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BtoBマーケティングコラム BtoB製造業における製品サイトの重要性と実現アプローチ
2023年1月19日
Index
はじめに〜製品サイトの重要性と実現にむけて
本稿では、BtoB製造業における製品サイトの重要性と実現にむけてのアプローチについて、20年にわたりBtoB製造業のデジタルコミュニケーション基盤づくりを支援してきた筆者の立場から解説する。
製造業におけるデジタルコミュニケーションの重要性
「お客様の購買行動の変化による見えない機会損失が生じている」
筆者は2000年より20年以上に渡りBtoB製造業に特化したデジタルコミュニケーション支援を手掛けてきたが、2015年くらいからこのような声を顧客から直接耳にする機会が増えている。
こういった声が増えてきた背景として挙げられるのが「BtoBユーザーの購買行動の変化」だ。米CEBが2011年に発表したレポートでは“57%のユーザーが営業担当者に会う前にサービスの比較検討を済ませている”という調査結果が話題になった。
これまで購買プロセスの初期段階で営業マンに相談してきたユーザーが、比較検討までを済ませてから企業を絞り込んで相談してくる形に行動が変わり、その結果としてこれまでは候補に入っていた一部の企業に相談が来なくなった、というものだ(図1)。
CMO Councilでも「BtoBユーザーの10人中9人がオンライン上のコンテンツは購買決定への影響が中または大」との調査結果を発表している。
このような見えない機会損失に加え、多くのBtoB製造業で顕在化している機会損失として挙げられるのが「グローバル全体でタイムリーに製品情報が共有できていない」という問題だ。
日本の製造業のデータマネジメント成熟度はグローバルレベルで見ると遅れており、1,000億以上の規模の企業でも製品情報や関連する販促情報をすぐに利活用できる状態になっていないことが珍しくない。
結果として、デジタルチャネルにおいては製品リリースから情報公開までのタイムラグが発生し、タイムリーに営業マンや顧客に鮮度の高い製品情報や販促情報を提供できず機会損失につながっている。
さらには営業マンの情報・知識格差問題も深刻化している。人口減に伴う営業系人材の減少や商品・サービスの高度化・複雑化によるベテラン営業と若手営業の情報・知識格差や本社と海外拠点営業の情報・知識格差は広がっている。
こういったBtoB製造業が直面している課題を解決していくための営業支援ツールとして、デジタルマーケティング基盤の重要性は益々高まっている。
日本のBtoB企業のWeb活用ステージ
では、このような状況の中で日本のBtoB企業のWeb活用の取り組みは現状どうなっているのか?
筆者は日本のBtoB企業のWeb活用ステージを3つのステージに分けて考えている(図2)。
ステージ1:活用のための土台作り
第一段階となるステージ1では、企業にとってのWebサイトの位置づけは“単なる情報発信ツール”の一つに過ぎない。
このステージでは企業が保有する情報を企業視点で如何に効率よく提供するか、に主眼が置かれておりユーザーから見た利便性や情報検索性など顧客体験を意識した情報発信への意識はWebサイトからあまり感じられない。
また、ユーザー視点が弱いため、発信される情報の見せ方や内容もユーザーの知識レベルや関心事が考慮されたものにはなっていない。
このようなレベル感で情報発信を行っているBtoB企業の割合はいまだに多い。筆者の所感では、日本のBtoB企業の40~50%がこのステージ1に留まっている。
ステージ2:デジタル接客の仕組みづくり
第二段階となるステージ2はステージ1とはWebサイトの位置づけが大きく変わり、“営業支援ツール”としての顔を持つWebサイトとなる。
業種や企業規模により温度感の差はあるものの、Web活用意識の高い企業がサイトリニューアルで目指す姿としてはステージ1からステージ2へシフトしつつあると筆者は考えている。
このステージ2では、ネット経由での見込客の育成・獲得やリード獲得を如何に効率よく実現するか、を意識したWebサイトおよびデジタルマーケティング基盤づくりに各企業が取り組んでいる。
情報発信においては、ユーザーの知識レベルや関心事、購買段階を意識したコンテンツ・機能の提供がされており、サイトを訪れたユーザーが目的の情報にすぐに辿りつける顧客体験設計がなされている。
このステージ2に相当するレベル感でWeb活用を行っている日本のBtoB企業は全体の8~10%程度というのが筆者の所感ではあるが、ステージ1からステージ2に向かおうとしている“ステージ1.5”の企業は年々増加傾向にあり、全体の30~40%くらいになるのではないかと考えている。
ステージ3:デジタル営業の仕組みづくり
第三段階となるステージ3はステージ2からさらに発展し、デジタル営業の仕組みが確立されている、真に売上貢献につながるWebサイトとなる(図3)。
このステージでは、ネット経由で高見込客を育成・抽出する仕組みが属人性なく確立されており、KPIも“1日当たりのWeb経由売上高”など売上貢献に直結するものとなっている。
情報発信も顧客の属性情報や行動情報を踏まえたパーソナライズやレコメンドの仕組みを備えており、引合につながる行動をどのレベルで行ったかに応じて営業マンが電話でフォローする、ツールが行動シナリオに応じてフォローメールを自動で打つ、などのフローがルールに沿って行われている。
また、ネット経由で収集した顧客データを収集・分析して顧客ステージの判定ロジックや見込客リストの精度をチューニングするなどの取り組みをデータ分析の専門スキルを持った人材が週次レベルで行っている。
このステージ3に相当するレベルでWeb活用を行っている日本のBtoB企業は全体の2~3%くらいではないかというのが筆者の所感である。
以上、筆者の考える日本のBtoB企業のWeb活用ステージを紹介してきたが、このWeb活用ステージの話と類似性を感じるキーワードが “2025年の崖”というものだ。
“2025年の崖”というのは経済産業省の「DXレポート」で問題提起されたキーワードで、既存のITシステムの陳腐化とそれを支えるIT技術者の不足、新しい技術に対応できないことによる企業の競争力低下が国全体に大きな経済的損失をもたらす、というものだ。
国レベルの損失とまでは行かないが、顧客接点のデジタル化を推し進めて新たな価値提供に取り組んでいる企業と顧客接点のデジタル化を軽視し、従来のレガシープロセス/組織から脱却しない企業との間では徐々にデジタル空間上での競争力の差がつき始め、あと5年もすれば大きな格差となって顕在化するのではないかと考えている。
サービス視点で顧客接点のデジタル化を考える
では日本のBtoB企業はこれからのWeb活用をどのように考え、取り組んでいけばよいのか?
顧客接点のデジタル化を考える上で重要なキーワードになると筆者が考えているのが“サービス視点”である。
先に述べてきた日本のBtoB企業のWeb活用ステージのうち、ステージ2以降に相当する企業が意識しているのが“リアルと同じサービスをデジタル上でも提供する”ということだ。
認知・啓蒙から製品の比較・検討~購入~アフターサポートなど購買プロセス全体をデジタルチャネル上でどう実現し、良質な顧客体験を提供し、顧客エンゲージメントを深め自社ビジネスへの貢献度を高めていくか。
Web活用企業は単体プロセス・単体サイトの視点ではなく、購買プロセス全体・サイト群(企業が保有する複数のサイトを総称して本稿ではサイト群と呼ぶ)視点でサービスをどう提供するかを考えている。
こういった思想の元でWeb活用に取り組んでいる例としては、大手制御機器メーカーのキーエンスが挙げられる(図4)。
出典:
①センサとは.com|キーエンス
②業界別センサIoT活用事例サイト|キーエンス
③測定機ナビ|キーエンス
④外形寸法図/入出力回路図:ファイバユニット|キーエンス
キーエンスでは、潜在顧客との接点づくりとして基礎知識コンテンツを提供するサイトにも力を入れている。ここでキーエンスを知らない潜在顧客に有益な情報を提供してまずはキーエンスを知ってもらう認知・啓蒙から取り組んでいる。
キーエンスを知った潜在顧客は購買検討段階に入ると見込顧客としてサイトを訪れるようになるが、ユーザーの知識レベルや関心事には当然ながらバラツキがある。
こういったケースを想定して、知識レベルの低いユーザー向けには直感的に目的の製品が選択できる選定ツールへ、知識レベルの高いユーザー向けには詳しい情報を詳細絞り込み検索で得られるツールへ誘導するなどの工夫を行っている。
また、サイトを訪れたユーザーが何らかの引合行動もしくはそれに準ずるような行動につながるようなパーソナライズやレコメンドも行っている。
こういったサイト上でのユーザーを先回りした細やかな配慮はまるでリアルの営業マンがそこにいるかのような感覚を覚える。まさに“24時間365日働く営業マン”としてWebサイトを活用しようという強い意識が感じ取れる。
このようなサービス視点で自社プラットフォームを構築し、デジタル活用を推進すべきと考えている企業の裾野は確実に広がっている。
弊社が最近ご支援した売上数百億規模の機械メーカーでは、ものづくり中心型のビジネス形態からサービス提供中心型のビジネス形態へ変革していく中で、デジタルチャネルにおいても購買プロセス全体を俯瞰した顧客体験設計が重要であることに気づき、サイト群全体の顧客体験デザインを強く意識した運営を行っている。
売上数百億規模のBtoB製造業でこのような全体視点をもってWeb活用を考えるケースは非常に珍しく、BtoBにおいてもWeb活用の裾野が広がってきたことを実感するとともに、今後企業間でのWeb活用の格差が開くスピードが加速していくことを感じた印象的な出来事であった。
営業ツールとしての製品サイトを実現するために必要なもの
BtoB製造業がサービス視点で自社サイト群を捉えたとき、今後さらに重要度が増してくるのが、製品情報を提供する製品サイトの位置づけと情報提供のあり方だ。
ここでは、数千点以上の製品情報を持つBtoB製造業における製品サイトのあり方を考えてみたい。
製品サイトを実現するにあたりまず考えるべきは、購買プロセス全体の中での製品サイトの役割の明確化だ。
最終的に引合獲得につなげるためには、購買プロセスの比較検討~問い合わせに至る過程で必要となるコンテンツ・機能を製品サイトで提供する必要がある。
具体的には、ユーザーが製品を比較検討するための製品情報やその関連情報、用途・目的に応じて必要な製品をすぐに見つけ出すための各種検索機能、資料ダウンロード機能、ユーザー事例などが必要となる。
上記に挙げた情報や機能をタイムリーかつ効率よく情報発信するためには、CMS(コンテンツ管理システム)やPIM(製品情報管理システム)、DAM(デジタル素材管理システム)などが必要となる(図5)。
数千点以上の製品情報をグローバル全体でタイムリーに各種媒体で利活用するためには、SKU単位で製品情報と各種関連情報を紐づけて管理できるPIMを起点としたデータマネジメントが必要不可欠となっている。
また、Webサイトに製品情報をタイムリーに公開するためには、SKU単位で管理された製品データをCMSで取り扱うページ単位に情報の見せ方を含め再構成し、取り扱う必要があるため、PIM-CMS連携も必須となっている。
PIMで管理された製品情報は、製品情報ページや製品検索・比較機能など購買プロセスの比較・検討段階でユーザーに提供する重要なコンテンツ・機能となる。
このとき、顧客体験デザインを意識しているか否かでこれらのユーザーから見た使い勝手は天と地ほども差がつき、その後の引合行動へ影響する。顧客体験デザインへの企業の意識差は、Webサイトに如実に表れるのだ。
例えば、製品検索・比較機能などの場合、顧客体験デザインを意識しているか否かは検索の切り口などから伺い知れる。意識している企業では「目的から探す」「用途から探す」「後継品を探す」などユーザー視点に立った切り口が用意されており非常に使いやすい。
一方、あまり意識していない企業では「型番から探す」「製品カテゴリから探す」といった一般的な切り口しか用意されていない。後者のような顧客体験デザインの意識が低い企業は、こういった使い勝手の部分で見えない機会損失をしている。
顧客体験デザインの意識が高い企業は“人間中心設計”や“サービスデザイン”といった高い顧客体験を提供するための考え方を取り入れて情報の見せ方・機能提供のあり方を考えている。
このような高い顧客体験を提供することにより、サイトを訪れたユーザーが目的の情報に辿りつき引合につながるアクションが起こりやすくなる。
また、その際のユーザーの属性情報や行動情報を収集・分析してフォローアップする仕組みとしてMAとインサイドセールスが重要となってくる。
2014年頃に日本市場に上陸したMAは“マーケティングオートメーション”という言葉の響きから多くの企業に導入されていったツールの一つではあるが、かなり錯覚されているツールの一つだ。
MAツールを導入して成果を挙げるためには、顧客ステージを数段階に分けて定義して各ステージから次のステージに移行させるための顧客体験設計を行い、アクションを促すための良質なコンテンツ提供や“育成リード”を”有望リード”に転換させるためのインサイドセールスの動きが必須となるのだが、そういった泥臭い面があることを十分に理解しないまま導入している企業が少なくないと感じている。
このように営業ツールとしての製品サイトを実現するためには、戦略、コンテンツ、システム、体制・プロセス、それぞれのテーマをしっかりと考え取り組む必要がある。
実現にむけてのアプローチと検討課題
最後に、優れた製品サイトを実現するためのアプローチについて考えてみたい。
ここでは「数千点以上の製品情報を持つBtoB製造業の製品サイト」を前提とする。
優れた製品サイトを実現するためのアプローチとして、①全体構想、②プロジェクトデザイン、③関連プロジェクトを束ねる全体統括役(PMO)の設置が重要と筆者は考えている。
全体構想
全体構想では「誰に」「どんな価値を」「どのように提供するか」「どのように営業活動に活かすか」を3~6ヶ月かけて取り纏めていく(図6)。
サイトを訪れるユーザー像を整理し、各ユーザー毎に目的や興味・関心事から必要となるコンテンツ・機能と優先度を期待行動と併せて整理をしていく。
このような整理はターゲットユーザー像を軸としたものだけでなく、各事業毎に購買プロセス軸でも整理をする。例えばBtoBユーザーの購買プロセスモデルの一つであるASICAモデルなどで購買プロセスの各段階でリアル/デジタルでユーザーにとってほしい行動を整理し、その行動を促すためのコンテンツ・機能、システム、業務フローを考える。
次に取り組むテーマとしては、「コンテンツ・機能の優先度」だ。各部門へのヒアリングやアンケート結果などを元にリニューアルで取り組むべきテーマの優先度を洗い出していく。
例えば、「ビジネステーマの重要度」と「現状の達成度合い」を縦軸・横軸に取り、4つの象限にマッピングをしていくと、ビジネステーマの重要度が中~高で現状の達成度合いが低~中程度のテーマが左上の象限に表れる。
この左上の象限のテーマを1年目に着手し、2年目は右上の象限のテーマといった形で数多あるテーマの中から本当に重要度の高いものを導きだしていく。
以上、全体構想で行う取り組みの一部に触れたが、こういった検討を毎週2~3時間ディスカッションしていき、プロジェクト関係者の共通言語となる企画構想書を取り纏めることがプロジェクト初期段階では非常に重要だ。
知識レベルや利害が異なる関係者のプロジェクト理解度が深まり円滑なプロジェクト推進につながるとともに、投資対効果や実現性の観点から絞り込まれた本当に重要なテーマがリニューアルのスコープとなるため、非常に有益かつ投資対効果が高い取り組みである(図7)。
プロジェクトデザイン
全体構想で描いた姿を具現化していくために次に取り組むべきは“プロジェクト全体のデザイン”だ。
昨今のサイトリニューアルでは、サイトを下支えするデジタルマーケティング基盤の要素としてCMS、PIM、MA、SFA、EC、各種機能といったように考えねばならないテーマが多岐にわたるが、これらのテーマを全体俯瞰して整合性を取りながら進めて行くことの重要性に気づいていないケースがほとんどである。
例えば、Webサイトでどのような製品ページとして見せるか、そのためにどのようなデータをPIMで持つかを先に考えてからPIMに格納する製品データの検討を行うべきだが、実際のプロジェクトでは個別に進められるケースが多く、PIM導入が先行して進むことが多い。
結果として、”情報の見せ方“と”データの持ち方“のギャップが大きくなり、そのギャップを追加機能開発や個別運用などイレギュラー対応で埋める形となり、プロジェクトの投資額が数千万単位で膨らむことも珍しくない。
こういった問題が起こらぬよう、関連する複数プロジェクトを俯瞰して進め方、マイルストーンやスコープ調整を行うプロジェクトデザインが重要となる(図8)。
例えば、PIM-CMS連携を伴うサイトリニューアルでは、「PIM導入プロジェクト」と「サイトリニューアルプロジェクト」の2つのプロジェクトが並行して進むケースが多いが、2つのプロジェクトを俯瞰して最適なスケジュール、マイルストーンで進められるような全体調整を行うべきだ。
具体的には、PIMに格納するデータ構造を決める「データモデル設計」とWebサイトでの製品情報の見せ方を決める「ページレイアウト設計」の2つのタスクがスムーズに連携するようなスケジュール調整を行い、両プロジェクトの関係者で密にコミュニケーションを取りながら進めていく。
弊社が手がけた製品サイトリニューアルでは、初期段階で俯瞰視点でプロジェクトデザインを行い、両プロジェクトを円滑に進めながら全体のプロジェクト品質が最大化されるようなアプローチを取り、プロジェクトを成功に導いている。
全体統括役(PMO)の設置
プロジェクトデザインを行った後、大規模なリニューアル案件を成功させるために重要となって来るのが、プロジェクトの全体統括役(PMO)の設置だ。
数多くの大規模プロジェクトに携わってきた中でプロジェクト成功率が下がる要因として挙げられるのは主に下記4点と考えている(図9)。
この内、発注企業側のリソース不足以外の3点において有効な役割を果たすのがPMOである。PMOは、複数PJ・ベンダーにまたがる課題やリスクを先回りして可視化・把握し、俯瞰視点で調整・全体推進を行うプロジェクト全体の推進役である。
PMOの立ち位置や役割については、様々な考え方があるが弊社でPMOを手掛ける場合、主な役割としては、「①全体視点でのプロジェクト推進支援」と「②ベンダー間にまたがる課題の抽出と対策検討」を担う(図10)。
昨今のサイトリニューアルPJはテーマが幅広く、1社だけで完結することは困難となっている。このため複数ベンダーでそれぞれの特長を発揮しながら進めていくことになるが、全体調整役が不在だと各ベンダー視点の個別最適に陥り、ベンダー間にまたがる問題を誰も拾おうとせずにプロジェクトが進んでいくことになる。
当然ながらそのような進め方でうまくいくわけもなく、重大な問題が遅いタイミングで発覚し、スケジュール遅延やコスト増、品質低下などが発生する。最悪のケースでは問題を解決できずプロジェクト凍結に至ることもある。
大規模プロジェクトを当初計画したQCDで実現するためには、常に半年先までを目安に想定されるリスクを考え、先回りしてリスクの芽を摘みながらプロジェクト全体を推進していく必要がある(図11)
まとめ
本稿ではBtoB製造業における製品サイトの重要性と実現するためのアプローチ方法について、筆者のこれまでの経験をもとに述べて来た。
日本の製造業がグローバルでの存在感や競争力を高めていく上で、顧客接点のデジタル化は事業成長のドライバーとなる重要テーマの一つとなっている。
その重要性・ポテンシャルに早期から気づいた一部のBtoB製造業は自社プラットフォームをデジタル接客・デジタル営業のツールとして高い中長期目標を掲げて組織づくり・人づくりを含めて本気で取り組んでおり、実際に成果も挙げている。
自社のビジネスを成長させるために顧客接点のデジタル化にどのように取り組んで行くべきか、その際の自社プラットフォームのあり方はどうあるべきかを考える1つのきっかけとして本稿を役立てていただければ幸いである。
著者プロフィール
広告ビジュアル制作最大手のアマナにてストックフォト事業のデジタル化を技術責任者としてリードした後、大手Webコンサルティングのサイエントにてテクノロジー担当ディレクターを務める。
2009年にイントリックスを設立し、取締役CTOに就任。都市計画の視点と顧客体験価値の最大化を軸に20年に渡り様々なBtoB企業のデジタルプラットフォームの企画構想、具現化を支援している。
BtoB企業のデジタルコミュニケーションを総合的に支援しています
BtoB企業に特化したサービスを提供してきたイントリックスには多くの実績とノウハウがございます。現状のデジタル活用の課題に対し、俯瞰した視点でのご提案が可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
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BtoB企業のデジタル活用を支援してきた各分野の経験豊富なコンサルタントが、マクロな調査・戦略立案からミクロなデジタルマーケティング施策まで、デジタル活用の悩みにお応えします。
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