BtoBマーケティングコラム 【BtoB企業向け】検索ユーザーの意図と行動から考えるSEO施策のポイント3選(事例あり)

2024年11月21日

メルマガ、SNS、データ分析などさまざまな施策があるデジタルマーケティング。その中でも「とりあえずSEOをやってみよう」とSEO施策に取り組まれているマーケティングご担当者の方は多いのではないでしょうか。しかし、そもそも何から手を付ければ良いか分からなかったり、なかなか効果が表れなかったりすることもあるかと思います。

そこで今回はBtoB企業のプロジェクト事例を踏まえて、SEO施策で効果を出すポイント3選をご紹介します。ぜひ現在の取り組みにお役立ていただければと思います。

とあるBtoB企業様のSEO施策事例

製品の特定シリーズの認知度向上を目的にSEO施策を実施

今回、ご紹介するのは電機メーカー様の事例になります。製品の特定シリーズの認知度向上を目的に、製品カテゴリの名称を主なSEOキーワードとして、製品詳細ページでSEO施策を実施されていました。施策の方向性検討からコンテンツ制作・ページ公開までメーカー様で行われていました。

目的 製品の特定シリーズ(≒型番)の認知度向上
SEO対策ページ 製品詳細ページ
SEOキーワード 製品カテゴリの名称

弊社ではメーカー様が制作したページを対象に、SEO対策の効果測定と改善提案をご支援させていただきました。

別コンテンツが対策キーワードの上位を獲得していることが判明

しかし効果測定の結果、SEO対策を施したはずの製品詳細ページは、狙ったSEOキーワードではGoogleの検索結果順位の100位以内にランクインしていない期間がほとんどでした。

さらに深堀りして分析していくと、今回対策したかったSEOキーワードでは、全く別のコンテンツである製品用途紹介ページが検索結果上位を獲得していることが判明しました。同ページには今回対策したかったSEOキーワードと、検索意図にマッチした情報が多く盛り込まれていたこともあり、Googleからの評価を受けたと考えられます。

一方、その製品用途紹介ページには、今回認知を拡大したい特定シリーズに関する記載はなく、アクセスを増やしたい製品詳細ページへの導線もない状態でした。

そのため、イントリックスからは製品用途紹介ページでの特定シリーズに関するコンテンツ・リンクの追加、またはページ全体の刷新をご提案させていただきました。なかなか効果が出ていない製品詳細ページだけで施策を続けるよりも、認知拡大や流入につながるためです。

ユーザーの検索意図とSEO対策ページのミスマッチが原因に

製品詳細ページにおいて、製品カテゴリの名称というビッグワードをキーワードにSEO対策を行うのは、ページもキーワードも製品に関連するため一見何ら問題ないように思えます。しかし、製品カテゴリの名称で検索するユーザーは、企業の特定シリーズの製品の情報を求めていると言えるでしょうか。もっと手前の、そのカテゴリに属する製品でできることや技術の仕組みを知りたがっていると想定されます。思うように効果が出なかったのは、狙ったSEOキーワードにおけるユーザーの検索意図とページの内容が合っていなかったことが要因です。

また、企業の製品詳細ページにたどり着くユーザーは、購買の確度が高まっている段階であるため、敢えてSEO対策せずともサイト内外からの流入を一定度稼げるともいえます。

つまりSEO施策ではまず、ユーザーがどんな粒度の情報を求めているのか、どの程度の購買の確度にいるのかという、ユーザーに対する理解が求められるのです。次章では、ユーザー行動と態度変容を整理などSEOのポイントについてお伝えします。

SEOで効果を出すためのポイント3選

ユーザー行動・態度変容の整理とSEO施策は1セットで実施する

今回の事例のように、ユーザーが求めている情報を整理しないままSEO施策を進めてしまうと、往々にしてSEOの効果を発揮するのは難しくなってしまいます。「どんな属性で、どんな情報を求めているユーザーがターゲットか」「実施するデジタルマーケティング施策やそれに関するコンテンツの役割・目的」「どのようなコンテンツでSEO施策を行うとより効果を発揮できるのか」が不透明なままとなってしまうためです。

そのため、ユーザーが製品の購買プロセスにおいて、どんな行動を辿っていて、それぞれの段階でどんな粒度の情報を求めているのか。どのコンテンツであれば、ユーザーの求めている情報やニーズを満たしうるのか、SEO施策の対象となるコンテンツとセットで整理する必要があります。

ユーザーの行動や態度変容の整理にあたっては、顧客が製品やサービスを知り、購入し、利用するまでのプロセスを視覚的に表現できるコンセプトダイアグラム作成がおすすめです。コンセプトダイアグラムとは、ユーザーが目標を達成するまでの行動・態度変容とそれに対応するマーケティング施策を図解するフレームワークです。整理の方法はさまざまですが、ユーザーの自社製品・サービスに対する理解度と、製品・サービスを使ってみたい気持ちが強くなっていくユーザー体験の高まりの2軸で整理することが一般的です(図1を参照)。

図1:コンセプトダイアグラム

コンセプトダイアグラムはユーザー目線で整理するため、ユーザーの行動・態度変容ごとに効果的な施策や、未着手の取り組みを把握するのに役立ちます。例えば、コンセプトダイアグラムの前半部分に記載のある「顧客が漠然と情報収集」「課題が明確になる」といった段階の人は、情報収集や課題解決のためにインターネット検索を行っているはずです。一方で、製品詳細ページのようなコンテンツをユーザーが求めるのは、中盤~後半部分に記載のある「ソリューションについて理解した段階」です。結果、SEO施策はコンセプトダイアグラムの前半で登場するコンテンツで行うと良いことが分かります。

SEOキーワード選定ではユーザーの検索意図を重要視する

Googleの検索品質評価ガイドラインで提唱されているNeeds Metという考え方があります。Needs MetとはGoogleの評価概念のひとつで、各コンテンツに対しユーザーのニーズ(需要)を満たしているかどうか、キーワードとコンテンツの内容に相違がないかを評価するものです。

言い換えれば、どんなに内容が充実した素晴らしいコンテンツを発信しても、キーワードの検索意図と合致しない、ユーザーが求めていないコンテンツであれば、SEO対策で効果を出すのは難しいのです。そのため、キーワード選定においてはユーザーの検索意図に応えることを重要視し、キーワードに含まれる検索意図が制作しようとしているコンテンツにマッチしているか検討しましょう。

検索意図の把握に、特別なツールを使う必要はありません。まずは対策しようとしているキーワードをGoogle検索し、現状Googleに評価されて上位に表示されているサイトの内容から、どのようなコンテンツが高く評価されているか確認しましょう。例えば、以下のような具合です。

例1:ソリューション系のページが検索結果上位のサイトに多くランクインしていれば、課題解決方法を求める検索意図が見える

例2:基礎知識系のページが検索結果上位のサイトに多くランクインしていれば、基礎知識を求める検索意図が見える

検索ボリュームの多寡には惑わされないようにする

SEOキーワード選定において、検索ボリュームも大事な要素の一つです。しかし、BtoBの世界ではどのキーワードも検索ボリュームが少ない傾向で、不安を感じられる方もいらっしゃるかと思います。

ただ、いくらボリュームが大きいキーワードを狙っても、検索意図に応えられていなければ、検索結果上位には上がりません。例え上がったとしても検索意図に応えられていないので、クリックされなかったりすぐに離脱されてしまったりと、コンテンツ内で狙ったアクションも取ってもらえないのが実情です。

またSEOにおいては、対策したキーワードでしか検索結果に表示されないということはなく、実際にはさまざまなキーワードで流入されます。検索ボリュームの多寡には惑わされず、検索意図に応えることを重要視しましょう。

まとめ

弊社へのSEO関連のご依頼においては、今回の事例のようにコンバージョンに近いページでアクセスを集めたいというものが多く含まれますが、効果を出すのはなかなか難しいのが実態です。

競合サイトが獲得しているキーワードを確認するなど、この記事でお伝えした内容以外にも効果的なSEO施策を検討する手段はさまざまありますが、まずは上記のコンセプトダイアグラムの考え方を用いてユーザー行動と態度変容を整理することを推奨します。それでもどのように進めていけばいいのか分からない、SEOコンテンツ運用の中で違った悩みが出てきたという方は、ぜひ当社にご連絡ください。

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