BtoBデジタルマーケティングやWeb制作の情報と、イントリックスの日常風景をお伝えします。

10年目を迎えて

イントリックスのこと
氣賀 崇
2018年8月17日、イントリックスは9期を終えて10年目を迎えました。
10周年は一年後に祝うにしても、大きな節目の年に入ったことに一つの感慨を覚えます。
CTOの猪目と2人で始めた会社が今や、38人。常駐してくださっているパートナーさんも含めると、総勢50名のチームに成長しました。
そこで、これまでの歩みを振り返りながら、イントリックスの価値観と仲間についてお伝えします。

イントリックスが貫いてきたスタンスとは

イントリックスは、ニーズのあるサービスの中でも、常に同業他社とは異なること、もっと言えば皆がやらないことをやろうと、強く意識してきました。

自分たちの存在意義は、他社が提供できないものを提供することだと思うからです。そんな当社のスタンスを具体的に挙げると、

  • BtoBにフォーカス:BtoCをサポートするWebコンサル・制作会社は沢山ありますが、BtoBにはいません。消費財とは異なり、生産財は普段目にしない分、Webコンサル・制作会社としても、ややとっつきにくいテーマであることが、支援する企業を遠ざけてきたと思います。ならば、自分たちがやろうと考えました。
  • 腰をすえて考える:スピードばかりが強調されるインターネットの世界ですが、多くの企業にとって、これだけの大きな変化に対応するには、自社ビジネスにおけるデジタルの活用領域をじっくり考えることの方が、長期的には重要だと考えました。それをお手伝いしたいと思いました。
  • 俯瞰的に考える:一言でデジタルコミュニケーションと言っても、実に様々な施策があります。また、本社と事業部、日本と海外、コミュニケーション部門とIT部門では、捉え方が異なります。ですから、最終的にお客様にとってベストな形を見つけるためには、お客様社内のあらゆる立場の考えやデジタル活用ステージを勘案した、俯瞰視点が欠かせません。Webコンサル・制作会社は特定の施策や立場にフォーカスすることが多いので、イントリックスは、俯瞰する立場で役割を果たしたいと考えました。

の3つになります。

PCの前で議論している様子

一言で言えば、「BtoBのデジタルマーケティングを長期・俯瞰的に考える」ということで、これについては9年間、一貫して同じ考えでやってきました。

例えば、はじめて会ったお客様に今でもお配りしているコラム「BtoBメーカーのWeb活用」は、10年前の2009年に書いたものです。BtoB企業が長期的にデジタル活用を推進するために必要なことは、当時と大きくは変わっていないと思います。変化がないのは、BtoB企業の対応が遅いという側面もありますが、情報発信が苦手な日本企業にとってネットの活用は極めて大きな変革を迫るものであり、そもそも非常に時間のかかることだったからだと考えるべきでしょう。

また、それよりも前の2000年初頭に知った、世界最大の農機具メーカー、米John Deere社のパーツオーダリング機能は、BtoB企業のデジタル活用の象徴的な例として当時からお客様にご紹介をしているのですが、今でもよく話すことがあります。ネット時代だからこその利便性は、2018年現在のお客様にとっても印象的なようで、欧米先進BtoB企業との差がまだまだあることを感じずにはいられません。

ただし、お客様の受け止めかたもこの15年間で徐々に変わってきており、当初の「うちには時期尚早」が、じき「やれるといいよね」に変わり、今では「デジタルコミュニケーションの一環として検討していこう」と、議論の俎上に乗るようになってきました。

BtoB企業がデジタルマーケティングに本腰を入れる、という動きは、お客様のこうした反応からも、確実に進展していると感じています。

トレンドを追いかけることは重要です。しかし、トレンドについて考え、教えてくれるWebコンサル・制作会社も沢山あります。一方、長期・俯瞰的に、デジタルマーケティングの礎づくりをお手伝いする会社はほとんどありません。ならば、他社でできることはそちらにお任せし、誰も提供しない長期・俯瞰視点の提供をイントリックスでやろう。

このように、他がやらないことをやるのがイントリックスの考え方であり、将来も変わることのないゆるぎなきスタンスです。

『INTRIX CREATIVE PHOTO SERVICE(イントリックス・クリエイティブフォトサービス)』誕生

デザインについて真剣に考える

本日本格ローンチした、『INTRIX CREATIVE PHOTO SERVICE(イントリックス・クリエイティブフォトサービス)』もその一環で、BtoBにおいては質の高い撮影が大きな役割を果たすにも関わらず、この分野に精通した撮影サービスがないことに気づいた社員が手を挙げて、推進してくれています。

BtoBが持つ隠れた魅力を存分に表現することができるサービスだと思いますので、是非活用してみてください。

社員について、ちょっとだけ自慢をさせてください

そして、創業10年目という節目を迎えるにあたって、大きな役割を果たしてくれた社員のことを語らない訳にはいきません。イントリックスの価値観は、社員があって、はじめて体現できるからです。

せっかくの機会なので、社員について、ちょっとだけ自慢をさせてください。

当社の採用面談では、社長の私が最後なので、複数の面談を通じた当社の印象を聞くのですが、「みなさん、本当に楽しそうに仕事に取り組んでいる」「自分の仕事に誇りを持っていることが伝わってきた」「職種が違うのに、同じ方向を向いている」など、うれしくなる言葉をいただくことがよくあります。

人に伝わるほど、仕事に誇りを持てるということは、本当に素晴らしことだと思います。

ですが、創業当初からそうだった訳ではありません。

社員の多くは、Webサイトづくりに興味があるからこの世界にいます。ここでスキルを強化して長いキャリアの一助としたいと考えています。

そこからすると、「BtoBフォーカス:BtoCのような華やかな世界の方がチャレンジもあって、スキルアップにもなる仕事が多いのに、それをしないで良いの?」「腰を据えて考える:やっぱりスピード大事じゃない?のんびりしていて大丈夫?」「俯瞰的に考える:言い方は気取っているけど、要は浅く広くということ。深い知識を持つ競合に太刀打ちできるの?」といった不安があったことは想像に難くありません。

同業他社のしないことをする、ということは、当然自分で考えなければならないことが多いということですから、前例のないアプローチには戸惑いもあるでしょう。

また、戦略、Web制作、システムを三位一体で提供できるのも当社の特徴ですが、三者の視点やアプローチはかなり異なるため、そこにも混乱や衝突がありました。

ですが、そうした不安や課題がありつつも、社員が粘り強く仕事に取り組んでくれたおかげで、お客様から評価をいただくことが着実に増えてきました。BtoB企業を支援する意義は、そのことを通じて実感できるようになったと感じます。

他社では提供できないものを提供できる当社の社員のことは、本当に誇らしく思っています。

今、私自身うれしいのは、イントリックスの良さも課題も理解している社員が、良さを強化し、課題を解消すべく、様々な自発的工夫をしてくれていることです。

すきまに落ちる仕事を率先して拾ってくれる社員が、当社には沢山います。

新卒社員が増えると、いろんなことを厳しくも優しく教えてくれる先輩社員も同じように増えました。

その根底には、イントリックスをもっと良くしたい、今の仲間と良い仕事をしていきたい、という思いがあります。この文化づくりに、自分自身が関わったことは何もなく、ただ良い仕事をしたいという社員の思いが、この雰囲気を作ってくれました。

若手社員がこれからのイントリックスを担う

創業来、イントリックスは仲間に本当に恵まれたとしか言いようがありません。

この先、いろいろ困難なこともあるでしょうが、この仲間とならば、どんなことでも乗り越えられる自信があります。

イントリックスはこれからも、BtoB企業のデジタルマーケティングを支援していきます。

BtoBフォーカスは変わりませんが、デジタル活用の基礎作りに目処がついて俯瞰や長期の必要性が薄くなったならば、別のニーズに応えるだけです。

そのためには社員全員が、お客様の欲するものを感じられる組織にならなければならないと思っています。

これからも引き続きのご愛顧を、どうぞよろしくお願い申し上げます。

イントリックス株式会社
代表取締役社長
氣賀 崇