BtoBマーケティングコラム 【イントリックス流の制作極意】
CASE06|自社サイトのコンテンツをどう整理すればいいのかわからない

2024年11月7日

数年前と比較すると、自社サイトでしっかりとコンテンツを発信しているBtoB企業は増えてきました。コンテンツを作り、定期的にサイトを更新して情報発信の頻度を高めることは企業がデジタルでコミュニケーションする上では非常に重要なことです。

しかし、コンテンツは増えてきたものの、似たような内容が多い気がする。伝えるべき情報が網羅されているかわからない。リニューアルなどを機にコンテンツ全体の整理をしたいが何から始めればいいのかわからない。というお悩みを持つBtoB製造業のWeb担当者様もいらっしゃると思います。

今回はコンテンツ単体ではなく、Webサイト内のコンテンツを「群」として捉えて、どのように整理していくべきかについて、その過程と手法をご紹介します。

プロジェクト概要

お客様 機械メーカー様
課題
  • 研究開発カテゴリ配下のコンテンツが乱立している
  • 研究開発カテゴリで何を伝えたいかが不明瞭
  • 何を拠りどころにコンテンツを作っていけばいいのかわからない
プロジェクト名 研究開発カテゴリ改修
支援内容 ターゲット整理・コンテンツ棚卸し、コンテンツ戦略
期間 調査戦略フェーズ:約3ヶ月(制作は別プロジェクト)

コンテンツ群を俯瞰して過不足を洗い出す極意

本プロジェクトのお客様はサイトの全体リニューアルを予定しており、特に技術力を強く打ち出すために技術カテゴリの刷新が求められていました。その中で以下のような課題をお持ちでした。

技術力訴求のために多くのコンテンツを発信していたが、内容が偏っているのではないか?

技術力を訴求するために必要なコンテンツは何か?

そもそも何を拠りどころに考えていけばいいのか?

このような抽象的なテーマに対して、具体的にどのような考え方で整理して、コンテンツの新しい方向性を導き出したのか。その極意をご紹介します。

【制作極意1】

整理も企画も、まず拠りどころから

コンテンツを企画・制作する上で、最も重要かつ最初にやるべきことはターゲットや目的を明確にすることです。それはコンテンツ群を整理する上でも変わりません。拠りどころ無しでコンテンツの棚卸しをしても、ただ既存のコンテンツをリストアップしただけ。何が不足しているのか、どのようなコンテンツが必要なのかは見えてきません。

今回は「技術力の訴求」というテーマの解像度を上げて、より具体的な拠りどころを可視化していきました。まずは技術力を訴求して何を実現したいのかをヒアリングし、議論して目的を抽出。「技術力を訴求して新規顧客に製品に対する信頼感を与えたい」「当社がどのような技術を持ち、研究開発を行っているかを訴求して、優秀なエンジニアを採用したい」など、複数の目的が挙がりました。

次にそれぞれの目的に対してのターゲットとその実現に必要な情報を策定していきます。多くの場合、コーポレートサイト配下の各カテゴリのターゲットは複数になります。あまり技術に詳しくない新規顧客というターゲットであれば、「技術をわかりやすく伝えて、その優位性を理解してほしい」、中途の技術者であれば「自社が保持している技術や研究開発体制の充実さを伝えて、転職先の候補として検討してほしい」といった形になります。

こういった拠りどころが無ければ、いつの間にかターゲット不在の自社目線のコンテンツばかりが乱立して、真に届けたい相手に情報が伝わらなくなります。私たちは長年の経験を元に、お客様と議論してできるだけフラットな視点で物を考えられるための拠りどころ作りをお手伝いいたします。

図1:拠りどころ策定例。ターゲットと目的を詳細化し、必要な情報を洗い出す

【制作極意2】

拠りどころ✕フレームワークで過不足を洗い出す

可視化されたターゲットと目的、伝えるべき情報の方向性を基にコンテンツを整理していきます。単にグルーピングしていくだけでは、何が不足しているのかが浮き彫りにならないので、コンテンツをマッピングしていくフレームワークを作成します。

フレームワークにはいろいろありますが、私たちがよく使うのは「5W1H」のオーソドックスなもの。企業を「人」として捉えたときに相手に何を伝えれば、その人となりをご理解いただけるかを可視化することができます。例えば、その人はどのようなことをめざしているか(Why)、どうやって実現しようとしているか(How)、何を提供しようとしているか(What)、それを実現している人はどのような人か(Who)、その人はどんな経歴を持っているのか(When)、どういった場所で行っているか(Where)、こうした軸で既存コンテンツを整理していきます。

このように整理していくと、コンテンツ分布に偏りが見えてきます。このプロジェクトのお客様の場合、技術の説明や事例(What)のコンテンツは充実していました。しかし、そもそもどういう考えで研究開発しているのか(Why)や考えを実現する大きな方向性(How)などが不足していました。そこでこれらを説明する「ミッション」コンテンツ、研究開発拠点の説明コンテンツ(Where)や技術者インタビュー(Who)などの新規コンテンツが企画されました。

図2:フレームワークを用いたコンテンツマッピングのイメージ。不足している領域が可視化される

【制作極意3】

他部門や海外の巻き込みもサポート

こうして研究開発カテゴリを改修する上で次にやるべきことが明らかになりました。しかし、次の実行フェーズに進むにあたり、カテゴリ内のコンテンツオーナーが一人ではないため、実行に移すためには他部門との連携が必要なことがわかりました。

他部門との連携は一筋縄ではいかないことも多いものです。会社によってさまざまな関係性があるので、「あの部門にこれをお願いしたいのだけど、どうやって説明すればいいのか…」そういったお悩みを持つご担当者様も多いはず。イントリックスはそういった内部事情も踏まえて、プロジェクトを円滑に推進していくお手伝いもさせていただいております。

例えば、他部門の担当者にプロジェクトの趣旨と依頼事項をわかりやすく伝えるための資料を作成したり、担当者様に直接ご説明させていただいたりすることも可能です。また、当社はグローバル企業様ご支援の実績も豊富。バイリンガルのスタッフもおりますので、海外販社のご担当者様へのご説明ややりとりもできます。

他部門や海外販社をプロジェクトにうまく巻き込むことは、高品質なコンテンツを制作する上で欠かせないものです。イントリックスはコンテンツを制作するだけではなく、プロジェクトをうまくドライブさせ、成功に導くディレクションも行っております。

他部門や海外販社とのコミュニケーションも含めてサポート

何が足りていないのか、次に何をすればいいのかがより具体的に

本プロジェクトはいったんコンテンツ戦略までをスコープとしていました。コンテンツ群改修の方向性を決め、既存コンテンツの整理、必要な施策までをまとめました。元々、コンテンツの発信自体は積極的に行っていたお客様でしたので、方向性さえ決まればあとは制作に向けて具体的に動くだけです。

お客様からは、これまで漠然と捉えていた課題や目的が明確になって良かった。他部門との調整をフォローいただけたのも助かったとのご意見をいただくことができました。一方で、コンテンツをしっかり整理するためにはこれだけたくさんのことをやらなければならないのですねと、コンテンツを企画・運用していく大変さをあらためて実感されたそうです。

今回ご説明したコンテンツ整理のアプローチは決して難しいものではありません。しかし、やるべきことは多く、通常業務の片手間で実行するにはなかなか難しいのではないでしょうか。イントリックスは難解で奥が深いBtoBの技術や製品をわかりやすく、魅力的なコンテンツを多数制作してきました。その実績を基にプロジェクト推進からお手伝いさせていただきます。「今のコンテンツに何が足りていないのかわからない」「プロジェクトに他部門をどう巻き込んでいくべきか」。こういったお悩みのお持ちであれば、ぜひ一度お話をお伺いさせてください。

著者プロフィール

コンテンツプランナーチーム

雑誌編集者やWebマーケター、BtoBライターなどの経歴をもつコンテンツ制作の精鋭が集まった経験豊富なスペシャリスト集団。
企業ブランディングの支援からマーケティングまで、BtoBビジネスに必要なコンテンツをゼロから生み出すクリエイティビティと守備範囲の広さを武器に、あるべき姿を描くコンテンツ戦略から制作・取材・執筆までを一手に担う。
ブランドコンテンツ、サステナビリティコンテンツ、IRコンテンツ、技術・製品紹介コンテンツ、導入事例、SEOコンテンツ、LP、ホワイトペーパー、オウンドメディア、メルマガ制作など、BtoBコンテンツに特化した実績が豊富。

関連情報

BtoB企業のデジタルコミュニケーションを総合的に支援しています

BtoB企業に特化したサービスを提供してきたイントリックスには多くの実績とノウハウがございます。現状のデジタル活用の課題に対し、俯瞰した視点でのご提案が可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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