BtoBデジタルマーケティングやWeb制作の情報と、イントリックスの日常風景をお伝えします。

突撃!イントリックスのキャリア人材
「当社のFEEは実力も気概もひと味違いました!」

対談・インタビュー
気賀 崇
イントリックスの特徴は、Webサイトにおける戦略の立案から要件定義、制作までを一気通貫で手掛けられること。各フェーズの専門家が密に情報共有を行い、設計の意図をしっかり踏まえたWebサイト制作を行なっています。今回は、Webサイト制作の大切な締めのプロセスを担うフロントエンドエンジニア*(以下、FEE)の嶌田と栫に、当社における実装の意義や醍醐味を聞きました。

*WebサイトやWebアプリケーションでユーザーが画面上で目に触れる部分の設計や構築を行う職種

筋金入りのFEEキャリア

気賀:
二人とは普段からよく話してるけど、FEE/コーディングについてはじっくり聞いたことはなかったから、このインタビュー、とても楽しみにしていました。じゃぁまず、自己紹介からお願いしようかな。

栫:
はい。FEE歴は10年です。もともと別会社でアシスタントディレクターとして運用案件に携わっていました。簡単なコーディングもしていましたが、そういう作業のほうが好きな自分に気づき、部署異動を経てFEEとしてのキャリアをスタートさせました。そのうち新規構築案件を任せてもらうことも増えましたが、あるとき自分の仕事が「作業」になっていることに気づきました。「マークアップ*って何のためにしているんだろう」「もっと上流工程から携わって設計視点で考えてみたい」という思いから転職を考えるようになり、イントリックスのお客さまへの向き合い方や気賀さんのものづくりへの熱意に感銘して、6年前に入社し、今に至ります。

*Webサイトを制作する際に使用するhtml言語でサイト内の文書に意味づけをしていく作業

嶌田:
私は小学生で初めてPCを使い、中学生で初めてインターネットに触れました。当時はJavaScriptでできることの幅が狭かったのですが、それでもコンテンツがぐりぐり動くのを見て、おもしろい!と思ったことをきっかけに、独学でコーディングを身につけました。2007年に就職する際も、制作をやりたかったので、大手の制作会社に入社。以来13年間コーディングに携わっています。イントリックスへの入社は、栫さんと同じ6年前。結婚を機に、落ち着いた環境を求めて転職してきました。

気賀:
二人ともほぼすべてのキャリアをコーディングに捧げてきた筋金入りのFEEなんだね。栫ちゃんは、イントリックスで制作に関わるようになって、何か変化はあった?

栫:
最初に衝撃を受けたのは、Webアクセシビリティ*などのコーディング以外の要素にも研究意欲が高く、知見が深い方が多かったこと。「見える部分を作ることだけがFEEの仕事ではない」ということを目の当たりにした瞬間でした。それから、イントリックスは大規模サイトを新規構築できることが特徴なので、テンプレートを作ることが多く、各国・事業部に展開しても破綻しないモジュール作りが重要になってきます。あと、グローバルWebの再構築案件も多く、言語の特性なども知っておく必要があります。経験値も重要ですが、知識のアップデートや想像力が特に求められます。

*年齢的・身体的条件にかかわらず、Webで提供されている情報にアクセスして利用できること

「プロジェクトの最終成果物を作る」という心構え

気賀:
FEEは最適な方法を考えながらコーディングを行ない、実際のサイトを構築する役割だけど、二人にとってはどんな仕事なんだろう?

嶌田:
Web制作の納品物ってコーディングで作るソースコードなので、プロジェクトの最終成果物を作っているという心構えで臨んでいます。全工程の最後なので、前工程で抜けているものがないかのチェックも、この仕事の大切な役割ですね。

栫:
イントリックスは、デザイン面でもお客さまに信頼いただいていると感じることが多くあります。さらに実装までの過程でたくさんのメンバーが「あるべき姿」に向けて議論を重ね続けている姿を目の当たりにしているので、「これは期待を裏切れない! 良い形にせねば!」……という使命感を持って携わることができます(時にはプレッシャーで押しつぶされそうになりながら…汗)。

気賀:
良い仕事をする上で、お客さまの期待や考えを感じられるのはすごく大きなことだよね。

嶌田・栫:
そうです!

気賀:
ハモってる(笑)。とは言え、コーディングがWeb制作の後工程であるからこその苦労もいろいろありそうだね。

嶌田:
「風呂敷広げ過ぎないでー」って思ってます(笑)。ただ、制作に入る前にPM(プロジェクトマネージャー)から、「制約条件のもとでこういうことができそうか」という相談を受けることがあるので、そういうときは裏側からコントロールしています。

気賀:
うちは大規模で複雑な案件が多いから、どのフェーズでも考えなければならない要素は多いんだけど、FEEが担うのは最後の工程。ローンチが迫って時間的猶予がなく、しかも前工程で確定している数々の制約のもとで解決策を見つけなければならないというのは、他の職種と大きく異なるところだと思う。針の穴に細い糸を通すような大変さだよね。

栫:
おっしゃる通り! マークアップだけじゃなくさまざまな角度から本当にびっくりするほどたくさんの要素を考えなければならないので超超超大変です。その中でも優先順位をつけながら与えられた期間で進めていくことがカギになるのかなと。
解決すべきことを整理し、答えを導き出し続けるセンスも求められる。何とか実現したいという意地と現実との間でいつも葛藤しています。そんなとき、嶌田さんはいつも最適な解を示してくれるんです。頼れる人が近くにいるというのは、とてもありがたいですね。

嶌田:
コーディングは多様なデバイスや読み上げソフトを使うユーザーにも情報が伝わるように書かなければなりません。そのためには文書構造を守る必要があります。PCを使うのは室内だけど、スマホは屋外ですよね。となると、コントラストや移動中の回線スピードへの配慮も不可欠に。ユーザーの閲覧環境が多様になるにつれて、目配せが必要なポイントも増えていると感じます。

常に新しい課題が待ち受けている

気賀:
いろいろ苦労する点があっても、結局二人ともずっとこの仕事を続けている。好きだからこそと思うのだけど、どこに醍醐味を感じているの?

嶌田:
自分が納得できるサイトを作れるとうれしいですね。特にイントリックスは技術的に難しいというより、要件がやっかいな案件が多い(笑)。だから大変なことも多いけど、やっかいであればあるほど、「いろいろ考えた上で今回はこれが最適じゃないかな」と思える落としどころを見つけられたときの喜びはひとしおです。

栫:
私は、毎回新しい課題に出会えるところ。シンプルそうと思った案件でも必ず課題が待ち受けている。不思議なことに、それは今の自分に必要な課題でもある。もがきながらも実現できたときが一番うれしい!

気賀:
難しいことのオンパレードだと、その分だけ達成感も大きくなる。

栫:
例えば、デザイナーの山崎さんのひらめきやアイディアがすごい。一見すると、それは不可能そう……というデザインでも、実は実装面を含めて入念な調査の上でベストなものを導き出していて、ちゃんと実装者とのすりあわせの場も用意してくださる。だからこそ難しそうなデザインでも何かしらの解決方法はあるんです。先を見据えて自分を引っ張ってくれている感すらあります。「次の課題はこれだ!」という感じで難題にチャレンジしていく……良い意味で、鬼コーチみたいです(笑)

気賀:
最大限のストレッチを狙ってぎりぎりを仕掛けてくるとは、山ピーもいやらしいねぇ。スノボのときもそんな感じだよ。ところで、FEEから見たイントリックスのWeb制作の特徴と必要な視点を教えてくれるかな。

嶌田:
BtoCに比べると技術要件は保守的と言えます。例えば日本の製造業では、Windowsで標準装備されているブラウザのInternet Explorerの利用率が高いことがネックになって、挙動や表現を諦めなければならないこともあります。Webサービスを運営する企業のFEEが日々新しい技術にチャレンジしているのと比べると地味ではあるけど、DXの流れは不変ですから、この差の解消は時間の問題だと思っています。

栫:
お客さまの業種・業態の理解も必要ですよね……。FEEに限らず、ですが。

嶌田:
他の職種の視点に興味を持つこともとても重要です。例えば、デザイナーが何かの要素を天地中央に配置する場合、目の錯覚を考慮して少し上側にずらして置くことがあります。FEEがそのことを知らずに、数値上の真ん中に置いてしまうと、せっかくのディティールが失われてしまう。こうした異なる職種との連携の間にこぼれ落ちるものをできるだけ少なくできたら、と考えています。

制作の担い手としての責任

気賀:
最後に、今後のチャレンジについて聞かせてくれるかな。

栫:
個人目標としては、特にJavaScriptでの実装力の強化をめざしています。昨年はありがたいことに、社外の方が技術メンターについてくださる機会がありまして、その過程で学ぶことが大変多く、改めてこの仕事の楽しさ(大変さも含む!)を知ることができました。ただ、その学びを十分に消化する余裕がなかったので、この1年は得たものを自分の中で整理しながら今以上に自分の血肉にし、さらなる品質向上につなげていきたいです。

嶌田:
イントリックスにはさまざまなバックグラウンドを持つ人が集まっていて、入社時点では制作の知識・経験がない人もいます。制作について知ることは、戦略部門やテクノロジー部門であっても、良い価値をクライアントへ提供することにつながるはず。私たちは、その社内浸透を主導していきたいと思っています。

気賀:
たった1時間だったけど、嶌田さん、栫ちゃんの気概がすごく伝わってきました。それに、後進の育成や全社での制作理解の必要性など、広い問題意識を持ってくれていることも。何より、二人がこの仕事を心底楽しんでいるのが感じられて、本当に有意義な時間でした。今日はどうもありがとう。

嶌田・栫:
ありがとうございました!