったら事業が成立しなくなるくらいに必須なもの」が基幹システム、「なくても成立はするが、利用することで業務効率が向上するものが業務システム」。このように捉えるとよいかもしれません。

ERPとの違い

ERPはEnterprise Resources Planningの略称で、業務を効率化するだけでなく経営の意思決定を支えるシステムである点がポイントです。基幹システム・業務システムでは個々のシステムのデータベースは独立していますが、ERPではその形式が統一されています。

そのため情報の重複発生を防ぐことができ、ある業務システムから別の業務システムへ手入力する際に起こりうるエラーを防ぐことも可能です。企業内にある情報を一元管理して経営状況をリアルタイムに把握できることから、経営の意思決定に役立てられることがERPの特徴です。

これと比較すると業務システムは、特定の業務の遂行を支援することに特化したものといえるでしょう。

業務システム導入のメリット

業務システムを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。業務効率やデータの取り扱いの観点からいくつかご紹介します。

業務の効率が上がる

業務システムを導入するメリットのひとつは、業務効率の向上です。導入を検討している方の多くが生産性アップを目指しているのではないでしょうか。

紙ベースで処理していたものを電子データに置き換える、手動で処理していたものをプログラムで自動化するなどによって、作業量もヒューマンエラーの数も減らすことが可能です。

導入するポイントや導入の仕方次第で業務効率が大幅にあげられるでしょう。

データを一元管理でき質を保てる

企業内で管理するデータの質を保ちやすいことも業務システム導入のメリットです。例えば保有している顧客情報の量が人によって違ったり、情報管理のノウハウが従業員ごとに異なったりすると企業内に存在する情報を活かし切ることが難しくなります。

業務システムを導入することで、情報の記録先や記録の仕方が明確になり、またノウハウも共有できるためデータの質を一定に保ちやすくなります。例えばエクセルとメールでデータ管理をしており、複数のファイルが存在しており最新版がわからないといった問題も解決できるでしょう。

コストを削減できる

システムの導入コストとの兼ね合いにはなりますが、コスト削減効果が見込めることもメリットのひとつです。これまでよりも少ない時間で同じ業務を完了できるようになれば、時間が節約できるため他の業務に力を入れることができます。

また、誤入力を修正したり、必要なデータを探すのに時間がかかるといった見えにくいコストも削減することが可能です。紙ベースで行なっていた業務がある場合は、スペースが空くこともコスト削減効果のひとつといえるでしょう。

システム障害やメンテナンスの影響が一部になる

ERPのように全てのシステムを統合した場合、障害が発生した際には全ての業務が停止してしまうリスクがあります。一方で、業務ごとに別々のシステムを割り当てていた場合は、影響範囲が該当業務のみに限定されます。

あらゆる情報を一元管理したい場合は統合的なシステムを導入すると目的が達成されますが、最初は業務の一部をシステムで代替するところから始めるのが無難な方法かもしれません。

業務システム導入のデメリット

業務効率の向上やコスト削減といったメリットのある業務システムですが、導入にあたってデメリットもあります。

システム導入に工数がかかる

デメリットのひとつは、システムの開発や導入に工数がかかることです。特に自社業務向けに新しく開発する場合は、そのぶん時間とお金がかかります。開発会社との打ち合わせや仕様のすり合わせなどに時間を割くスケジュール調整が必要となるでしょう。

クラウド型の業務システムを導入する場合は、社内に浸透するまでに時間を要するというデメリットがあります。業務の進め方をこれまでとは変更する必要があるため、特にITツールに不慣れな方が多い現場では、マニュアルを用意するなどの工夫が必要となるでしょう。

障害などの不具合によるリスクが発生する

業務効率化を実現するメリットがある一方で、システムに不具合が生じた場合に業務が止まってしまうリスクもあります。

障害が起きたときの影響度合いに応じて、システム化をする業務としない業務とをわけるなど、リスクが少なくなる導入方法を目指すのがよいかもしれません。外部の詳しい方に相談しながら進めていくことも一つの手段でしょう。

業務システム導入前に必ずすべきこと3選

業務システムの導入さえすれば業務効率があがるわけではなく、効果的に導入するためにはコツが必要です。必ず押さえておきたいポイントを3点紹介します。

業務フローを洗い出す

業務効率化を実現するには、現場の業務に適したシステムを導入することが欠かせません。また業務に適したシステムを作るには、置き換えるポイントや置き換える方法を考えるための土台を用意しなければなりません。

そのため業務システムの導入前には、業務フローを洗い出す工程が必要となります。既に業務マニュアルが作成されている場合はそちらをベースに、ない場合は導入を検討中の部署と連携しながら可視化をすすめるといいでしょう。

現場の課題やニーズを明確にする

業務フローの可視化と合わせて、システム利用予定の部署へアンケートやヒアリングを通じて業務上の悩みごとを把握します。ミスが発生しやすい作業、無駄に感じている作業など、効率化のための課題を知ることでシステムに対するニーズも見えてきます。

業務フローを洗い出す工程もそうですが、この工程を飛ばしてしまうと業務システム開発がやり直しになる可能性があります。課題やニーズが不明瞭のまま強行することで、導入後に使いづらいことが発覚して作り直しになるケースです。

クラウド型の業務システムを試してみて、その感触から「もっとこういう機能がほしい」などの要望を見つけるのもひとつの手段でしょう。

予算と費用対効果を踏まえて検討する

導入可能な業務システムの規模は予算に応じて変わります。パッケージの購入やサブスクリプションでが最も安く、業務内容に合わせてフルスクラッチ開発をするケースが最も高くなります。

効果の検証は、同じ業務にかかる時間がどれだけ短縮されたのか、あるいは業務に関わる人数をどれだけ減らせたのかが目安となるでしょう。無料で一部の機能だけが使えるもの、月額数万円〜で部署の全員が使えるものなど、小規模で試してみるのがよいでしょう。

業務システムの導入方法は主に2種類

業務効率化が見込まれる一方で導入の仕方に工夫が必要な業務システム。導入方法を大きく分けると以下のふたつに分かれます。

自社でフルスクラッチしたものを導入する

ひとつめは、自社の業務内容に合わせて新しく設計・開発する方法です。システムの要件定義から始めるため、時間もお金もかかりますが業務効率化の見込みが高いメリットがあります。

システムの能力は社内に保有しているサーバーや従業員の利用するコンピューターのスペックによって変わります。要求される性能によっては、サーバーの増設やコンピューターの買い替えが発生する可能性もあるでしょう。

いますぐ何かを導入したいケースには向いていないため、予算が潤沢にあり、時間をかけても導入したいという企業に向いた方法といえるでしょう。中小企業よりは大企業向きの方法です。

パッケージやクラウドなど外注したものを導入する

ふたつめは、既存のシステムを導入する方法です。買い切りのパッケージを購入して自社サーバーに導入するか、クラウド上で動作するシステムを月額課金(または年払い)で利用します。

この方法のメリットはフルスクラッチで開発するよりも費用がかからないこと、またすぐに導入できることです。出退勤の管理や経費申請など、定型的な業務を部分的に自動化したいといったニーズに向いています。

業務システムを外注する際に注意すべきこと

業務システムを自社開発できない場合、外注するか、既存のシステムを導入する必要があります。その際の注意点をご紹介します。

システムの導入方法を検討する

業務システムの導入方法は、フルスクラッチでの開発と、パッケージ購入・クラウド型システムのサブスクリプション契約とに分かれることを説明しました。自社開発や自社での選定をせず外部の企業に委託する場合、どの導入方法が望ましいのかを検討する必要があります。

小さく試したいのか、既存のシステムに問題があるためにシステムを刷新したいのか、また導入に伴い業務フローが変更になることは問題ないかなどの観点から検討をすすめることをおすすめします。

予算・納期を決める

業務システム開発を外注する際は、委託先に予算と納期を伝えることが大切です。この2つによって、開発可能な規模や必要な人員が大まかにわかるためです。「200万円の予算で1年後までに完成させたい」といった大まかな情報であっても、委託先はその情報をもとに実現方法を考案します。

場合によっては、ニーズを掘り下げていく過程で「フルスクラッチではなくパッケージ購入とカスタマイズで対応できそう」など、他の良い方法が見つかることもあるでしょう。

当社の事例:業務システムの構想から運用定着までをワンストップで支援

当社イントリックスでは、システム企画構想から導入支援・定着までを支援するサービスを提供しています。株式会社日立建機教習センタ(現PEO建機教習センタ)さまでは、Web予約経由での売上比率向上と事務作業の工数削減の2つを目的として支援を行いました。

教習所ごとに抱える課題をヒアリングし、また利用者視点も加えることで使いやすく事務作業も少なくなるWeb予約システムのUIを設計。これにより、予約状況がリアルタイムに反映されずに機会損失となる問題や、操作自体が負担となっている問題を解決いたしました。

「Web売上比率の向上」と「事務工数低減」を目的としたWeb予約システムと業務システムの刷新

まとめ

業務システムを導入するメリットは業務の効率化と効率化によって生まれる余剰時間を他の業務に当てられること。この2つの効果で生産性の向上が見込まれます。

業務フローに無駄がおおい、アプリケーション間で情報が重複しているといった問題を解決しうるのが業務システムです。

イントリックスでは、社内にある情報をフル活用するためのシステム構築の支援をしています。特に、「見やすさ」「使いやすさ」も考慮したUI設計・改善に多くの実績があります。業務システムをせっかく開発したのに導入が進まない、効率化できていない、ミスが多発する、などの課題をお持ちでしたら、ぜひ一度、当社へお問い合わせください。

業務システム/イントラネット構築・改善支援

社内の情報システムをフル活用するために、軽視されがちなUI改善も含めた構築・改修を行います

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