BtoBマーケティング人材の育成とマーケティング戦略
BtoBマーケティングに必要な人材とは
製造業にBtoBマーケティングが広がっていない理由の一つに、人材不足があります。業界的に人材が少ないことに加え、小さな製造業ではマーケティングの選任を雇う余裕がありません。しかしここまで述べたように、今や製造業界の中で生き残りをはかるためにもマーケティング人材の採用は急務です。
それではBtoBマーケティングを始めるために、どのようなスキルの人材が求められるかを見てみましょう。
リサーチャーの仕事は、市場を分析し需要を探したり自社の強みを明確化することです。まずは消費者の好みや関心、他社や業界全体の動きを分析し、自社が強みを発揮できる道を探ります。
その際には、データや情報収集に基づく分析力が求められます。
オンラインでの情報収集が主流となった現在あらゆる業界で求められているマーケターは、「オンライン上のデータ解析ツールを駆使して、数値に基づく分析ができる」「MAやSFAのシステムを使いこなせる」人材です。
カスタマーサクセスとは、単に顧客の質問に答えるカスタマーサービスとは異なり、顧客満足度を高めてサービスの継続利用を図ったり、ワンランク上のサービスを提案するなど、高いコミュニケーション力と提案力が求められます。新規開拓が厳しくなる現在、カスタマーサクセスは重要なマーケティング手法として大きな注目を集めています。
BtoBマーケティングに必要な人材を育成する方法
社内からマーケティング人材を抜擢する際には、ロジカルな考え方ができる人・ジェネラリストな気質を持っていることが重要条件になります。そういった気質以外には、以下のような要素が求められます。
- 自社の製品やターゲットについて熟知している人材(営業経験があり顧客接点の多い人や社歴が長い人など)
- 分析やデータに強い人
- システムに強い人
- コンテンツづくりや広告に強い人
これらの素質や経歴を持った人を選んだ上で、e-ラーニングや専門の外部講師を招くなどして「BtoBマーケティング」についてのインプットを行います。重要なのはインプットと実践をバランスよく行うことです。またBtoBマーケティングは営業部門に近いため、受注率やリード数などで評価をされるケースが多いですが、マーケティング施策の結果がすぐに出るとは限らない上に「たまたまで再現性がない成功」の場合もあるので、数値目標だけで判断するのは危険です。
競合他社のマーケティング戦略の調査
BtoBのマーケティング施策を考えるに当たって重要なことが、競合調査と競合他社が行なっているマーケティング施策を調査することです。競合のマーケティング内容を分析することで競合の強み・弱みも見えますし、またそれにより無駄に同じ土俵で戦うことを避けることもできます。
競合が圧倒的なシェアや強みを持っている分野にあとから乗り込むことは得策ではないケースが多いので、「競合がどの位置にあるのか」を把握することは、自社のマーケティング活動の上でも重要です。
競合他社の調査としては、以下のようなことが挙げられます。
- どのような展示会に出展しているかでターゲットが見える
- ネット広告の出稿キーワードの調査をすることで、何を強みとして売り出しているのかが分かる
- フレームワークに競合の情報を当てはめることでマーケティング戦略が見えてくる
BtoBマーケティングで導入すべき3つのツール
BtoB商材はBtoCに比べて検討の期間が長く一方で、一瞬で購入することもあれば長年情報収集していてある時突然具体的に検討を始める場合もあります。また顧客の入口も展示会や自社ホームページからの問い合わせ、紹介など様々なので、個々の顧客の動きを把握・取りこぼさないためには様々なツールで顧客動向をしっかりと把握して最適なフォローをすることが重要です。BtoBマーケティングに特に必要なツールは以下の3つですので、マーケティング担当者はしっかり使いこなせるようにしてください。
MAツールはマーケティングオートメーションの略で、新規顧客獲得における一連のマーケティング施策や状況を管理し可視化するツールの総称です。MAツールは、様々なルートから企業が獲得した見込み顧客(リード)を育成し、受注確度を高めた状態で営業部門に渡すまでの流れを自動化・仕組み化します。
SFAとはSales Force Automationの略で、営業の見える化を実現し、営業の生産性の向上や業務改善を支援するツールです。元々は営業の俗人化を防ぐためのツールですが、顧客管理や案件管理も行えるため、マーケティング施策にも利用できます。
BtoBマーケティングに欠かせない手法として、webの分析が挙げられます。現在は多くの企業が自社のホームページに力を入れているため、ホームページからの問い合わせも増えているからです。リード獲得を増やすためにも「どのページがよく読まれているか」「どのキーワードでホームページにたどり着いたのか」などの分析が重要で、その際にはGoogle Analyticsなどのweb解析ツールが必要です。