BtoBマーケティングコラム BtoB製造業のデジタルマーケティング成功事例15選。 事例から学ぶ活用ポイント

Index

  1. はじめに:BtoB製造業でデジタルマーケティングの重要性が高まっている理由
  2. BtoB製造業のデジタルマーケティング15の成功事例
  3. リード獲得の成功事例
  4. Webサイトリニューアルでマーケティング機能を強化した成功事例
  5. SEO・コンテンツマーケティングの成功事例
  6. 社内のデジタルマーケティング高位平準化に成功した事例
  7. リードナーチャリングの成功事例
  8. 多言語対応・グローバル展開における成功事例
  9. まとめ:BtoB製造業のデジタルマーケティングを成功させるためのポイント

はじめに:BtoB製造業でデジタルマーケティングの重要性が高まっている理由

BtoB製造業において、デジタルマーケティングの重要性が年々増しています。その背景には、主に3つの理由が考えられます。

まず、顧客の購買行動の変化です。インターネットの普及により、多くの顧客は、営業に問い合わせをする前に自ら情報収集や比較検討を済ませています。その割合は、2024年1月の調査で約8割に上っています。そのため、従来の営業活動では接点を持てない新たな顧客層が増加しているのが現状です。

参考:【資料ダウンロード】問い合わせを起こすまでのユーザー行動調査

次に、海外市場への拡大です。市場拡大を目指して海外進出する企業が増える一方、現地営業の数やリソースには限界があります。広大な地域で効率的に見込み顧客と接点を持つには、デジタルマーケティングの力が欠かせません。

最後に、営業の人材不足の問題があります。労働人口の減少や「モノ売り」から「コト売り」への移行により、高度なスキルを持つ営業人材の確保が難しくなっています。この課題に対し、デジタルマーケティングは営業活動の一部を補完し、組織の枠を超えて顧客への情報発信を可能にする解決策となります。

このような背景から、多くのBtoB製造業がデジタルマーケティングを戦略的に活用し、ビジネスの成長を加速し始めています。

BtoB製造業のデジタルマーケティング15の成功事例

ここでは、BtoB製造業におけるデジタルマーケティングの成功事例を15件ご紹介します。これらは、弊社イントリックスが手掛けたプロジェクトであり、企業ごとの課題に応じてデジタル施策を活用し成果を上げた事例です。それぞれの取り組みから、デジタルマーケティングの効果的な活用ポイントも解説していますので、参考にしてみてください。

リード獲得の成功事例

事例①:新市場のターゲットリードを46件獲得。顧客のニーズも発掘

マーケティング施策の全体像

クライアントである電気機器メーカー様は、新市場への進出を目指す中で次のような課題を抱えていました。

  • 新市場のため、有望なリードを持っていない
  • 顧客のニーズを把握できていない
  • 先行企業が複数存在し、自社製品が市場で十分認知されていない

これらの課題を解決するため、対象業界ごとに6つのLP(ランディングページ)を制作し、ABテストを活用しながらGoogle広告を2か月間出稿しました。またLPから資料をダウンロードできる仕組みを導入。資料には、既存の社内資料を見直して作成したホワイトペーパーを使用しました。

その結果、46件のターゲットリード(見込み顧客)を獲得。広告は27万回表示され、そのうちLPが1万100回閲覧されました。LPには製品の特長が詳しく記載されており、製品の認知向上にもつながりました。さらにABテストを通じて、仮説にすぎなかった顧客の課題やニーズを具体的に把握でき、今後のマーケティングに活かせる貴重なデータを収集することができました。

事例②:広告とSEO活用で安価にリード獲得

マーケティング施策の全体像

クライアントである鉄鋼・機械メーカー様は、次のような課題を抱えていました。

  • 高額な製品のため、営業リードタイムが非常に長い
  • 購買プロセスに複数の関係者が関与するため、多くのリードを集め、自社製品の強みを理解してもらう必要がある
  • リード数が不足しているため、ナーチャリングの強化ができない

これらの課題解決のため、新たに立ち上げたマーケティングサイトに複数のホワイトペーパーを設置しました。ホワイトペーパーは、業界全体が関心を持つテーマについての最新動向を詳しく解説し、ターゲット企業の興味を引く内容に仕上げました。制作には業界専門のプロダクションを活用し、質の高い資料を提供しました。

また、SEOで中長期的な集客を獲得するのと並行して、GoogleやLinkedInに広告を出稿。ターゲット企業を絞り込んでホワイトペーパーのダウンロードを促しました。その結果、1リードあたり5,000円という低コストで効率的に、かつ充分なリード数を獲得することに成功しました。

保有リードが一定数を超えた現在、ホワイトペーパーはオーガニック検索から定期的にダウンロードされるようになり、広告なしでもリード獲得を実現する安定的な仕組みとして機能しています。

Webサイトリニューアルでマーケティング機能を強化した成功事例

事例③:製品情報の検索性を改善し、遷移率を向上

日東電工様:グローバルWebサイト群リニューアル

100周年にあたり次の100年を見据えたさらなるブランド強化。そして、600を超える製品情報の検索性改善をはじめとするマーケティングコミュニケーション基盤の再構築。これらの実現のために、既存のCMSを活用しつつ、世界に12言語で展開するWebサイト群のデザイン刷新、コンテンツ増強、導線再設計、製品検索機能の開発を実施しました。

  • クリエイティブコンセプトの策定とデザイン刷新
  • Nitto事業の理解度向上を図ったコンテンツ企画・制作
  • 製品情報への到達率を高める導線再設計と検索機能の開発
  • 効果検証結果を踏まえたユーザビリティ改善

プロジェクト事例の詳細は以下のリンクよりご覧ください。

事例1. 日東電工株式会社

ブランド強化と600を超える製品情報の検索性向上を軸とするWebサイト群リニューアルプロジェクトを遂行

プロジェクト事例詳細

事例④:PIM・MA・Webサイトが相互に連携したデジタルマーケティング基盤強化

株式会社ミツトヨ様:デジタルマーケティング基盤構築

クライアント社内15部門と7社のパートナーとともに、PIM・CMS・MAの導入およびコーポレートサイトリニューアルを実施。プロジェクト統括も担うことで、各ソリューションとコーポレートサイトが連携し、それぞれの効果が最大限に発揮されるデジタルマーケティング基盤の構築を実現しました。

  • ミツトヨ社内視点の商品分類ではなく、エンドユーザーの選定視点で商品分類を抜本的に再設計
  • PIM・CMS連携を通して商品情報の体系化、管理効率化を行い、タイムリーなマーケティングコミュニケーションを可能に
  • MAを導入するだけでなく、運用トライアルを実施することで営業チームが必要とする情報を精査。見込み顧客の興味関心度を可視化し、効果的なデジタルマーケティングの土台を整備
  • コンテンツの追加、導線改修など、コーポレートサイトの抜本的なリニューアルを行い、価値訴求と情報検索性を最大化
  • Web部門だけでなく、営業部、技術部、カスタマーサポート、計測技術者を養成する「ミツトヨ計測学院」など、全社関与でのプロジェクト推進により、構築後に横串が挿されたマーケティング活用を行えるように

プロジェクト事例の詳細は以下のリンクよりご覧ください。

事例2.株式会社ミツトヨ

総勢20以上の部門・パートナーとともに、PIM・MA・Webが有機的に連携したデジタルマーケティング基盤を構築

プロジェクト事例詳細

事例⑤:製品分類見直しと機能強化でユーザーエクスペリエンスを向上

浜松ホトニクス株式会社様:グローバルサイトリニューアル

製品情報の構造、検索性の向上、パーソナライズ機能開発など、マーケティング機能を強化したグローバルサイトのリニューアル。

  • 製品の種類(部品と装置)で異なるターゲットユーザーを想定し、製品分類から見直した情報設計
  • 浜松ホトニクスのイメージを伝える新デザインの開発
  • パーソナライズ、レコメンド機能の設計
  • 機能美を伝える製品写真の撮影
  • 浜松ホトニクスの強み・こだわりを伝えるブランドコンテンツの企画・制作

プロジェクト事例の詳細は以下のリンクよりご覧ください。

事例3.浜松ホトニクス株式会社

最適な情報設計のために製品分類から見直し、サイト構造と新機能でマーケティング強化を実現

プロジェクト事例詳細

SEO・コンテンツマーケティングの成功事例

事例⑥:サイト刷新とSEO強化で問い合わせ・ダウンロード倍増

ジオマテック株式会社様:日英Webサイトリニューアル

業界と製品・技術への深い理解をもとに、世界中の人々が製品やソリューションを通じてジオマテックの技術力とその魅力を知るきっかけとなり、新たな技術活用への発想をインスパイアできるようなグローバルサイトおよび日本サイトを制作し、新規リード獲得を支援しました。

プロジェクト事例の詳細は以下のリンクよりご覧ください

事例1.ジオマテック株式会社

日英Webサイトのリニューアルで薄膜の技術力の高さを余すことなく訴求、ターゲット層の拡大によりPV・問い合わせの大幅増を実現

プロジェクト事例詳細

事例⑦:マーケサイトの集客強化で検索流入68%増・アクセス数4.4倍

クライアントである製造業メーカー様は、次のような課題を抱えていました。

  • コーポレートサイトから独立したマーケティングサイトを構築したものの、アクセス数が伸び悩んでいた
  • 集客手段が広告やメールに依存しており、コストや人的リソースが大きな負担となっていた
  • 発信したい情報が多くあった一方で、コンテンツ制作に多大な時間がかかり、スピード感を持った運用ができていなかった

これらの課題を解決するため、まず各コンテンツの役割を整理した上で画面をテンプレート化。効率的に制作できる環境を整備しました。次に、使いやすいCMSを導入し、コンテンツ制作から公開までのプロセスを大幅に効率化。さらに、コンテンツ制作フローにSEO対策を組み込むことで、検索エンジンから評価されやすい形に最適化しました。

リニューアル前後のアクセス数・検索エンジン流入数の比較

その結果、効率的かつスピーディなコンテンツ量産が可能になり、Webサイト全体のアクセス数が4.4倍に増加。特に、検索エンジンからの流入割合が68%に上昇し、安定した集客基盤を構築することに成功しました。

事例⑧:新市場向けのSEOで検索1位・流入1.5倍

クライアントである制御機器メーカー様は、次のような課題を抱えていました。

  • 国内市場が寡占状態にあり、新たな顧客層の開拓が急務
  • 自社製品が新市場の課題解決に役立つことが十分に認知されていない
  • 検索結果からの流入を通じて製品認知を広げ、顧客からの問い合わせを増やしたい

課題解決のため、まずターゲット顧客が課題解決のために検索しそうなキーワードを徹底的に調査しました。市場がニッチであるため、選んだキーワードはツール上では「検索ボリューム0」とされるものばかりでした。しかし、検索ボリュームの多いキーワードでは問い合わせにつがらないと判断し、顧客の課題に直結したキーワードをあえて選択しました。

次に、製品ページを全面的にリライトし、選定したターゲットキーワードの検索意図に応える形でコンテンツを最適化しました。同時に、自社製品が顧客の課題解決に役立つことを明確に伝える内容を盛り込みました。さらに、作成したコンテンツを英語に翻訳して海外のWebサイトにも展開し、グローバルでの集客力を強化しました。

施策の成果:公開5か月で順位が圏外から1位に

この施策の結果、ターゲットキーワードで検索順位が圏外から1位にランクインし、検索エンジンからの流入が1.5倍に増加。計画時点では「検索ボリューム0」とされていたキーワードが、類義語を含め月間100回程度検索されていることが分かり、潜在的な需要が確認されました。また、直帰率が12%、離脱率が10%改善し、顧客の製品理解を向上させることに成功しました。

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社内のデジタルマーケティング高位平準化に成功した事例

事例⑨:北米拠点のナレッジを取得し、グローバル全体のデジマ実践力向上

クライアントである精密加工メーカー様の全社のデジタルマーケティング統括部門は、次のような課題を抱えていました。

  • 国内外でデジタルマーケティング部署を立ち上げたものの、担当者の知識や経験が不足している
  • 早期に実践経験を積みたいが、指導者が不在で、時差の影響も障害となっていた
  • 実施した施策が顧客視点を欠いており、成果につながらなかった

これらの課題を解決するため、デジタルマーケティングの先進拠点である北米チームと定期的な打ち合わせを実施し、ナレッジの共有を図りました。また、グローバル全体でより早く成果を出すため、運用者向けに各言語でオリジナルガイドブックを作成。さらに、実践力の底上げを目的とした全12回のデジタルマーケティング研修を実施しました。

これらの取り組みの結果、グローバル全体のデジタルマーケティング担当者の実践力が向上。統一されたノウハウの共有により、デジタルマーケティングの効果を最大化することに成功しました。

事例⑩:デジマ施策のトライアル知見をガイドブック化し、事業部のリテラシー向上

クライアントである医療機器メーカー様は、次のような課題を抱えていました。

  • 営業人員の減少に伴い、見込み顧客の発掘や既存顧客の継続利用促進が困難
  • デジタルマーケティングを全社的に活用したいが、多くの事業部担当が未経験者
  • 施策を実施するにも、その準備環境の構築に時間がかかり、迅速な展開ができない

これらの課題を解決するため、一部の事業部と連携し、モデルケースとなるデジタルマーケティング施策を実施しました。さまざまな事業部で応用できるように、テーマは新製品の認知獲得、製品の継続利用促進などよくある事業部の課題を選定。施策実行後には効果測定と改善を繰り返し、成功率の高い「型」を発見しました。

さらに、MA(マーケティングオートメーション)内にメールやLP(ランディングページ)のテンプレートを制作し、データ項目や設定の基準も整備。これらの標準化によって、効率的な運用が可能になるだけでなく、経験の浅い担当者でもスムーズに施策を実行できる環境が整いました。

これらのノウハウや手順をガイドブックとして社内イントラネット上で共有することで、経験の浅い社員でも自立して施策を実行できるようになり、営業活動を効果的に補完する仕組みが構築されました。

事例⑪:戦略立案から分析・改善まで、事業部の自走を高レベルで実現

産業機械メーカー様のマーケティング統括部門が抱えていた、次の目的を実現するために支援した事例です。

  • 事業部の垣根を越え、自社サービスを顧客に効果的に訴求し、引き合い獲得につなげたい
  • グループ全体にデジタルマーケティング活動を浸透させ、将来的には事業部の自走を目指したい
  • 多数あるデジタルマーケティング施策の中から、費用対効果が高く、自社事業に適した施策を効率よく活用したい

達成に向けて、まずはペルソナ定義やコンセプトダイアグラムを作成し、顧客視点に立ったデジタルマーケティング施策を立案しました。このプロセスでは、弊社とマーケティング統括部様が連携し、事業部を伴走型で支援。将来的に事業部が自分たちで戦略を立案・実行できるよう、ノウハウを提供しました。

次に、集客やリード獲得、引き合い獲得など、デジタルマーケティングに必要な活動を網羅的に実施。これらの活動を型化し、事業部が参考にできる成功パターンを整理しました。

さらに、施策の効果を測定するための共通分析ダッシュボードを整備。効果測定から改善までのプロセスをサポートし、分析手法や改善のポイントを事業部に共有することで、事業部が自ら改善活動を行える仕組みを作り、人材の育成にもつなげました。

3年間の活動を通じて、各事業部にデジタルマーケティング活動を委譲することに成功。グループ全体での継続的なデジタルマーケティング活動を実現しました。

リードナーチャリングの成功事例

事例⑫:重要顧客へのターゲティングメールで問い合わせ24件獲得

クライアントであるBtoB製造業メーカー様は、展示会出展に合わせて制作したカタログや事例動画を有効活用するため、それらをまとめたWebページを制作して既存リードの集客を図ろうとしていました。特に、重要アカウントである数社には、自社のソリューションを確実に認知させたいと考え、メールマーケティングでの最大限の成果を目指していました。

そこで、各アカウントの営業担当者にヒアリングを行い、それぞれの企業が抱える関心事や課題を詳しく把握しました。その情報をもとに、メールの件名や本文を企業ごとにカスタマイズし、ターゲティングメールを配信。メール内のリンクから、カタログや事例動画を掲載したWebページへ誘導しました。

施策の成果:問い合わせ24件、資料ダウンロード86件

このターゲティングメールは開封率33%、CTR(クリック率)5.71%を記録(同社平均:開封率20.5%、CTR2.9%)。誘導したWebページでは資料ダウンロード86件、問い合わせ24件を獲得し、約6割のターゲットが動画を視聴するなど、大きな成果を上げました。

事例⑬:1回のウェビナーとアンケートで9件有望顧客を抽出

クライアントである精密機器メーカー様は、新規顧客を獲得するために定期的にウェビナーを実施していました。しかし、これまでは情報提供に留まり、営業に引き渡せるような見込み顧客の発掘が課題となっていました。

この課題に対し、ウェビナーの告知や参加者フォローを強化し、見込み顧客の発掘を目的とした施策を実施しました。

マーケティング施策の全体像

まず、ウェビナーの参加者を増やすため、告知メールを配信した後、未開封者に件名を変更して再配信することにしました。さらに、前日には参加リマインドのメールを送ることで、参加率を向上させました。

ウェビナー終了後にはアンケートを実施し、回答者にはウェビナー資料を配布しました。アンケートには、見込み度合いを計るための設問を盛り込み、回答内容をもとに有望顧客を抽出。1回のウェビナーから9件の有望顧客を発掘することに成功しました。この取り組みは、情報提供型から見込み顧客発掘型へのウェビナーの変革を実現した成功事例となりました。

多言語対応・グローバル展開における成功事例

事例⑭:主要市場の8言語翻訳でアクセスが2倍増加

クライアントである製造業メーカー様は、北米・欧州・アジア圏を対象とした事業を展開しており、英語で構築されたマーケティングサイトを活用していました。しかし、アクセス解析の結果、ブラウザの自動翻訳機能を利用して閲覧しているユーザーが一定数存在することが判明。多言語対応が不十分であることが課題となっていました。

この課題に対応するため、自動翻訳機能を導入し、マーケティングサイトを8言語に翻訳。主要市場向けに多言語対応ページを公開しました。英語以外を母語とする利用者が、自身の言語でコンテンツを閲覧できる環境を整備しました。

結果として、翻訳した地域からのアクセスが公開後数か月で2倍に増加。さらに、エンゲージメント率も1.2倍に向上し、ターゲット地域での認知度向上につながりました。

事例⑮:コンテンツの強化で海外からの問い合わせ3倍以上

クライアントである精密加工メーカー様は、国内市場の縮小を背景に、海外での売上拡大が急務となっていました。しかし、以下の課題を抱えていました。

  • 海外市場での自社の認知度がほとんどない
  • 今後ターゲットとしたい企業の製品企画担当者のリードをまったく保有していない

課題解決のため、英語サイトを抜本的にリニューアルしました。まず、自社の持つ技術を棚卸しし、アピールポイントをすべて洗い出して整理。その上で、ソリューションページを全面的に見直しました。また、自社の技術力や工場・設備の特徴をコンテンツ化し、強みが余すところなく伝わる構成に仕上げました。

さらに、検索上位表示を狙うべきキーワードを選定し、それをもとに原稿を作成しました。コンテンツは、技術に詳しくない人でも理解しやすいよう工夫され、自社技術がターゲット企業の製品開発にどのように役立つかを明確に伝える内容としました。

Webサイトには、製品の用途や機能で検索できる機能を追加し、ユーザーが求める情報にスムーズにアクセスできる仕組みを構築しました。また、業種別に分類した活用事例ページを制作し、顧客の業界やニーズに応じた情報を提供できるようにしました。

これらの取り組みの結果、英語サイトの公開直後から海外からの問い合わせが3倍以上に増加。新たな企業との接点が生まれ、商品企画担当者との商談のきっかけを多数創出しました。

BtoB製造業専門の海外デジタルマーケティング支援

戦略策定から実行、効果測定、現地スタッフの教育まで海外マーケティングを総合的にご支援しています。

まとめ:BtoB製造業のデジタルマーケティングを成功させるためのポイント

BtoB製造業がデジタルマーケティングを成功させるためには、適切な施策の選定、ゴールの明確化、粘り強い改善、そして必要に応じた外部リソースの活用が重要です。

1.今必要な施策を正しく見極める

デジタルマーケティングの施策を進める前に、自社の現状を正確に把握し、課題に応じた優先順位をつけることが大切です。例えば、リードが少ない状態でナーチャリングに力を入れるのは非効率ですし、Webサイトが適切なUIになっておらず、必要な情報が不足している場合には、リード獲得施策の効果が半減します。まずは現状把握や戦略策定に取り組み、自社に必要な施策を見極めましょう。

デジタルマーケティング戦略立案・推進

徹底的なビジネス理解や関係者とのコミュニケーション、現状調査を通じて、最適なデジタルマーケティング戦略を立案します。

2.KGI・KPIを設定し、関係者と合意形成する

施策を進める際には、関係者との合意のもとでゴールを明確に設定することが重要です。今期の目標(KGI)を必ず設定するようにしましょう。ただし、BtoB製造業では購買プロセスが長期化することが多いため、「問い合わせ増加」や「商談創出」といった成果を目標に掲げるかは慎重になるべきです。特に施策を始めた初年度は、目に見える成果が十分に出ない場合もあります。まずは現状を見極めた上で、実現可能で適切なKGIを設定することが重要です。
また、活動の評価にはKGIに紐づく複数のKPIを設定し、改善状況を定期的に確認して進捗を管理していく必要があります。

3.スモールサクセスを積み上げ、失敗を恐れない

初めから大規模な施策に取り組むのではなく、小規模で結果が出やすい施策から始め、成功体験を積み重ねることが大切です。たとえ結果がすぐに出なくても、1回の失敗で諦めず、粘り強く改善を重ねることで成功に近づきます。デジタルマーケティングは試行錯誤の連続です。

4.高額投資が必要な場合は外部の専門家を活用する

WebサイトリニューアルやPIM(製品情報管理)などのシステム導入は、マーケティング活動の基盤を強化する上で重要ですが、高額な投資を伴います。このような場合には、実績のあるコンサルティング会社に相談することで、投資対効果の算出や上申資料の作成をサポートしてもらえる場合があります。

イントリックスでもこのようなサポートを行っています。ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。

最後に

デジタルマーケティングは一度やって終わりではなく、継続的な改善と柔軟な対応が求められます。小さな成功を積み重ね、着実に成長を目指すことで、BtoB製造業におけるデジタルマーケティングの可能性を最大限に引き出しましょう。

著者プロフィール

西原 杏子
イントリックス株式会社 デジタルマーケティング支援管掌 執行役員

コンサルタント/プロジェクトマネージャとして、大手製造業など数多くのデジタルマーケティング支援に携わる。2019年よりビジネスディベロップメント部門のマネージャとして、マーケティング・セールスの責任者。2023年よりデジタルマーケティング支援管掌の執行役員。

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