代表的なヘッドレスCMSの比較
ここまでヘッドレスCMSの特徴やメリット・デメリットについて解説してきました。ここからは代表的なヘッドレスCMSを6種類ほど紹介していきます。ヘッドレスCMSの導入を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
国産ヘッドレスCMS
まずは国産のヘッドレスCMSについて、代表的なものを2つ紹介します。なお国産ヘッドレスCMSは生産拠点が国内にあるため、顧客からの問い合わせやサポートなどに対してスピーディに対応ができる点がメリットです。
microCMS
microCMSは、日本語のドキュメントや管理画面が使える初心者が導入しやすい代表的なヘッドレスCMSです。大手メディアサイト、ECサイト、コーポレートサイトなどで使われています。予約投稿や編集履歴の確認、プレビュー機能などもあるため、はじめてヘッドレスCMSを利用するユーザーにとってもハードルが低いでしょう。また、様々なデータの取り扱いができるので、メディアサイト・ECサイト・SaaSなどのシステムに対応できます。
【料金】月額4,900 円〜(無料プランあり)
【公式サイト】https://microcms.io/
Kuroco
Kurocoは、約4,000社に導入された従来型CMS「RCMS」をベースに開発されたヘッドレスCMSです。コンテンツ管理はもちろん、会員管理機能、お問い合わせフォーム、メール、EC機能、決済機能などを利用できます。また、自社システムとも連携して顧客情報を活用することも可能です。API設定は管理画面から簡単にでき、WordPressのようにプラグインに振り回されることなくシステム構成を自由にカスタマイズできます。
【料金】従量課金制(1,110円の無料枠あり)、初期費用なし
【公式サイト】https://kuroco.app/ja/
海外製ヘッドレスCMS
次に、海外製のヘッドレスCMSで代表的なものを2つ紹介します。海外製ものは広く普及しているため、ユーザーからの見た目や、使いやすさといった点でメリットがあります。反面、英語を理解していないと対応できないケースもあるので注意が必要です。
Contentful
Contentfulは、ドイツの会社が提供しているヘッドレスCMS。代表的な導入先としてはSpotifyなどがあります。クラウド型サービスなのでサーバーで管理する必要がなく、比較的コストを抑えられるのもメリットです。しかし、日本語対応ではないため英語を理解する必要がある点がデメリットとなる可能性があります。GoogleアカウントやGitHubアカウントからでも登録できる点が便利です。
【料金】月額$489〜(無料プランあり)
【公式サイト】https://www.contentful.com/
GraphCMS
GraphCMSは、Meta社が開発したAPI向け言語「GraphQL」を活用することに特化したヘッドレスCMS。たとえば、アプリの開発などでGraphQLを使った経験があるエンジニアが在籍する企業におすすめです。コンテンツのフィルタリング機能が充実していること、バッチ処理にも対応できることが大きな特徴。ページ読み込み速度のアップ、サービスサイトの拡大、REST APIからの切り替え、こういったことを検討している場合には選択肢の1つに入れておきましょう。
【料金】月額$49〜(無料プランあり)
【公式サイト】https://hygraph.com/
無料で利用できるオープンソース(OSS)
ここまでは有料プランのヘッドレスCMSを紹介してきましたが、完全無料で利用できるオープンソースのヘッドレスCMSもあります。そこで、ここからは代表的なオープンソース型ヘッドレスCMSを2つ紹介していきます。
Strapi
Strapiは、Node.jsベースの完全無料のヘッドレスCMS。コーディングなしでも簡単にAPI開発ができるという特徴があります。また、プラグイン追加なども柔軟に行えるため様々なカスタマイズが可能です。Strapiの導入はとても簡単で、基本設定のほとんどが管理画面からの操作で行えます。ただし、管理画面の一部は日本語サポートされていますが、まだ日本語での情報が少ないのが実情です。そして、下書き保存ができない点もデメリットの1つです。
【公式サイト】https://strapi.io/
Ghost
Ghostはブログに特化したヘッドレスCMSで、オウンドメディアやブログなど記事コンテンツ作成に向いています。先ほどの「Strapi」と同じくNode.js環境で動作し、さらにWordPressの投稿画面と似ているためWordPressの扱いに慣れていると使いやすいです。オープンソースのヘッドレスCMSでは最も人気があり、とくにメディア型Webサイトの運営に便利だとされています。ただし、WordPressに比べるとプラグインの数は少ないのが実情です。
【公式サイト】https://ghost.org/
WordPressのヘッドレス化
従来型CMSの代表格であるWordPress自体を「ヘッドレス化」することもできます。これはWordPressを使い慣れている方にとって新たに学習する必要がなく、とても便利な方法です。
Shifter Headless
株式会社デジタルキューブが提供している「Shifter Headless」では、WordPressのダッシュボードをCMSとして利用しつつ、APIを通してフロントエンドにコンテンツを送信することができます。
【公式サイト】https://www.getshifter.io/ja/
WordPress REST API
WordPressに標準搭載されている「WordPress REST API」を使えば、WordPressを簡単にヘッドレス化でき、今までのコンテンツやプラグインもそのまま引き継ぐことができます。WordPressからヘッドレスCMSへ移行したいときはぜひ検討してみてください。