アクセシビリティ対応、各工程を振り返って
要件定義を振り返って
お客さまと対応項目を整理することが重要
―――要件定義では、どのようなことを行いましたか?
吉川:サイトの大半のページで、掲載するコンテンツや使用するUIパーツは据え置くことになっていたため、まずは、現状のWebサイトと変更後の対応レベルで求められる姿とのギャップを洗い出し、それを元に、予算・スケジュールを勘案しつつ「実際にプロジェクトでやること・やらないこと」を決めていきました。
森:ギャップを可視化するにあたって、嶌田さんが WCAG の達成基準をまとめたシートを作成していましたよね。
嶌田:はい。お客さまのWebサイトを調査し、ギャップの存在するコンテンツやUIパーツを達成基準毎にシートにまとめました。それをもとに、「この部分については、前回は事情があって対象外としていましたが今回は対応したいです。」「動画については、過去に遡って対応するのは膨大な作業となるため、まずは新たに作成するもののみ対象としましょう」といったすり合わせを細かく行っていきました。
森:シートに沿いながら「この施策はやる、やらない」という整理をしたので、お客さまも対応レベルの変更に伴いどんな変化があるのか具体的なイメージを持てたのではないでしょうか。「アクセシビリティ対応を進めたいけど何から手をつければよいかわからない」というお客さまは多いと思うので、対応項目を整理する工程はこれからも必要になると思っています。