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BtoBマーケティングコラム 周年記念サイトの概要とデザイン・コンテンツの参考や事例を紹介
2022年10月3日
周年記念サイトとは
変化のスピードが激しい時代において、10年、20年、50年と企業を継続させていくことは、社会的需要に応えられているだけではなく、商品やサービスなど多くのファンを抱えた結果と言えます。
「周年記念サイト」とは、そんな企業の節目を記念として祝い、またPRにも活用するために制作するWebサイトです。
しかし、いざ周年記念サイトをつくろうと思っても、何から手をつければ良いのかわからない方も多いと思います。周年記念サイトは施策の幅広さを知った上で、きちんと企画すれば企業にとってより大きな価値を生むサイトになります。
そこで本記事では、企業の大切な節目に行う周年記念サイトを制作する意義や基礎知識を各社の事例を参考に交えながらお伝えしていきます。
周年記念サイトの目的
周年記念サイトは、社内外へ周年記念を周知することが第一目標と言えます。その中で、これまでの「感謝」やこれからの「決意」といったユーザーに伝えたい目的を設定し、コーポレートビジョンを基にコンテンツを考えることが重要です。
企業やソリューションの認知度を上げる
節目に制作されるからこそ、周年記念サイトは注目されやすく、企業ブランドやサービスの魅力を伝えられる絶好の機会となります。
しかし一方で、注目されやすいからこそ、目的の選定と掲載するコンテンツの質が重要です。周年記念サイトは、ユーザーが訪れる価値をデザインし、こだわり持って作ることで、広報やプロモーション活動が生きる「情報発信の基地」として活用できるのです。
社外のユーザーに感謝を伝える
多くのユーザーにタイミングを問わず、コンテンツを届けられる周年記念サイトは、日頃からお世話になっている取引先様やお客様に向けて感謝の気持ちを伝えられる良い機会と言えます。
ただし感謝を伝えると言っても、届け方・伝え方はさまざまです。誰にどんな内容を届け、どのような結果を望むのか、目的をデザインした上で、それを踏まえたコンテンツを企画することが、感謝を適切に伝えることにつながります。
従業員のモチベーションを上げる
社内に目を向けると「周年記念」をキーワードに社員の貢献を労ったり、従業員とより良い関係を築く機会として活用したりと、社内の雰囲気向上にも活用できます。
例えば、社員インタビューや撮影といった、社員同士が絡むコンテンツを企画すれば、業務への姿勢と言った理解が深まり、一体感につながります。
他にも、周年記念サイトの制作プロジェクトを部署横断にした球体組織で実施するなど、新しいチームを組むことも良い機会となるでしょう。
周年記念サイトの基本的なコンテンツ
クリエイティブコンセプトに即したコンテンツを選定し、目的を設計したとしても、すぐにコンテンツを決めることは困難を極めます。ここからは、参考になるような基本的なコンテンツ案を紹介していきます。
社史、ヒストリー、企業年表
周年記念サイトにおいて、会社の歴史を振り返られる一番オーソドックスなコンテンツです。周年記念は、過去を振り返るタイミングとしてはベストと言えます。これまでの「企業の歩み」を年表形式でまとめることで、企業理解がより深まるとともに、未来を見据えるきっかけにもつながります。過去どんなことを行い、現在そして未来に向かっているのか、こういった振り返りは、何を大切にするべきなのかを考え直す大切なきっかけになります。
周年記念事業やキャンペーンの告知
周年記念事業は、大きく分けると「社内向け」と「社外向け」があります。
社内向けの周年記念事業は社員を労う内容が多く、社員の家族を招いたパーティが主流でしたが、昨今は新型コロナウイルスの影響もあり、オンライン式典も増加しています。一方で社外向けでは「オリジナルグッズ」の配布や「新商品・記念商品」の紹介など、周年イヤーを通じたキャンペーンを行い、集客を見越したコンテンツが実施されやすいです。
関係企業のご紹介やトップ対談
前述の周年記念事業の通り、周年記念サイトでも「社外向け」は適切なターゲット層としてあげられます。また、節目を機会に「感謝」をコンテンツテーマにすることも多く、今までご助力くださった企業様やお取引先様を紹介する事例も多くあります。相互関係の強化にもつながり、特に両社のトップ対談など、読み物コンテンツが人気です。
会社が目指している未来の話
周年記念サイトは、ユーザーにコンテンツを届ける過程において、会社の歴史を振り返りながら今後どのような未来を見せていきたいのか、目指す立ち位置を考えるきっかけにもなります。そうして考えたコンテンツは、日々流動する社会情勢の中、実現させたい世界観や姿勢を告知できるとともに、今まで取引のなかった企業様やユーザーの方々へ届けることができるようになります。
代表や社員のインタビュー記事
代表インタビュー記事のメリットは、社外への感謝を言葉で表現できるとともに、経営者として目指しているビジョンを社内外にPRできることです。自身が働いている会社のトップが思い描いている方向性に触れることで社員のモチベーション向上にも期待できます。また、社員インタビューではテーマの柔軟性を描きやすいのが特長です。例えば、個々が目指したい・頑張りたいことを掲載すると読み手にクリーン感を与え、信頼度の向上も見込めます。
企業のPR動画や周年記念動画
コンテンツはテキストだけで表現すると温度感が伝わりにくく、単調になりがちです。一方で動画を活用することで、短時間で多くの情報をユーザーに届けることができます。特に、ブランドヒストリーや開発ストーリー、課題改善への取り組み、企業メッセージなどブランディングに効果的です。また、ショート動画を合わせて用意することで、SNSシェアによる認知拡大も期待できます。
周年記念サイトの参考デザイン例
前述の通り、周年記念サイトと言ってもデザインやコンテンツ、目指す方向性は多種多様です。ここからは、企業の特色を上手に表現している周年記念サイトを参考に紹介していきます。
※下記の参考事例は弊社による制作ではございません。
chatwork株式会社
ビジネス用のチャットツール「Chatwork」を提供しているChatwork株式会社の10周年記念サイトです。
Chatworkの10年の歴史に対談企画、オンラインテックカンファレンスの開催案内や新機能の紹介など多くのコンテンツを掲載しています。さらに、SNS投稿を利用した記念プレゼントキャンペーンなど、toBのサービスでありながら個々の経験談が多く集まるチャットツールの特長を活かした企画だと言えます。
https://lp.chatwork.com/10chatwork/
LMIS(株式会社ユニリタ)
ヘルプデスク機能を中心としたサービスマネジメントプラットフォームサービス「LMIS」の10周年記念サイトです。
企業ではなく、サービスの10周年記念ということで、お世話になったお客様にフォーカスし「お客様の声」や「LMISパートナーの声」をメインに掲載しています。さらに「社内コメント」では、過去の蓄積ノウハウに対する内容も載せることで、これからのLMISに期待感と信頼感を与えています。
https://www.lmis.jp/10th_aniv.html
株式会社キューブシステム
ソフトウェア開発企業の株式会社キューブシステムの50周年記念サイトです。
コンテンツの「50年の歩み」は、シンプルなアニメーションを用いてスクロールを促しながら、要所に掲載されている転換に対する想いに触れることで、第三者の視点でもキューブシステムの「50年の歩み」をイメージできるコンテンツになっています。周年ロゴに込められた姿勢や可愛らしい広報キャラクターの配置などデザインにも気をつかっています。
https://www.cubesystem.co.jp/50th/
パールライス株式会社
国産米を取り扱う全農パールライス株式会社の50周年記念サイトです。
50周年記念動画を作成しており、これまでの歴史と事業の説明、品質管理など企業のこだわりをわかりやすく紹介しています。toCのお客様に向けた増量キャンペーン企画やラジオCMなど、50周年を機にさまざまな取り組みを行い、今まで触れてこなかった一般ユーザーの方にも周知できるようにブランディング力を高めています。
三光ホールディングス株式会社
廃棄物処理を中心に事業展開している三光ホールディングス株式会社の50周年記念サイトです。
周年ロゴを制作しており、そのデザインからは環境に携わるグループ企業らしく、ロゴ全体から明るさ、綺麗さが伝わってきます。これまでの50年、これからの50年などの未来の展望に関するコンテンツも設けられており、SDGsが謳われる昨今の社会情勢に適した周年記念サイトになっています。
三菱電機グループ
最後は、一企業ではなく、三菱電機グループの100周年記念サイトです。
コンテンツの三菱電機グループの100年を振り返った「100周年記念社史」は、見せ方がユニークで、3D表記と2D表記をユーザーが変更できる仕組みになっています。グローバル企業らしく英語サイトも用意されており、三菱電機グループソングを日本語、英語両方の言語で聞くこともできるなど、コンテンツの制作に徹底したこだわりを見せています。
https://www.mitsubishielectric.co.jp/100th/
周年記念サイト作成の基本的な流れ
周年記念サイトを制作するには、初めに目的を決めることが重要です。何のために作るのか、目的を明確化することで課題の発見と掲載するコンテンツの選定にもつながります。その後、撮影や取材の有無、デザイン、コーディング、公開までのスケジュールを決めていきます。
作成目的・課題の確認
まず、サイトをつくる目的を整理し、届けたいユーザー層の設定・改善したい課題を事前に想定します。目的としては「企業やサービスの認知度を向上させる」「社外の方々との関係を深くする」「従業員のモチベーションを上げる」の3点がよくあげられます。
目的を定めることで、届けたいユーザー層の選定につながります。改善したい効果が認知度の向上であれば、Webページへの流入やお問い合わせ率のアップといった到達地点を定めることができます。
完成イメージの整理
課題を確認しユーザーの到達地点までを想定すると周年記念サイト全体の流れが整理され、ナビゲーションや掲載するコンテンツを入れ込んだ構成図を作成できます。構成図は、デザインを作成する前の配置図も兼ねており、コンテンツの掲載順など目的に添いつつ、ユーザーに届けたい内容の優先順位を確認し、デザインとコンテンツの作成に進みます。
デザイン・コンテンツの作成
完成イメージが整理できた後は、デザインとコンテンツを作成します。コンテンツでは掲載する内容に合わせて、取材や撮影の有無、周年ロゴならば、コンセプトなどを決めていきます。デザインでは、メインカラーや創業時のお写真の有無など素材の確認が重要です。特に社史を掲載する場合は、写真の有無で説得力やユーザーのイメージのしやすさに大きく関わるため、大事にしたいファクターになります。
リリース前の確認
Webサイトの準備が整った後は、テスト環境で確認を行うことを推奨しています。周年記念サイトは、企業の節目を祝い、注目度も高まりやすいWebサイトです。PCとスマートフォンの標準的なブラウザで閲覧した際の表示崩れだけでなく、掲載されているテキスト、使われている画像など、整理された完成イメージをもとにチェックリストを作成し、一つひとつ念入りに確認することが重要です。
本番環境へリリース
本番へのリリースは1日〜数日かかるものまで、Webサイトの規模によってさまざまです。
リリース日を把握し、逆算してスケジュールをたてることを心がけましょう。また本番環境への反映後、SNSで告知する場合は、テスト環境のURLになっていないか、注意が必要です。別途投稿用の記事リストを用意しておくなど、本番リリース後の作業を想定し、準備しておくことが重要になります。
周年記念サイト制作にかかる費用
周年記念サイトにかかる費用は、周年ロゴ、Webサイト、パンフレット、記念動画などさまざまです。
ここではボリュームを仮定し、一般的な相場感を紹介していきます。
※下記の事例は弊社制作の費用ではございません。
周年サイトの価格相場
周年記念サイト:200万円〜(周年ロゴや社史などコンテンツの企画、ディレクションからWebサイトの設計、デザイン、コーディングなど制作一式の費用です。なおここでは、取材や撮影、サーバ費用などは除外しています。)
周年サイト+サイト全体のリニューアルの価格相場
- 周年記念サイト:200万円〜
- 全体のリニューアル:50万円〜(掲載するコンテンツの企画、オリジナルデザインや記載する文章、コーディングなど制作一式の費用です。システム開発の規模、素材の有無によって価格は変動します)
- 周年サイト+サイト全体のリニューアル+システム追加の価格相場
- 周年記念サイト:200万円〜
- 全体のリニューアル:100万円〜(柔軟な記事の投稿やカスタマイズ可能なEC機能などシステム開発が入っている場合の相場です。開発の規模感によって価格は変動します)
イントリックスでの制作事例:周年記念サイト+サイトリニューアル|住友商事パワー&モビリティ株式会社
大切な周年記念サイトはただ作るのでなく、目的の明確化やコンテンツの選定、しっかり設計されたデザインが重要です。弊社が制作した事例として、住友商事パワー&モビリティ株式会社が抱えていた課題の洗い出しとその解決策を紹介します。
住友商事パワー&モビリティ株式会社の課題
創立50周年を機に、社名を住友商事パワー&モビリティに改称することを決定。その中で、昨今の脱炭素社会に舵取りをしている社会情勢を踏まえ、次世代のモビリティシステムと社会インフラの構築、そしてサスティナブルな社会の実現に向け挑戦していく姿勢をポジティブかつわかりやすくステークホルダーに伝える表現方法を模索されていました。
課題に対してイントリックスが出した解決策
まず、業界の大転換期に、今後50年で目指す立ち位置の議論から始めました。経営層も同席いただいた上で、ディスカッションを重ねながらお客様の意見をその場で反映。すべてのクリエイティブの根幹となるコーポレートビジョンに基づくスローガンを制定し、推進力をもって各種クリエイティブを制作していきました。
まとめ
企業にとって大切な節目である周年記念。目的を持って制作することで、認知度向上や社内外との良好な関係構築、従業員のモチベーション向上など期待できる効果はさまざまです。一方で幅広い施策を打てるからこそ難しく、実績のある制作会社に依頼することが重要と言えます。
イントリックスは、創業以来、製造業を中⼼としたBtoB企業にデジタルコミュニケーション活⽤を提供し続けており、確固たるノウハウと実績が蓄積されています。まずはお気軽にご相談ください。
BtoB企業のデジタルコミュニケーションを総合的に支援しています
BtoB企業に特化したサービスを提供してきたイントリックスには多くの実績とノウハウがございます。現状のデジタル活用の課題に対し、俯瞰した視点でのご提案が可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
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