BtoBデジタルマーケティングやWeb制作の情報と、イントリックスの日常風景をお伝えします。

おしえて、猪目さん!(前編)
~イントリックスの「テクノロジー部門」とは~

採用
ゆるやか広報班 編集部
デジタルマーケティング戦略のアナリストやWebディレクター以外に、イントリックスで強化を目指して募集している職種といえば、システムコンサルタント[所属はテクノロジー部門]。しかしながら、その業務内容や特長・醍醐味は、当社のWebサイトや求人情報だけでは、なかなか伝え切れません。そこで、部門長でありCTO(最高技術責任者)の猪目が、イントリックスならではのテクノロジー部門の役割と魅力について、大いに語ります。
「せっかくの機会なので、普段は聞けないようなことも話してほしい!」と若手社員も集まってきて、座談会のような雰囲気に。システム系の内容にとどまらず、猪目のキャリアや知られざるエピソードなど、あの話題もこの話題も…… と皆の興味は尽きません。中井(入社4年目、Webディレクター)、道場・佐藤・森口(3人とも2年目、アナリスト)、渋澤(2018年4月新卒入社、Webディレクター)の5人が、CTOを質問攻め。司会はテクノロジー部門の矢島、撮影は『ゆる広』編集部 石森でお届けします。
若手社員ら

左から道場、佐藤、中井、渋澤、森口

テクノロジー部門って?

司会 矢島:
イントリックスに興味を持つ方に向けて、これからテクノロジー部門の仕事と魅力を紹介します。若手社員の素朴な疑問も挿み、わかりやすくお伝えしていきましょう。では、イントリックスのテクノロジー部門の位置づけから、簡単に説明してください。

猪目:
イントリックスは、日本のBtoB企業に特化し、デジタル活用を支援している会社です。海外に比べて、日本の企業は情報システムの使い方で後れを取っていることが否めません。特にBtoB企業は対外的な情報発信が十分でなく、自社の強みや独自性をユーザーにアピールする点で、差がついていると思います。訴求ポイントを伝えるには、ビジネス戦略を踏まえ、デザイン視点を持ってWebサイトをつくる必要があります。

さて、サイト構築の際、膨大な量の情報をタイムリーに発信する仕組みを整備したり、世界中からのアクセスに耐えられるようにしたりすることが求められます。それらを担うのがテクノロジー部門。つまり、「ビジネス視点、デザイン視点を支える部門」ですね。ビジネス・デザイン・システム――3つのバランスが、企業のデジタル活用に重要だと私は考えます。いずれかに偏ったサイトは、うまく活用されないままになってしまうんです。イントリックス社内では、3部門として存在し、Webサイトを構築するうえで互いの部門の重要性を認識しています。テクノロジー部門のメンバーも、システム視点に終始せず、ビジネス・デザインの見地からも物事を採り入れて仕事を進めます。そこが、大手SIerのやり方と異なるところです。

森口:
SIerと比べて、イントリックスのテクノロジー部門は、設計や企画など、上流と呼ばれる部分からやっているという認識で合っていますか。

猪目:
そうですね、“超上流”と呼ばれるシステム企画構想や要件定義から担っています。その後、実際につくる工程では、基本設計・詳細設計や構築をSIerや開発会社などとパートナーを組み、プロジェクト(以下、PJ)を推進します。要件定義をして終わりではなく、PJ全体を通して管理しますし、システムの運用が軌道に乗るまで、お客様の業務サポートも行います。

“つなぐ人材”になれるプロ集団を目指して

佐藤:
PJで難しいポイントは、どのあたりでしょう?

猪目:
日本では、情報システムのPJ成功率が30%程度だといわれます。最近は改善の努力で上向いているものの、半数近くは、コスト・スケジュール・顧客満足のいずれかが目標未達に終わっている状況です。考えられる要因は、PJの実施内容にビジネス視点が抜けていたり、進行において、顧客とのコミュニケーションをうまく図れていなかったり、など。相手の担当者は、必ずしもシステムのエキスパートとは限りません。難しい専門用語ばかり並べて機能を説明しても、伝わりにくいものです。なるべく専門用語は用いないでシンプルに、目的とできることの本質を伝えるスキルが肝心だと思います。

イントリックスのテクノロジー部門では、専門知識を持つSIerと専門知識を持たないお客様を“つなぐ人材”になれることが、ひとつのゴールです。ビジネス視点でお客様の潜在的な課題をとらえ、システムで解決する。場合によってはシステムを使わずに、例えば、業務改善でソリューションを提示する。そういった役割を果たせるプロフェッショナル集団を作りたいと考えています。日本にはまだあまりいない人材、希少価値・市場価値のある存在をイントリックスから輩出したいです。

森口:
海外ではどうでしょう? その意味で希少価値ある人材は、どのような企業に属しているのでしょうか。戦略コンサルやIT系企業などですか。

猪目:
例えば米国の場合、事業会社でエンジニアを抱え、企画・開発から運用までを行うことが一般的です。ビジネス/システムに精通していて、問題解決できる人材が多く在籍していると思います。日本の場合は対照的に、IT部門の人数が少ないため、SIerを頼りがちで人材が育ちにくい構造になっているのです。
質問する森口と佐藤

日本ではどれくらい希少な価値?

中井:
先ほど言及していた“つなげる”IT人材は、実際、日本にどれぐらいいるのでしょうか。

猪目:
日本のIT人材市場で、2%ぐらいかもしれません。8:2の法則で考えると、IT業界に20%の優秀な人材がいたとして、そのうち相手のリテラシーや置かれた立場を踏まえたコミュニケーションを取れる人が10%だと類推し、全体では2%ぐらいでしょう。

道場:
テクノロジー部門で採用するのは、システムのスキルがあり、ビジネス視点とデザイン視点を吸収できる人ですか。

猪目:
吸収できるというか、そもそもビジネスとデザインの2つの視点が重要であると、体感できる人ですね。「システム視点だけでは駄目だ」と分かる人。システムでの経験・スキルは業務上求められますし、さらにビジネス視点やデザイン視点を吸収できる素養があれば、もちろん理想的です。それ以前に欠かせないのは、システム以外の2つの視点の重要性をまず理解できることです。

われらがCTOはこんな経歴

渋澤:
話は変わって、猪目さんはどのようなキャリアを経て今日に至ったのか、聞かせてください。

猪目:
新卒で就職したのは、ハードウエア/ソフトウエアを自社開発して、システムを印刷会社に販売する会社でした。職種はフィールドSEで、お客様企業に常駐してシステムの導入やメンテナンスを行い、1年の三分の一は出張で全国を飛び回っていましたね。私が入社後2~3年で会社の経営が傾いてしまい、債権者との物品争奪戦や街頭演説が展開される様子は、テレビでも報道されました。そのころ、鎌倉に拠点を置く有名クリエイター事務所が事業を拡大すると話があり、入れてもらいました。ところが、私の海外旅行中、「事業をたたむことになった!」と連絡を受けて、びっくり(笑)

次は、ビジュアルコミュニケーション企業の関係者に直談判して、社内SEとして働かせてもらいました。インターネットの世界に関わるようになったのは、96年ぐらいから。ストックフォトビジネスといって、当時は“著作権管理された画像をオペレーターがリアル店舗で用意し、ユーザーが借りていた形態”をデジタル化するPJが起こり、ビジネスの立ち上げに貢献しました。運用が落ち着いて、新しくできることが少なくなってくると、今までに培った経験をベースにして、サービス提供側に回りたいと考えるようになりました。

イントリックス誕生秘話

司会 矢島:
そして、転機がやってくるのですね。

猪目:
現在と同じ業種、外資系のWebコンサルティング会社に入ったのは、2002年頃のことでした。そこで気賀さん(現イントリックスCEO)と出会ったのです! Webコンサルティングの仕事は、自分にとてもマッチしていると実感していました。後に、会社の方向性と考え方が異なってきて、気賀さんも私も会社を離れる決断をするんですけれども。辞めてすぐ、お客様から仕事の依頼がありました。同じタイミングで、気賀さんも個人的に別の方から連絡をもらっていたことから、2人で起業したのがイントリックスです。

20~30代で自分のやりたい業界に飛び込んで仕事を生み出して、経験がうまい具合につながり、今日にたどり着いた感じですね。私が思うには、「自分はイントリックスに『PM』(プロジェクトマネージャー)で入りました/『IA』(インフォメーションアーキテクト)で入りました」と職種に縛られる必要はありません。やりたい仕事が世の中にないなら、自分で作ってしまってもよいでしょう。若手の皆さんは、自由に考えて行動すると面白いですよ。

前編(本記事)では、イントリックスのテクノロジー部門だからこそかなう「日本のIT業界で希少価値ある人材となる」働き方、そしてイントリックスの意外な誕生秘話をお届けしました。いかがでしたか。
中編(近日投稿)では、ぐぐっとCTOの素顔に迫り、和やかさも驚きも満開のなか、ますますトークが展開します。どうぞお楽しみに!●イントリックスでシステムに携わりたい――そんな方は採用ページ

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