BtoBマーケティングコラム WebサイトのCVRを向上させるレイアウト改善の秘訣

2024年11月28日

CVRを向上させるレイアウト改善施策事例

製品の詳細ページやランディングページ(LP)を一生懸命作ったのに、思ったほどコンバージョン率(CVR)が上がらない。そんな経験はないでしょうか。もしかすると、ユーザーに情報がちゃんと伝わっていないことが原因かもしれません。

私たちイントリックスがこれまでに制作したWebサイトの中には、一般的なレイアウトでありながら、思ったほどCVRが向上しなかったものがいくつかありました。そこで、今回はそのような「効果が薄い」レイアウトを紹介し、どのように改善すればCVRやクリック率が向上したのか、2つの事例をもとにポイントをお伝えします。

CVR向上を妨げる、大きすぎるキービジュアル

サイトトップやカテゴリトップ、LPでキービジュアルを大きく表示して印象付けることは、サイトデザインではよくある手法です。特にファーストビューを動画で埋め尽くしたり、キーとなるコピーにCTA(コール・トゥ・アクション)ボタンを添えるといったものは典型的なレイアウトです。しかし、実際にこれらのレイアウトを分析してみると、意外な結果が浮かび上がりました。

実はファーストビューでほとんどのユーザーが離脱する

ファーストビューを埋め尽くすキービジュアルを用いたウェブサイトのヒートマップを見てみると、ほとんどのユーザーがファーストビューで離脱していることがわかります。

ユーザーはファーストビューで見える情報のみで自分が読みたいものかどうかを判断し、離脱するか読み進めるかを決めています。キービジュアルが大きすぎることが原因で、どのような情報があるか伝えづらく、逆効果であることが分かったのです。

また、ファーストビューのビジュアルにカルーセルを導入して複数の情報を閲覧できるようにし、さらにリンクをつけて導線とする構造もよく見かけますが、これも実際のところはほぼクリックされません。

ある企業サイトでは、ファーストビューをシンプルかつ清潔感がありブランドイメージにのっとったビジュアルにしていたものの、訪問者の反応は芳しくありませんでした。表示回数が15万回以上あったにもかかわらず、カルーセル内のリンクのクリック率は、最も高かった3枚目のスライドでも0.7%、次点でスライド1枚目が0.6%、2枚目はわずか0.2%と、いずれも非常に低い結果だったのです。

見た目が洗練されていても、ユーザーがページの価値をすぐに感じ取れなければ離脱してしまうことがよく分かる分析結果となりました。

キービジュアルエリアを狭めることでCVRが向上

CVR向上のためには、まずコンバージョンエリアまで読み進めてもらう必要があります。解決策としてはとても単純ですが、キービジュアルエリアの高さを70%程度狭くすることでスクロール率を高めることができました。ファーストビューをキービジュアルで埋めず、それ以降もコンテンツが続くことを示唆することで、キービジュアル以降へ誘導することができたのです。スクロール率が改善されたことでユーザーが目にする情報が増え、CVRの向上につながりました。

マウスオーバーしないと見えないグローバルナビゲーション

マウスオーバーで情報が表示されるレイアウトは一般的です。特にBtoBサイトは階層が深くなりやすいこともあり、グローバルナビゲーション(グロナビ)をマウスオーバーやクリックすることで下階層まで見せる方法がよく採用されています。しかし、これも実際に分析してみると、グロナビのあり方を再考させられる結果が出ました。

マウスオーバーで表示されるメニューはクリックされない

BtoBサイトはコンテンツの構造が複雑化しやすく、それに伴ってグロナビも第一階層をクリックして第二階層へ、さらにマウスオーバーで第三階層へと続く場合が多くあります。これは、BtoCサイトに比べて掲載すべきコンテンツが多いため、やむを得ないことではあります。

しかし、とある企業様が自社サイトのグロナビで、「製品情報」内にある「カテゴリ詳細」一覧をマウスオーバーしないと見えない仕様にしたところ、クリック率が悪いことが発覚しました。ユーザーは、重要な情報がどこにあるか視覚的に認識できず、グロナビ内にある「カテゴリ詳細」を使っていない可能性が高いことが分かったのです。

マウスオーバーをやめてすべて表示するとクリック率が向上

そこで、マウスオーバーでの表示をすべて取りやめ、「製品情報」の段階からすべての製品シリーズを表示させるようにしました。結果、PCでは2.5%、スマートフォンではクリック率が3%上昇。さらに、アメリカサイトやヨーロッパサイトでもクリック率が3%から5%弱上昇しており、情報を隠さずにすべて表示することが、ユーザーの行動を促進する効果があることが証明されました。

この結果は、特にBtoBサイトにおいて、コンテンツが多い場合でもユーザーにはすべてを見せて、情報に素早くアクセスしてもらうことの重要性を示しているのではないでしょうか。

まとめ

がんばってWebページを作ってコンテンツ施策を実施しても、いざ解析してみると思ったより成果が出ないというのはよくある話です。幸いにもWebサイトは作って終わりではなく、改善し続けられる媒体です。Google Analyticsを活用し、スクロールがされているか、クリックがされているか検証し、ペルソナやユーザーのニーズ、行動パターンをもとにしたデザインに改善していくことができます。

もちろん綺麗なデザインもユーザー体験を向上させるために重要な要素です。「美的ユーザビリティ効果」といって、人は美しいデザインに対して好感を持ち、使いやすいと感じる傾向があります。つまり、デザインと機能性の両方を高めることが、真のCVR向上につながるのです。

作って終わりではなく、常にユーザーの視点に立ち、データに基づいて改善を繰り返すことが重要です。もし、そのようなパートナーをお探しの場合は、ぜひイントリックスにご連絡ください。

関連情報

BtoB企業のデジタルコミュニケーションを総合的に支援しています

BtoB企業に特化したサービスを提供してきたイントリックスには多くの実績とノウハウがございます。現状のデジタル活用の課題に対し、俯瞰した視点でのご提案が可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

お問い合わせ

デジタル活用 無料オンライン相談会

BtoB企業のデジタル活用を支援してきた各分野の経験豊富なコンサルタントが、マクロな調査・戦略立案からミクロなデジタルマーケティング施策まで、デジタル活用の悩みにお応えします。

無料オンライン相談会
概要・お申し込み

BtoBデジタルマーケティングのお役立ち資料

BtoB企業向けにデジタルマーケティングの最新情報をホワイトペーパーとしてご提供しています。

資料ダウンロード
INTRiXメールマガジン

セミナーやコラム情報をお届け

ご登録はこちら