KPI設定の手順と注意点
効果的なKPIは、KGIの実現に繋がるものであることが重要です。そこで、KPIを設定する前にKGIの設定を行い、そこから抽出されるKSFに基づいてKPIを設定する必要があります。
KGI、KSF、KPIのそれぞれの項目を設定する際に、どのような考え、手順で実施すべきなのか。また、効果的に設定するためには、どのような点に注意すべきかについて解説します。
KGIの設定
KPIの設定において最初に決める必要があるのは、組織及び個人の具体的な最終目標であるKGIです。
最終目標であるKGIを設定し、それを達成するために複数のKPIを設定します。
KGIを設定する際にはSMARTの観点を考慮し、特に期限を決めた現実的な目標を、評価しやすい数値で設定することが重要です。
その結果、KSFの設定やKPIの設定がしやすくなり、評価・戦略の見直しなどを実施しやすくなります。
また、KGIを設定する際には、これまでの経験や勘に頼るのではなく、市場環境や自社の状況、また競合他社の状況を詳しく分析することが重要です。
KSFの設定
KGIの設定ができたら、KGIを達成するために必要な要因であるKSFを抽出します。
KSFは環境や状況によって変化します。そこでKSFを抽出する際には、二つの観点で考えるといいでしょう。二つの観点とは、市場動向や競合の状況などといった外部要因と、自社の強みや弱み、状況といった内部要因です。
また、環境や状況が変わった場合には、それに合わせてKSFも変化させていくことが重要です。
過去の分析結果にとらわれてしまい外部環境が変化しているのにKSFを再設定しないと、KSFの達成がKGIの達成に繋がらない状況になっている可能性があります。
KPIの設定
KSFが設定できたら、それぞれのKSFとリンクするようなKPIを設定します。
KSFとKPIは必ずしも一対一の関係である必要はなく、1つのKPIが複数のKSFを達成する指標となることもあります。
KPIを設定する際にも、KGIと同様にSMARTの観点で考えると効果的です。明確で達成できる可能性のある現実的な指標を、計測できるように数値で達成すべき期限と共に設定します。
また、KPIはKGIを達成するために設定する指標のため、間にKSFを挟んでいたとしても、KPIを設定する際にはKGIとの関連性が不十分になっていないか気を付けることが重要です。
KGIやKSFとの関連性がずれていないことを確認するために、KPIを設定したらKGIをトップ事象としてツリー化してみるといいでしょう。
KGIを達成するためのKPIの位置づけが明確になり、関係者とも共有しやすくなります。また、KGIとKPIのずれに気付くきっかけになる可能性もあります。
KPI設定の注意点
KPIを設定する際には、いくつかの注意点を押さえておくことが重要です。
まずは、KGIとKPIがしっかりと対応関係にあることが必要です。日常業務における管理はKPIで行われるため、KPIの達成がKGIの達成に繋がっている必要があります。
特に外部環境や内部環境に大きな変化があった場合には、KPIの修正が必要かどうか確認すべきでしょう。
また、KPIは複数の関係者で共有し、評価する必要があるため、できるだけ少なくシンプルに表現できる指標を設定すべきです。数が多いと、関係者での共有や進捗管理が大変になってしまいますし、複雑であれば適切な評価ができません。
また、KPIを設定する際には不用意に高すぎる目標を設定しないようにしましょう。
KGIを実現するよりも難易度の高いKPIを設定すると、他のKPIとのバランスが悪くなってしまう可能性があります。また、難易度が高すぎて達成できず、モチベーションの低下を引き起こします。
これらの注意点を押さえておけば、効果的なKPIを設定できるでしょう。