BtoBマーケティングコラム Salesforceとは?メリット・デメリットや注意点も簡単にわかりやすく解説!

2022年11月1日

Salesforceとは

Salesforceは、1999年3月に米国で設立されたソフトウェアを提供している会社で、本社はカリフォルニア州サンフランシスコにあります。2000年4月には日本法人も設立されました。

株式会社セールスフォースは、営業支援に関連した商品を中心に提供しており、中でも「Sales Cloud」は世界No.1のシェアを誇る営業支援ツールです。このツールでは、リード情報を一元管理したり、営業プロセスを可視化したり、いわゆる営業部門の効率化や成約率アップに役立ちます。

何がすごい?Salesforceの特徴とは

Salesforceが提供するツールには、以下の特徴があります。

  • 世界中の企業で導入されている
  • SaaS型のクラウドサービス
  • 顧客管理(CRM)/営業支援(SFA)のシステムをもつ

商品力の高い営業支援ツールがいくつもあり、その中でも「Sales Cloud(セールスクラウド)」はCRMとSFAを提供するSalesforceを代表するツールです。

世界の企業で導入実績があるブランド

SalesforceはCRM市場において19.5%のシェアがあり、世界的に圧倒的No.1の企業。もちろん日本でも導入実績No.1です。さらに20年近くにわたって導入企業の売り上げアップに貢献してきた実績もあります。また2011〜14年には、米フォーブス誌の「世界で最も革新的な企業」ランキングで4年連続で第1位に選ばれました。

SaaS型のクラウドサービス

「SaaS型のクラウドサービス」というのも大きな特徴になります。この「SaaS(サース)」とは、ソフトウェアをインストールせずネットワーク経由で利用できるサービスのことです。これによりツール導入時にかかる初期コストや、導入後の運用コストを抑えることができ、さらに導入直後からすぐ利用できるというメリットがあります。

顧客管理(CRM)・営業支援(SFA)のシステムをもつ

BtoB企業には欠かせない「顧客管理(CRM)」と「営業支援(SFA)」のシステムを持っていることも特徴です。これによりマーケティング部門と営業部門の連携がシームレスになり、結果として業務効率化や成約率アップを期待することができます。他にも、過去のデータをもとにした売り上げ予測を「リアルタイム」で確認することも可能です。

Salesforceの主なサービス7選

Salesforceには中核となる「営業支援(SFA)」や「顧客管理(CRM)」といった機能の他にも、MAツールやアプリケーション開発ツールといった様々なサービスを提供しています。そこでここからは、Salesforceの主なサービスについて紹介していきます。

Sales Cloud

Sales Cloudは「営業支援(SFA)」と「顧客管理(CRM)」の両機能が組み合わさったシステムで、Salesforceを代表するサービスです。見込み顧客のデータ管理をしつつ、最適なタイミングで営業アプローチができます。その結果、営業業務の効率化、成約率アップ、ビジネス拡大などを実現することが可能です。

Marketing Cloud Account Engagement (旧Pardot)

Marketing Cloud Account Engagementは、BtoB向けのMAツールです。見込み顧客の興味・関心度に合わせたコンテンツ配信を自動で行いながら、効率よくリードの育成や評価をすることができます。こういったマーケティング情報を営業部門と共有することで、適切なタイミングでの商談が可能になります。さらにSales Cloudと連携することで、より高い効果を得ることができます。

Service Cloud

Service Cloudは、カスタマーサービスの効率化を支援するアプリです。多様化する顧客の問い合わせに対して、AIを活用しながらモバイル上だけで解決することも可能になります。また、速やかに顧客の問題を解決したり、顧客それぞれに合わせたアフターケアが可能になったりと、顧客満足度の向上にも役立つツールです。

Experience Cloud

Experience Cloudは、先ほど紹介した「Sales Cloud」や「Service Cloud」と連携しながら使うことを前提に開発されたツールです。自社に関わるすべての人が参加できるコミュニティを作ったり、顧客と対話できるコミュニティを作ったりして、よりリアルな顧客体験を効率よく集めることができます。

Salesforce Platform

Salesforce Platformは、セールスフォースジャパンが提供しているクラウドプラットフォーム上で、アプリの開発やデモ、管理や最適化などが行えるツールです。このツールを導入することで、アプリ開発や運用にかかるITコストを大きく削減することができます。また、顧客データの一元管理やプロセスの自動化にも役立ちます。

Tableau CRM(旧Einstein Analytics)

Tableau CRMは、AIを活用したデータ分析によって「顧客インサイト」を提供するツールです。すべての部門の従業員がデータにアクセス可能で、グラフなどの可視化をして分析できるため、賢い意思決定をスピーディに行えます。また、直感的な操作でデータを扱えるので、社内の誰もがデータを活用することができます。

Commerce Cloud

Commerce Cloudは、ECサイトの構築や運用を支援するツールです。チェックアウトフローの最適化、モバイル決済システムなどを通じて、顧客のカート放棄率を引き下げることができます。商品の訴求はもちろん、キャンペーンなどの販促に役立つ機能、顧客の趣向を分析する機能、おすすめ商品を提示する機能などが付いています。

Salesforceの便利な機能5選

Salesforceには、コードなしで作業を自動化するプログラムを組んだり、画面を作ったりできる機能や、他のソフトウェアとAPI連携できる機能など、とても便利な機能がいくつもあります。ここからは、Salesforceの代表的な機能を5つ紹介していきます。

レポート

レポートは、Salesforce上にある複数のデータを、簡単に集計したり、条件ごとに抽出したりできる機能です。また最大4つまで、複数のオブジェクトを抽出してグルーピングすることもでき、たとえば「担当者ごとに受注金額と商談件数を集計する」といったことも可能になります。平均値や最大値の算出なども、このレポート機能で行えます。

ダッシュボード

ダッシュボードは、先ほど紹介したレポート機能で作成したデータを、複数のグラフで視覚化できる機能です。全体状況を俯瞰して把握することに役立つので、会議の場で「制約見込」や「営業アプローチ状況」や「進捗していない案件」などを確認・検討することにも使えます。複数のレポートを一括表示できるのも、ダッシュボード機能の特徴です。

フロー

Salesforceにある「Flow Builder」を使えば、複雑なプログラムをコーディングをしなくても、システムの「自動化を構築」したり「画面の作成」をしたり、専門的な作業が誰でも簡単に行えます。画面のビジュアルを見ながら直感的な作業でフローが作れるため、社内にエンジニアがいない企業などで特に重宝されている機能です。

API

外部のソフトウェアやデータを接続するためのAPIが数多く用意されており、自社にとって必要な外部ツール、もしくは既に使用している外部ツールと、Salesforceを連携することができます。このAPIがあることで、Salesforceには無い機能を拡張しやすくなり、より自社で使いやすいツールへカスタマイズすることも可能です。

データローダ

データローダは、複数のデータを一括でSalesforceへインポート、あるいはエクスポートできるクライアントアプリケーションです。これはSalesforceが公式に提供しているアプリで、5万件以上のデータをインポートしたり、バックアップ目的でエクスポートしたり、定期的なデータインポートしたいときに役立ちます。

Salesforce導入のメリット

Salesforceは、CRMとSFAの両機能を併せ持っており、その効果を最大限発揮させながら上手く使いこなすには、導入するメリットをしっかり理解しておくことが大切です。ここからは、Salesforce導入によるメリットを紹介していきます。

顧客情報を一元管理できる

メリットの1つ目は、CRM機能によって様々な顧客情報を一元管理できることです。これまで各営業担当者しか把握してなかった情報を一元管理することで、部門内のすべての人、もしくはマーケティング担当者も状況を把握できます。このように情報共有をすることによって、より効率良く、効果的に顧客へアプローチすることが可能になります。

営業活動が効率よくできる

メリットの2つ目は、情報を共有することによって効率よく営業活動ができる点です。顧客の予算都合、競合他社の情報、案件の進捗状況、こういった顧客データを一元管理しているので、上司や他の営業担当とともに適切なアプローチやタイミングを模索することができます。また担当の引き継ぎもスムーズに行え、顧客満足度の向上にも役立ちます。

リアルタイムでデータ分析ができる

メリットの3つ目は、顧客データや営業データの分析が「リアルタイム」で行えることです。Salesforceにあるレポート機能やダッシュボード機能を使えば、いろいろな角度からデータを抽出してグラフなどで可視化することができます。リアルタイムでデータ分析をすれば、営業の問題点、改善点なども把握しやすくなるでしょう。

MFA(多要素認証)がありセキュリティが高い

メリットの4つ目は、MFA(多要素認証)が採用されていてセキュリティが高度という点です。このMFAは、ログイン時に2つ以上の身元証明で認証する「安全性が高い」認証方式。Salesforceはクラウド型サービスであり、インターネット上にデータを保存するという形なので、セキュリティ強化はとくに重要なポイントになります。

導入後のサポートがついている

メリットの5つ目は、システム導入時にSalesforceの専門家による導入サポートを受けることができます。Salesforce導入後には、オンライン学習やコミュニティの利用も可能で、システムの問題解決にも役立ちます。またプレミア以上のプランであれば、24時間365日対応で電話サポートを受けることも可能です。

他部署との連携がとりやすい

メリットの6つ目は、Salesforceのさまざまなツールを活用することにより、他部署とのシームレスな連携が可能になる点です。とくにマーケティング、営業、カスタマーサポートといった部門間での連携は、自社の売り上げに大きく関与します。情報を一元管理することで、担当者間だけでなく各部門間の連携も強化できます。

顧客の満足度アップに繋げやすい

メリットの7つ目は、顧客に関するあらゆるデータを管理することで、顧客の満足度向上に繋がる施策をしやすくなるという点です。最適なタイミングで営業アプローチしたり、顧客の経営課題に適した提案をしたり、スムーズなカスタマーサポートができたりというように、それぞれの顧客ニーズをより理解した上でサービスを提供できます。

社員の業績を評価しやすい

メリットの8つ目は、リアルタイムなデータを管理することで「社員の業績評価」がしやすくなることです。営業担当者の目標やこれまでの進捗状況、さらには担当している案件数、契約数や売上といったデータを一元管理できるため、それを人事部が業績評価の参考にすることもできます。営業プロセスなども把握できるので、より精度の高い評価が可能になります。

Salesforce導入のデメリット

Salesforce導入によって、メリットだけでなくデメリットが生じることもあります。導入する前にあらかじめデメリットを理解しておくことで、対処がしやすくなるはずです。ここからは代表的なデメリットを挙げていきます。

すぐに結果が出ない

デメリットの1つ目は、Salesforceを導入してもすぐに結果が出ないという点です。このようなツールは、蓄積していくデータが増えるにしたがって「より高い効果」を期待できるようになります。

いわゆる「長期的視点」でSalesforceを利用していくことが必要であるため、即時効果を求めている企業には不向きといえるかもしれません。

運用担当者の負担が増える

デメリットの2つ目は、Salesforce運用担当者の負担が増えるという点です。とくに運用専任のスタッフがいない場合、操作の習得、システムの理解、さらにデータの入力など、実際にツールを使っていくスタッフへの負担が増えることになります。

通常業務にプラスして負担が加わるため、スタッフからの不満が出ることも予測しておかなければなりません。

ランニングコストがかかる

デメリットの3つ目は、Salesforceを運用していくためにコストがかかる点です。ユーザーの人数、利用する機能、サポートの範囲などで、毎月のランニングコストは変わります。導入前にしっかりと費用対効果を計算してから、利用するプランを選択しましょう。

なお、ツールだけでなく運用するための人的コストについても自社で把握しておくと良いです。

Salesforceを使用する際の注意点

上手く活用できれば、Salesforceはとても便利なツールです。ただ実際に利用するスタッフにとって使いやすいものでなければ、効果は限定的になってしまいます。

そこで、Salesforceを利用するときの注意点をいくつか紹介します。

なぜSalesforceを導入するのかを明確にしておく

新しいツールを導入するとき、一番問題になるのが「変えることへの不満」がスタッフから出ることです。こうした不満を事前に解消しておくためにも、Salesforceを導入する目的や意図をしっかりと運用スタッフへ説明しておきましょう。

また「営業活動を管理して、売上をアップする」というように、社内で導入目的を明確にしておけば、導入直後からでも効果を得ることが可能になります。

入力項目を増やしすぎない

Salesforceでは、非常に多くのデータを管理することができます。しかし入力するデータの項目を増やしすぎると、かえって不便になる可能性もあります。

また、入力項目が増えるにつれ、それを行うスタッフの作業も増えしまいます。あまりにも入力作業が多いと不満が噴出する恐れもあるので、入力項目の選定は慎重に行いましょう。

担当者へフィードバックを行う

Salesforceを導入すれば、より詳しいデータを管理し、分析することができます。そして、Salesforceを効果的に運用できるかどうかは、管理者から担当者への「正しいフィードバック」が行われるかにかかっています。

担当者の営業成績がアップするようにデータをフィードバックできれば、スタッフのモチベーションも上がっていくでしょう。

まとめ

Salesforceの提供するツールは「顧客管理(CRM)/営業支援(SFA)」という機能を持っており、営業活動の効率化、他部門とのシームレスな連携、顧客満足度の向上など、営業部門を中心とした自社の売上アップにも役立ちます。

ただ、長期視点や運用視点が欠けているため、多くの企業では十分な効果を挙げられていないのも実情です。

イントリックスでは、お客さまに最適なグローバル共通コンテンツや素材管理の仕組みの全体像を明らかにし、CMS/PIM/DAM/MA/SFAが持つそれぞれの特長を考慮した上で、導入の支援を行っています。導入をご検討される際には、ぜひ一度、当社へお問い合わせください。 

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