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BtoBマーケティングコラム MQLとSQLの違いって何?MQLを受注につなげるためのポイントも解説
2024年8月21日
BtoBマーケティングで成果を出すために重要なポイントの一つが、質の高いリードの獲得です。製品の単価が高く、検討期間が長期間にわたるBtoB製品において、質の高いリードを獲得し、受注につなげるためには他職種との連携が欠かせません。それぞれに持っている情報が異なるため、連携することで強みを発揮します。中でも、マーケティング担当は営業担当と一貫してコミュニケーションをとりながら見込み顧客を育成するケースが多くあります。今回は、見込み顧客の質を表す「MQL」と「SQL」の違いや、創出したMQLを実際に受注につなげるための成功ポイントをご紹介します。マーケティング担当と営業担当で共通言語を持つことで、しっかり連携を成功させて同じゴールを目指しましょう。
MQLとSQLの違い
MQLとSQLの定義の違いとそれぞれを創出するメリットについて解説します。
MQLの定義と創出するメリット
MQL(Marketing Qualified Lead)とは、マーケティング活動を通して創出された見込み顧客のことを指します。例えば展示会出展やセミナーに参加してきた顧客など、検討度合が高いと判断された見込み顧客がMQLとなります。MQLは申し込みや購買に近いという意味で非常に大切なフェーズの顧客ですが、どのようなアクションをもってMQLとするかは企業によって異なります。以下のような行動を起こした層をMQLとすることが一般的です。
- オフラインセミナーや展示会での名刺交換
- ホワイトペーパーダウンロード時の個人情報の入力
- Webサイトからの問い合わせ
- メルマガへの登録
MQLを創出するメリットは、見込みの高い顧客をマーケティングから営業へ引き継ぐことで受注の確度が上がったり、優先順位づけなどの効率アップにつながることです。
MQLはオフラインでの名刺交換やWebサイトへの自発的な問い合わせなど、自社の製品・サービスへの問い合わせの行動履歴から、購買意欲が高い層だとわかっています。そのため、マーケティング部門でこの情報を把握すると営業チームは効果的にアプローチすることができ、優先順位もつけやすくなります。また事前にこのようなデータに基づいて営業が行動することで、コストの削減及びCV率の向上に繋がります。ただ同じMQLでも顧客によって検討度合いは違うため、BtoBの場合は営業担当がそれぞれに対して丁寧なコミュニケーションを重ねる必要があります。
SQLの定義と創出するメリット
SQL(Sales Qualified Lead)とは、営業やマーケティング活動を通じて得た見込み顧客のうち、受注確度が特に高いと営業が判断した顧客を指します。
例えば「予算内でこんな機能が搭載されている製品がほしい」「来年の7月までには導入したい」などの具体的な希望があったり、何度も足を運んで具体的な検討段階に入っているなど、顧客の要望がより明確になっている場合にSQLと呼ばれます。MQLの中からSQLになることもあれば、商談の内容により最初からSQLと判断されるケースもありますが、MQLよりも検討度合が高く、短期間で受注につながりやすい顧客層です。そのため営業が対応する顧客層の中では最も重要なリードと言えます。
MQLと同様にSQLも企業によって判断基準が変わりますが、以下のようなアクションがあればSQLと見なされやすくなります。
- 経営者(または執行役員)からの問い合わせがあった
- 担当者(部長職以上)から、予算・導入時期・機能の要望が聞けている
- 決裁者との商談が決まった
MQLとSQLの違いは、見込み顧客の受注確度にあリます。SQLは単に商品に興味関心を持っているMQLよりもさらに検討度合の高い見込み顧客であるため、判断基準もシビアに設定する必要があります。具体的には、「決済者が商談の場に出てきている」「商談のクロージングをする段階にあるか」などを基準にすると分かりやすいでしょう。
MQL・SQL創出のポイント
MQL・SQLのどちらにおいても、「顧客の検討度合の高さ」を一定の基準で点数化し、さらに予算感・導入時期・製品に求める機能・決裁者などをまとめておくと営業活動がスムーズになります。ただ、担当者の役職については、はじめから「部長職以上」などの最終決済者に限定すると母数が少なくなり見込み顧客自体が集まらない可能性があるので、課長職やプロジェクトリーダーなど、一程の決裁権がある人もターゲットに含めることをおすすめします。
また、導入時期は企業の方針によって大きく異なることと、特にBtoBの場合は決済箇所が複数にまたがるなど最終決定までの流れが複雑なので、導入時期が半年~1年以上かかるケースも見られます。そのため「長く状況が変わらない」からといって検討度合が低いとは一概に判断できないので、決裁に関わる人数や競合他社との比較検討の有無など、複数の要素を考慮して点数化する必要があります。
このようにMQLとSQLの違いは、見込み顧客の受注確度・検討段階にあるといえます。
MQLは営業や展示会などのマーケティング活動によって、検討度合が「比較的高い」と判断された見込み客です。しかしまだ製品やサービスに対して興味や関心を示している段階で、具体的な購買意欲が確認されているわけではありません。それに対してSQLは、予算や購入時期の検討を始めているなど、より「短期間で受注につながる可能性が高い」と判断した見込み顧客です。今自社に必要なのはMQLなのかSQLなのかをよく見極め、それぞれのリード獲得に力を注ぎましょう。
BtoBにおける見込み顧客獲得から受注までのフレームワーク
BtoBマーケティングにおける代表的なフレームワークに、SiriusDecisions社が発案した「デマンドウォーターフォール(Demand Waterfall)」があります。デマンドウォーターフォールは、リードから最終的な売上に至るまでの一連のステージを可視化するフレームワークで、マーケティングと営業のプロセスを整理し、効率化するために使用されます。リードの生成から育成、クオリフィケーション、そして最終的な売上までのプロセスを視覚的に表現し、マーケティングと営業チームが共通の理解を持つことを目的としています。
BtoCでは、マーケティングの流れを認知→興味関心→行動に分類する「AIDMA」「AISAS」などのフレームワークが代表的です。
デマンドウォーターフォールでは、マーケティングの流れを以下の5つの段階に分けています。
- Inquiries(問い合わせ)
- Marketing Qualified Leads(MQL)の獲得
- Sales Accepted Leads(営業担当が受け入れた見込み顧客)の獲得
- Sales Qualified Leads(SQL)の獲得
- Close/Won business(商談/成約)
デマンドウォーターフォールを理解して活用することで、MQL・SQLの獲得を含めたBtoBマーケティングの流れが理解しやすくなります。また、 各ステージでのパフォーマンスを可視化して測定することでボトルネックや改善点を特定でき、営業活動全体の最適化にもつながります。
単価が高く、担当者や決裁者が複数名にわたるBtoB製品では、成約までの検討期間が1年以上になることがよくあります。
長い期間をかけて慎重に契約の有無を検討するBtoB製品のマーケティングでは、各部門の担当者との連携も同時に重要です。デマンドウォーターフォールの5つの段階ごとに、各部門から最適な専門スキルのリソースをアサインし、顧客を成約に導いていきましょう。
MQLを受注につなげるための成功ポイント
ここまでの解説で「BtoBマーケティングのフレームワークやMQL/SQLの違いは理解できたが、具体的にはどのように実践していくのか」と疑問を感じている方もいらっしゃるかもしれません。そこで、見込み顧客の獲得からMQLの創出という「0から1」のステップを担うマーケティング担当者に焦点を当てて、受注につながる質の高いMQLを獲得するためのポイントをご紹介します。
1. 自社の製品・サービスを広く認知してもらう
BtoB製品はBtoCと比較してターゲットの母数が圧倒的に少ないため、マーケティングも非常に難しく工程も複雑になります。そのため、最初から見込み顧客を絞り込みすぎず、自社製品を広く認知してもらうことからスタートすることが重要になります。
業界や役職を絞り込みすぎず、まずは自社製品やサービスの存在を知ってもらうこと・自社製品に少しでも関心を持ってくれたユーザーの個人情報を集めることに集中し、見込み顧客の精査はそのあとに行いましょう。
「認知を広める」ためにはオフライン・オンラインにそれぞれの施策があります。オフラインでは展示会への出展やセミナー、イベントの開催はリアルイベントへの協賛など、オンラインでは、Web広告への出稿やSEOコンテンツの作成、メルマガの配信やウェビナー開催などが代表的なマーケティング施策です。
マーケティング予算や人員、目標到達までのスケジュールという社内事情を踏まえながら、商品の特製やターゲットなどニーズに合わせてマーケティング活動を使い分けましょう。
2.MQLの判断基準を定める
次に行うべきなのが、MQLの定義をマーケティング担当と営業担当でしっかりとすり合わせることです。BtoBマーケティングは基本的に他部門を巻き込んで行う必要があるため、最初の認識が間違っていたり、当初のターゲットに効果がなく実情とずれているなどに気がつかないとマーケティング活動だけでなく営業活動にも大幅な損失が生じます。
マーケティング担当のみでMQLを設定した場合、営業担当の求める基準に達していなかったり、そもそもかけ離れている場合も考えられます。そのため、マーケティング活動を始めるタイミングで、インサイドセールスや営業などの他部門を巻き込み、ターゲットの業界・業種やニーズなどをすり合わせ、ターゲットの解像度が高まった状態でMQLの定義を行いましょう。これにより営業担当に引き渡す時点での認識のズレが生まれにくくなり、マーケティング全体がスムーズに進みます。
MQLの創出の目的はあくまで営業活動の円滑化の支援のため、「営業担当が求める条件を満たしているか」という観点でMQLの判断基準を設定することで、より効果的な営業の支援が実現します。
3. 営業担当からフィードバックをもらう
営業やインサイドセールスなどとすり合わせて一度MQLの定義が決定しても、それで終わりではありません。営業活動が始まる前に設定したMQLが、実際に様々なアプローチを始めてみるとそこまで反応を得られない場合も考えられます。
このように当初に設定したMQLが正しいとは限らないため、半年・1年・1年半などのスパンに区切って、「この期間までに商談や受注につながっていなければ検討度合が低い」と判断することが大切です。その上で、各期間までに期待する行動が見られなかった見込み顧客を営業担当から共有してもらい、ある程度の共通点が見つかった時点でMQLの再定義を行いましょう。「受注したMQL」だけではなく「受注しないMQL」の精査を定期的に行い、「この属性はいくらアプローチしても受注に繋がらない」ということを判断することも重要です。
検討期間が長いBtoB製品という特性上、「検討期間が延びているのか、それとも検討度合が下がっているなのか」を見極めることで、確度の高い見込み顧客にアプローチの時間を十分に割けるようになります。
部門間の連携を怠ると、各フェーズでの成功事例や失敗事例が共有されず、MQLの質の低下や失注につながりかねないリスクがあります。特にBtoBの製品・サービスは検討期間が1年以上になることもあるため、定期的かつ効果的なアプローチを行う必要があります。商談中の顧客は、社内で話し合ったり他社の情報収集もしながら検討しているため、MQLへのアプローチを怠ったり間違えると、競合他社の製品・サービスに流れてしまう可能性が高くなる危険性をよく理解しましょう。
まとめ
今回は「MQLとSQLの違い」「MQLを受注へと導くために必要な成功ポイント」「マーケティング部門と営業の連携の重要性」などをご紹介しました。見込み顧客の中から特に検討度合の高いMQL・SQLを見極めるためには、アクションの数値化や営業担当との連携の他にもやるべきことが数多くあります。また、最初に設定したMQLの定義が営業活動を長く行うことで変わってくる可能性もあります。
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