BtoBマーケティングコラム PIM(商品情報管理)とは?製品の選び方や導入がおすすめの企業を紹介!

2022年12月6日

PIM(商品情報管理)とは

PIM(Product Information Management; 商品情報管理)とは、価格やスペック・単位、画像といった商品に関する全データを一元管理して、店舗や自社サイト、ECサイト、カタログや広告、SNSといった様々なチャネルと連携させる商品管理手法です。

たとえば、新商品が出たり、商品の価格が変わったりすると、商品を載せているすべてのチャネルで情報を修正する必要が出てきます。これを人的作業で行おうとすると膨大な時間と労力がかかります。

しかし、PIMを導入していれば、一元管理しているデータを更新するだけで「すべてのチャネル」に反映させることが可能になるのです。

PIM(商品情報管理)が必要とされる背景と必要性

スマホやSNSの普及により顧客の情報源が増えてきた結果、複数のチャネルで商品情報を発信するマーケティングが流行しています。それに伴い、PIMによって一元管理される「構造化されたデータ」が企業側に必須となりました。

商品情報を一元管理し、質を統一

PIMでは、複雑化している商品情報であっても一元管理することが可能です。それによって、より正確な商品情報をリアルタイムで複数のチャネルと連携することができます。

また、部署や組織といった枠を超えて情報共有ができることで、より一層の業務効率化にもつながります。とくに、商品数が多かったり、商品情報の更新頻度が高かったり、販売チャネルが複数ある企業では、このPIMによる高度な商品情報管理が必要になってくるでしょう。

情報管理のデジタル化で業務の効率化

スマホが普及したことで、顧客は「Web上にある商品情報」を簡単に調べることができるようになりました。そのため企業側としても、商品の最新情報をスピーディに更新していく必要があり、しかもそれを複数のチャネルで実施しなければなりません。

商品に関する情報量が増え、さらに複雑化していくほど、データの管理や更新にかかる手間が増えていきます。

PIMを導入することで複雑な商品データを一元管理できるため、業務効率が飛躍的にアップします。

PIM(商品情報管理)の主な機能は6つ

PIMシステムに備わっている一般的な機能はいくつかありますが、その中でも主要な「6つの機能」について解説していきます。PIMの導入を検討する上でも、これら6つの主要機能を知っておくことはとても大切です。

整合性チェック機能

データベースにある各データの正確性と信頼性をチェックする機能です。

商品情報や価格などに誤表記があると、最悪の場合「法的問題」にまで発展してしまいます。しかも人的作業に頼っていると、商品数が多くなるほどデータの整合性チェックにかかる労力は増えていき、チェック作業も煩雑になってしまう恐れがあります。

PIMの整合性チェック機能があることで、面倒なチェック作業を短時間で正確に実施することが可能です。また事前にチェックルールを設定できるPIM製品もあります。

データ管理機能

PIMでは膨大な商品データを「カテゴリ」に分けて整理・管理することができます。さらに、それぞれのカテゴリを下に向かって「階層化」していくことも可能です。

たとえば「化粧品」というカテゴリの下に「ファンデーション」や「マスカラ」や「リップ」といった分類を付け加えることができます。

PIMを導入する前に、どうカテゴライズするか、どの階層まで掘り下げるか、こういったことを決めておくと導入後の作業がスムーズに進むでしょう。

データ管理・編集ができるGUI

GUIとは「Graphical User Interface」の略で、マウスやタッチパネルで操作できる画面のことです。PIMシステムでは、データの管理や編集をするための「専用GUI」が提供されています。

この専用GUIについては、操作性はもちろんですが、自社の業務内容に適しているかという点も重要な判断材料です。またGUIを利用する人が、自社の管理担当者だけなのか、または仕入業者も使うのかによって、GUIに求める操作性も変わっていくでしょう。

外部インターフェース機能

PIM製品には、社内や社外とデータ共有ができる外部インターフェースの機能も備わっています。対応できるデータ形式、連携方式(同期/非同期など)、出力先システムへの調整などは各PIM製品によって異なるので、自社のシステムや用途などを十分に考慮しておきましょう。簡易的なデータ加工機能(ETL機能)は持っているものの、高度にデータを加工する機能は備わっていないため、出力を踏まえた上でのデータ加工の準備が必要になることもあります。

承認フローシステム

申請や承認業務に関する一連の作業をシステム化した機能で、データ公開前に責任者への申請や承認作業が必要な企業では重宝するでしょう。この承認ワークフローシステムを活用することで、申請や承認にかかる手間や時間を短縮することができます。

ただし、PIM製品では基本的な承認フローシステムしか備わっていないため、複雑なワークフローが必要なケースでは自社でシステムを作るか、あるいは外部のワークフローシステムと連携するといった対応が必要です。

グローバル対応

商品の多言語化・多通貨化にも対応できる機能で、標準装備している対応言語は各PIM製品によって違います。

通貨・長さ・重さ・速さ・温度などの単位は国によって異なるため、海外製品を扱っている企業にとっては貴重な機能です。これからグローバル展開を視野に入れている企業がPIMシステムを導入する場合は、どの言語に対応しているかをあらかじめ確認しておきましょう。また、言語については拡張機能で対応できるケースもあります。

PIM(商品情報管理)の選び方

ここからはPIM製品の選び方について、基本となる5つのポイントを紹介していきます。自社の商品情報・業務の流れ・関連システムなどを再確認しながら、以下に紹介するポイントをPIM製品選びの参考にしてください。

管理する範囲

PIM製品を選ぶにあたり、管理する商品情報を「どこまでの範囲にするか」を明確にしておきましょう。

たとえば「付属部品」や「消耗品」なども管理対象にするのか、あるいは「写真」や「動画」といった素材データも情報に含むのかなど、管理したい情報の枠組みをしっかり決めておくことが重要です。

管理する対象や範囲によっては、PIMだけでなく他のツールとの併用が望ましい場合も。また、管理したい枠組みに合わせて情報を整理しておくと、スムーズにPIMを導入できます。

管理する商品点数

PIM製品によっては、管理する商品点数でライセンス価格が変わる場合があります。まずは大まかでいいので、情報管理をしたい商品の数を把握しておきましょう。

このときの注意点としては「販売終了」になった商品データをどう扱うかがあります。販売終了となった商品データは消していくのか、あるいはアフターサポート用のデータとしてPIM上に残しておくのか、これはPIMに割く予算、または自社の方針によって変わるため、事前に確認しておきましょう。

他システムとの連携機能

すでに、自社で運用している商品情報の管理システムがある場合は、そのシステムとスムーズに連携できるPIM製品を選びましょう。

海外展開している商品をPIMで管理する場合、国ごとに規格情報の制限があるため、注意が必要です。また、商品データを活用する業務によっても連携するソフトウェアが変わってくるので、ECサイト、店舗、広告、カタログ、SNSなど、どういった業務でPIMを使っていくのかをしっかり確認しておきましょう。

管理業務体制

管理する商品情報を「いつ・誰が・どのタイミング」で入力または編集するのか、データの管理業務体制についても再確認しておきましょう。

ごく少人数での管理体制であれば、サポートを厚くしたプランを選ぶか、一括更新機能があるPIM製品を選ぶ必要があるかもしれません。

逆にPIMシステムを複数人で使うのであれば、承認フローシステムが充実している製品だと安心です。現在の管理体制だけでなく、将来的な管理体制の規模についても、ある程度予測しておくといいでしょう。

PIM(商品情報管理)の標準機能

PIMシステムを使って達成したい目的・目標を決めたうえで、各PIM製品にどのような標準機能が装備されているかを確認しておきましょう。

どのPIM製品にも付いているインポート機能であっても、実装されている機能は製品ごとに異なります。システム連携時のファイル形式や、データの更新や削除、データチェックが可能かどうか、こういった細かい部分まで確認しておくことも重要です。また、バージョンアップを頻繁に行っているかどうかも、併せてチェックしておきましょう。

PIM(商品情報管理)導入の利点

PIMシステムを導入することで、様々なメリットがもたらされます。中でも「業務効率アップ」や「コスト削減」や「安全な情報提供」といった重要なメリットについて、ここから解説していきます。PIM導入を検討する際には、これらメリットが自社にどう影響するかをイメージしておきましょう。

業務効率が上がる

PIM製品の導入により、社内エクセルや共有サーバーなどで、バラバラに管理していた商品情報をPIMで一元管理できるようになります。一元管理することで、自社の商品データを誰でも確認することができ、それを販売店や取引先などと情報共有することも可能です。

これまでのような、必要な商品情報を得るために他の部署を訪ねたり、商品データや在庫状況などの問い合わせに対応したりなどの、煩雑だった業務を極力減らすことができます。その結果、管理や販売に関わる大部分の業務を効率化できるでしょう。

人的コスト削減

PIM製品を導入すれば、自社で一元管理している商品データを更新するだけで、ECサイト、Webサイト、カタログ、パンフレットなど、連携しているチャネルの情報も一括で修正できます。個別のチャネルごとに手作業でデータ修正をする必要がなくなり、結果として時間や労力を大幅にカットすることが可能です。

また、修正ミスに起因する追加業務も発生しなくなります。PIMの導入により、商品の管理業務にかかる人的コストを削減できるでしょう。

安全かつ簡単に情報提供が可能

取引先、販売店、営業担当などが要望する出力フォーマットに合わせて、商品に関するデータを書き換えることができます。これまで当たり前のように実施していた「画像のリサイズ」や「ファイル拡張子の変換」といった作業が、PIMシステムを使えばとても簡単に実施可能です。

また、要望に応じて書き変えた商品データを、取引先や担当部署などにわざわざメール送信する必要もなくなるので、商品管理担当者の業務効率化にもつながるでしょう。

PIM(商品情報管理)はこんな企業におすすめ

PIMを導入すると「業務効率化」や「コスト削減」などに繋がりますが、扱っている商品が限定されていたり、販売チャネルが1つだけだったとしたら、PIMを使ってもあまり効果は期待できません。

以下の状況に置かれている企業であれば、PIM導入を検討すると良いでしょう。

  • 扱っている商品数が多い
  • 商品情報を頻繁に更新する
  • 商品の入替頻度が高い
  • 販売するチャネルが多い
  • オンライン販売の比率が高い
  • 海外展開をしている

現在のビジネスはオンライン化、多チャネル化、グローバル化に拍車がかかっています。こういう観点から販路拡大を目指している企業なら、PIMを導入するメリットは多いです。

PIM(商品情報管理)導入事例

ECサイトへ送客する仕組みを作り「売りにつながる」Webサイトへリニューアル。PIM-CMSのシームレスな連携により情報の一元管理を実現

対面営業が主だった営業プロセスのデジタル化を実現するため、製品サイトの導線再設計、製品検索機能の追加に加え、PIMでの効率的な製品情報管理とCMSとの連携を実現したWebサイトリニューアルを実施しました。

プロジェクト事例詳細

総勢20以上の部門・パートナーとともに、PIM・MA・Webが有機的に連携したデジタルマーケティング基盤を構築

クライアント社内15部門と7社のパートナーとともに、PIM・CMS・MAの導入およびコーポレートサイトリニューアルを実施。
プロジェクト統括も担うことで、各ソリューションとコーポレートサイトが連携し、それぞれの効果が最大限に発揮されるデジタルマーケティング基盤の構築を実現しました。

プロジェクト事例詳細

まとめ

PIMシステムを導入すると効率よく商品データを管理でき、自社の売上アップやコスト削減にも役立ちます。そして、グローバル展開を視野に入れていたり、管理する商品数が多かったり、商品の入れ替え頻度が高かったりする場合は、積極的にPIM導入を検討していきましょう。

当社イントリックスでは、PIMを含めたシステム構成の設計から、導入、運用までをサポートしています。PIMの導入をご検討される際には、ぜひ一度、当社へお問い合わせください。

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