ユーザーの初回訪問日に加え、特定のページでアクションを起こしたユーザーについて、行動を起こした日と初回訪問の間の期間や行動を起こした時のセッション回数などを傾向として把握しておくことは、B to Bマーケティングにおいては重要な指標になります。
B to Bの場合、初回訪問ですぐにコンバージョンにつながる確率は高くはありません。そのため、コンバージョンに至るまでにどの程度サイトを訪問しているのかを知ることが有益です。
訪問セッション数の平均値を取ることは難しいかもしれませんが、全体の行動パターンを把握する数値を得ることによって、一歩進んだマーケティング施策が可能になるのではないでしょうか。
例えばある会社では、こうしたデータを分析することによって、初回訪問時に引き合いにつながる問い合わせがくるケースはほとんどなく、問合せページを開いてから2、3回セッションを重ねた後で問い合わせが来るという傾向を把握することができました。
さらに、初回訪問からお問い合わせに至るまでに2週間〜1ヵ月ほどかかっていることが見えてきました。そうすると、「初回訪問から3ヵ月以上空いていて10回以上訪問しているユーザーは既にお取引のある既存顧客、またはメルマガ会員である確率が高い。」といったことが分かります。訪問回数が多いユーザーに対してコンバージョンに至るための施策をとる必要性が低いため、コンバージョンに至る行動を解析する際には、それ以外のユーザーの行動と区別して考えることができるのです。
また、行動傾向を知ることは、コンテンツを追加する頻度を判断する際の指標としても役立ちます。一般的には「新しいコンテンツを次々に出さなければ、サイトが刷新しているように見えない」と考えがちです。しかし新規顧客となるお問い合わせをしてくれる率が高いユーザーは3カ月くらいで入れ替わっているとすれば、過去のコンテンツを前に出すという対応でも問題ないかもしれません。
数値を分析することにより、より効率的で有効な施策が見えてきます。
今回は、ユーザーの行動全体を見渡した上でサイトやページの評価を行う重要性と、そのために役立つレポートの作成方法について紹介しました。GA4をより有効に活用し、すでにあるコンテンツ資産を最大限に活用していきましょう。