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BtoBマーケティングコラム
【イントリックス流の制作極意】
CASE03|製品の紹介コンテンツを作ったのに問い合わせが増えない
2024年6月28日
Index
コストと時間をかけて作ったWebコンテンツ。閲覧数は悪くないのに問い合わせ数が増えない。あれだけ考え抜いた製品のアピールポイントなのに顧客に伝わっていない。狙ったターゲットに訴求できていない気がする。せっかく作ったWebコンテンツも、アピールしたい人にリーチしなければ意味がありません。
特にBtoBの製品や技術はわかりにくく、それをターゲットに伝えるだけでも一苦労です。今回は製品の特長や自社の強みをターゲットに理解・共感させ、問い合わせにまで結びつけるWebコンテンツの制作過程と手法の一例をご紹介します。
プロジェクト概要
お客様 | 素材メーカー様 |
---|---|
課題 |
|
プロジェクト名 | 製品ページ改修 |
支援内容 | 課題のヒアリング、コンテンツ分析、コンテンツ企画、執筆・制作 |
期間 | 調査企画フェーズ:約2ヶ月 制作フェーズ:約3ヶ月 |
文系顧客に理系情報をわかりやすく伝える極意
製品の特長が伝わらない理由はいくつも考えられます。情報が足りない、伝えたいことが詰めきれていない、デザイン的にわかりにくい、そもそものターゲット設定に問題があるなど、多種多様です。
しかし、本プロジェクトのお客様はそれらをしっかりと議論した上でコンテンツ化しており、既存顧客に対しては一定の成果を上げていました。それなのに、新規顧客にはまったく刺さらない。私たちはお客様に現状をヒアリングし、コンテンツを分析したところ、とても興味深い結論に至りました。
情報は十分に用意されており、新規顧客にも魅力的な特長ではあったのですが、ターゲット視点での伝え方が不足していました。既存顧客は技術者、いわば「理系」だったのに対して、狙うべき新規顧客は「文系」の営業企画職だったのです。
今回は「理系情報を文系顧客にどうしたらわかりやすく伝わるのか」を例に、イントリックスがターゲット視点でどのようにコンテンツを改修していったのかの極意をご紹介します。
【制作極意1】
機能ではなく「何が実現できるのか」にフォーカス
既存コンテンツは製品の機能やスペックなど、技術者が求める情報を中心に構成されていました。しかし、新たに開拓したい顧客は営業企画などのいわゆる文系職。求めていたのは機能的な情報ではなく、「その製品で何が実現できるのか」でした。これは機能やスペックからだけでは見えてこない情報です。
そこで、実際の用途や利用シーンなどをお客様にヒアリング。その製品が「何に使われることが多いのか」「どのような使い方ができるのか」という情報をコンテンツに追加していきました。この情報は文系顧客だけでなく、既存顧客である技術者にとっても理解を深めるためのものとなりました。
イントリックスでは、エンドユーザーが本当に欲している情報を把握するために、ターゲットに近い属性の方に インタビューして、そのニーズを洗い出すことがあります。そこで抽出されたニーズこそが、製品を知り尽くしているお客様が見落としがちな情報であることも多く、コンテンツに深みを与える要素となり得ます。
【制作極意2】
図版と文章で難しい技術が「なんとなくわかる」を実現
前項の通り、今回のターゲットは技術にあまり詳しくない文系。しかし、製品の魅力を伝えるには技術についてある程度ご理解いただく必要があります。そこで「詳しいことはわからないけど、ポイントはなんとなくわかった」というレベル感でコンテンツを改修していくことにしました。
まず始めに行ったのはビジュアル情報の追加です。技術の話は、専門的な知識を前提としていることが多く、文章だけではなかなか理解が難しいものです。そこで、複雑な技術や概念的な話でターゲット視点ではわかりにくいと思われる箇所をビジュアル化。直感的に「なんとなくわかる」図版を取り入れました。
また、説明する文章にも手を加えました。少しでもわからない言葉があれば、ユーザーは離脱してしまいます。そのため、専門用語や難解な言い回しはできるだけ最小限に、一般的な用語に直した説明に変更。また、「自社用語」のような言い回しも見受けられましたので、ここもターゲットが理解できる単語に修正しました。
この施策を実行するには、お客様の技術・製品を知り尽くした上で、同時に初心者ユーザーの視点も持ち合わせている必要があります。私たちイントリックスは、長年BtoB企業様のご支援をしていく中で培ったこの知見を基に、お客様のコンテンツを多角的に分析して、ターゲットにしっかり伝えることができます。
【制作極意3】
ターゲットの心の動きに沿った「ストーリー」を構築
一般的に、ユーザーはWebページに訪れてから数秒でそのコンテンツの印象を形成すると言われています。つまり、ターゲットに「このコンテンツには自分に役立つ情報がありそうだ」と思わせなければ、前述した工夫のすべてが無駄になってしまいます。それを踏まえ、訪問者心理の仮説を立てて、コンテンツの情報構造を見直しました。
前提として、ターゲットは何かしらの課題を解決するためにWebを見ています。まず「これは自分のことだ!」と思わせるために、「こんな方にオススメな製品です」という内容を冒頭に入れ、その流れで先ほどの「こんなことが実現できる」という情報でターゲットの心を掴みます。
次に、ターゲットはこのコンテンツだけではなく、複数の同業他社のWebサイトを見ているはずです。「この製品は他と何か違うぞ?」と印象づけるために、自社製品ならではのポイントを説明。その後に製品の紹介や事例などを展開し、ターゲットの期待度を上げていく「ストーリー」を構築しました。
また、ユーザビリティにも配慮し、コンテンツ全体の内容が一目でわかるナビゲーション、問い合わせを後押しするために、ボタンの近くにFAQへのリンクを配置するなど、問い合わせ数を増やす施策も実施。
この調整によって、これまで何となく配置していたバラバラの情報群が「新規顧客層からの問い合わせを獲得する」というストーリーで一本につながり、納得感・信頼感のあるコンテンツへ生まれ変わりました。
新規顧客層からの問い合わせ増加。新たな販路開拓へ
これらの施策を実行したところ、これまで月に数件しかなかった新規顧客層からの問い合わせが大幅に増加。同じ製品の紹介コンテンツでありながら、ディテールの工夫だけで新たな販路の開拓に近づくことができました。
CASE02のコラムでは、自社の強みや技術をどのように導き出すかに触れ、今回はその情報をターゲットに伝えきるための一例をご紹介しました。イントリックスでは、さまざまな専門家が連携してお客様のコンテンツを多角的に分析。コンテンツ全体を企画するコンテンツプランナー、Webページの情報設計を担当するインフォメーションアーキテクト、マーケティングを担当するデジタルマーケティングコンサルタントなど、それぞれの分野のプロが意見を出し合いながらコンテンツを作り上げていきます。
コンテンツを作ったけど、どうも効果が感じられない、思った成果が得られないと感じているご担当者様はぜひ一度、イントリックスまでお問い合わせください。
著者プロフィール
雑誌編集者やWebマーケター、BtoBライターなどの経歴をもつコンテンツ制作の精鋭が集まった経験豊富なスペシャリスト集団。
企業ブランディングの支援からマーケティングまで、BtoBビジネスに必要なコンテンツをゼロから生み出すクリエイティビティと守備範囲の広さを武器に、あるべき姿を描くコンテンツ戦略から制作・取材・執筆までを一手に担う。
ブランドコンテンツ、サステナビリティコンテンツ、IRコンテンツ、技術・製品紹介コンテンツ、導入事例、SEOコンテンツ、LP、ホワイトペーパー、オウンドメディア、メルマガ制作など、BtoBコンテンツに特化した実績が豊富。
関連情報
BtoB企業のデジタルコミュニケーションを総合的に支援しています
BtoB企業に特化したサービスを提供してきたイントリックスには多くの実績とノウハウがございます。現状のデジタル活用の課題に対し、俯瞰した視点でのご提案が可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
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NewsPicks掲載「BtoBをアプデする」
イントリックス代表 氣賀 崇の公式note
noteでは、BtoBのデジタルコミュニケーションの面白さや意義、可能性などについて語っています