BtoBマーケティングコラム 【イントリックス流の制作極意】
CASE02|自社の強みや技術を訴求したいけど、伝えるべきことが整理されていない

2024年5月22日

自社だけの強みや高い技術力をWebコンテンツで訴求したい! しかし、いざコンテンツを作ろうとすると、「あれは絶対に伝えたい。これも出さなければ」と訴求したい情報が多すぎてまとめきれない。また、そもそも何を伝えるべきかわからない。そんなお悩みを持つBtoB製造業のWeb担当者様は多いのではないでしょうか。

難解で伝わりにくいBtoBの強みや技術をどうわかりやすくコンテンツで伝えていくか。今回はその過程と手法をご紹介します。

プロジェクト概要

お客様 部品メーカー様
課題
  • グローバル展開に向け、新規顧客へ自社の訴求が必要
  • 自社技術、製品の強みがWebサイトで伝えられていない
  • そもそも何が強みなのかの認識が社内で統一されていない
プロジェクト名 技術の強みコンテンツ制作
支援内容 強みの情報整理、コンテンツ企画、執筆・制作
期間 調査企画フェーズ:約3ヶ月
制作フェーズ:約2ヶ月

可視化・言語化されていない強みをコンテンツ化する極意

本プロジェクトのお客様はさまざまな業界向けに多種多様な部品を製造しており、その製品や技術は多岐に渡ります。そのため、事業部によって扱う素材や技術なども違い、お客様の社内でも「何が強みなのか」の認識は不明瞭でバラついていました。

新規顧客をターゲットに技術や製品の強みをわかりやすく、端的に、そして魅力的に伝えるためにその強みをどのようにまとめ、そして導きだしていったのか。3つのポイントをご説明します。

【制作極意1】

素人・玄人両方の視点からの多角的ヒアリング

私たちはどのようなコンテンツを作る場合でも資料の読み込みに始まり、競合調査、お客様へのヒアリングを原則として実施します。今回も強みを抽出するために十分な事前調査した上で、まずはお客様が話しやすい技術視点から事業部ごとに「何を強みと考えているか」をお聞きしました。

ヒアリングの際、特に意識しているのが「素人目線」と「玄人目線」のバランスです。CASE01のコラムでもご紹介したように私たちはBtoBの業界や商流に精通していますが、奥深く専門性が高いBtoBすべての技術や製品の知識を網羅しているわけではありません。その意味では、私たちはターゲットと同じ「素人」、技術や製品を知り尽くしているお客様は「玄人」と言えます。だからこそ、私たちはターゲットの視点で、お客様が見落としがちなポイントを抽出できるのです。

一方、コンテンツを作るからにはターゲットだけでなく、企業として伝えたいことも同時に重視する必要があります。「素人」と「玄人」、両方の視点から資料の読み込みや事前調査を十分に行った上で、時にはあえて「素人目線」での質問をしたりします。多角的にヒアリングすることで、これまで見えていなかった情報を引き出すことができます。

図1:技術視点から強みの要素を引き出すためのヒアリングシート

【制作極意2】

仮説からバックキャスティング的に強みを体系化

次にヒアリングした情報をワークショップ形式でお客様と議論しながらまとめていきました。各事業部からヒアリングした強みをグルーピングし、最終的に3つの大きな強みに絞り込んでいきます。しかし、ただ類似しているものをまとめるだけだと、MECEにならなかったり、「まとまったけど本当にこれでいいのだろうか?」としっくりこなかったり、ということがよくあります。

そこで私たちは仮説をベースに議論します。今回の場合、事前に社内で「おそらく強みはこの3つだろう」という仮説を立て、お客様に説明した上でグルーピングを実施。あるべき姿の仮説からバックキャスティング的に議論をしていくので、まとめる作業も短縮でき、本質的な議論に時間を使えます。また、この仮説そのものもお客様と議論をして調整していくので、最終的なアウトプットも「なんとなくまとまったもの」ではなく、「しっかりした議論を経た上でまとめたもの」として、お客様にとっても納得感の得られる結果になります。

このやりかたは仮説の精度がポイント。私たちは、長年BtoB製造業に特化した経験を元にしているからこそ、高い精度で仮説を出すことができ、本当の強みを導き出すことができるのです。

図2:ワークショップ形式で仮説ゴールからバックキャスティング的に強みを体系化(イメージ)

【制作極意3】

強みを可視化・言語化して制作の拠りどころを作る

イントリックスでコンテンツを作る際、どのようなストーリーで何を伝えるのかをまとめた骨子案を制作します。今回は前項で体系化した3つの大きな強みと、もう少し細分化した強み、強みを裏付けるエピソードを可視化・言語化して骨子案をまとめました。

骨子案として、具体的なドキュメントに落とし込むことは非常に重要だと私たちは考えています。なぜなら、企画や制作が進行していくと、時間の経過とともにどうしても当初の考えからズレていくことがあるからです。途中で議論が錯綜し始めたときに、この骨子案を拠りどころに考え直すことで、メンバー全員が同じ方向を向いて議論することができます。また、関係部署や外部パートナーの方に企画内容を共有するときにも、骨子案というドキュメントがあれば、齟齬なく内容を伝えることができます。

特に、今回のプロジェクトは「強みの認識がバラついている」というところからスタートしているので、抽出した強みを誰が見ても納得できる形に可視化・言語化する必要がありました。骨子案をまとめたことで、コンテンツで何を訴求すべきか、必要な情報は何かが明確になり、その後の制作フェーズもスムーズに進めることができました。

図3:強みを体系的にまとめた骨子案の一部

お客様も気づいていなかった強みが浮き彫りに

本プロジェクトでは、多種多様なお客様の技術の強みを大きく3つにまとめて体系化し、コンテンツ化することで、初見のターゲットが直感的に強みを把握できることをめざしました。

お客様の社内でも、暗黙知であった、また人によって解釈がバラついていた技術の強みが可視化・言語化され、拠りどころとして統一されたことがとても良かった、これまで自分たちでも気づいていなかったところにも強みがあったと再確認できた、との感想をいただきました。

難解で奥が深いBtoBの技術や製品をわかりやすく、魅力的に見せるコンテンツはイントリックスの得意領域のひとつ。今回ご説明した通り、その手法は斬新なもの・特別なものではなく、定番・オーソドックスという言葉がピッタリのやり方です。

しかし、だからこそ簡単に真似できる手法ではないと私たちは考えています。このやり方は定番であるがゆえに、ごまかしが効きません。長年BtoBに特化してさまざまな企業をご支援して積み重ねてきた私たちの知識や経験、ノウハウがあって初めて、高品質なアウトプットにつながるのです。

自社の技術や製品の特長や魅力がなかなかターゲットに伝わらない、そもそも何をどう訴求すればいいかわからないとお悩みのご担当者様は、ぜひ一度お話をお伺いさせてください。

著者プロフィール

コンテンツプランナーチーム

雑誌編集者やWebマーケター、BtoBライターなどの経歴をもつコンテンツ制作の精鋭が集まった経験豊富なスペシャリスト集団。
企業ブランディングの支援からマーケティングまで、BtoBビジネスに必要なコンテンツをゼロから生み出すクリエイティビティと守備範囲の広さを武器に、あるべき姿を描くコンテンツ戦略から制作・取材・執筆までを一手に担う。
ブランドコンテンツ、サステナビリティコンテンツ、IRコンテンツ、技術・製品紹介コンテンツ、導入事例、SEOコンテンツ、LP、ホワイトペーパー、オウンドメディア、メルマガ制作など、BtoBコンテンツに特化した実績が豊富。

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